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風の谷新聞にナウシカガール 「風の谷のナウシカ」公開当時をマニアが収集品とともに振り返る

おたくま経済新聞 / 2020年7月27日 11時57分

風の谷新聞にナウシカガール 「風の谷のナウシカ」公開当時をマニアが収集品とともに振り返る

貼り文字や修正液が懐かしい(笑)

 スタジオジブリ作品の劇場再上映企画「一生に一度は映画館でジブリを。」が6月26日より全国372の映画館で行われています。上映されているのは、「風の谷のナウシカ」(1984)、「もののけ姫」(1997)、「千と千尋の神隠し」(2001)、「ゲド戦記」(2006)の4作品。(見だし画像はアニメージュ1984年2月号に掲載された新聞の原本/筆者コレクションより)

 上映当時まだ生まれていなかった若い世代の方々はじめ、リアルタイム世代でも当時劇場で観ることのできなかった方々にはまたとないチャンスです。この機会にお気に入りの作品の魅力を迫力ある劇場で余す事なく観賞するのも良いかと思います。

 今回の作品ラインナップを見ますと、宮崎駿監督作品が3作品・宮崎吾朗監督作品が1作品となっており、なんで宮崎駿作品4作品にしなかったのかなぁ?と思いました。

 が、宮崎駿監督自身、「ゲド戦記」の原作者であるアーシュラ・k・ル=グウィンさんとのお話の中で、自分の作品は全て「ゲド戦記」の影響を受けている。と仰っていた事などを思い出し、今回のラインナップは「ゲド戦記」の影響を色濃く受けた宮崎駿監督作品群と「ゲド戦記」なのか!と筆者は勝手に解釈しております(笑)

 実はこの「ゲド戦記」、「風の谷のナウシカ」が公開されるよりも前の1981~82年頃に一度目の映画化許諾を取ろうとしましたが、許諾が降りず断念した経緯もあるんです。

 代わりに「風の谷のナウシカ」をやる事になったと鈴木敏夫さんは、雑誌「インビテーション」2006年4月号のインタビューで当時を振り返っています。

 ということで今回は、「風の谷のナウシカ」のリバイバル上映を記念しまして、当時の宣伝をふり返りながらナウシカグッズをご紹介していきたいと思います。

 「風の谷のナウシカ」は徳間書店創立30周年記念事業の一つとして企画されたこともあり、宣伝展開もかなり注力されました。

 徳間書店では自社のアニメ専門雑誌「アニメージュ」において、最新の制作情報を読者に送る「ナウシカ・ノート」を1983年7月から全11回にわたり連載。

 映画製作ニュース・風の谷七人衆コーナー・スタッフ紹介・「宮崎駿『ナウシカ』への道」と題した、ナウシカが劇場アニメになるまでの追跡レポート・宮崎駿監督が様々な人と対談する「宮崎駿 いろんな人としゃべる」などの内容で、他誌では真似できない独自の宣伝展開で作品を盛上げました。


 中でも、読者が七人のサークルを作ってアニメージュが提供する情報を元に風の谷新聞を作るという「風の谷七人衆コーナー」は盛り上がり、様々なサークルの風の谷新聞が毎月誌面を飾りました。


 9月からは女優・安田成美の歌手デビューのきっかけともなった、博報堂提案による「ナウシカガールコンテスト」。


 スーパーのジャスコとのタイアップによる原画のパネル展などが行われた「ジャスコ・ナウシカ・キャンペーン」。


 西武池袋店ではバレンタインデーに向けた「ナウシカチョコレート」の販売や限定のぺア前売券の販売。

 公開直前の3月3日には「ナウシカひなまつり」と題したスタンプラリーやグライダー大会、多数の声優を集めてのラジオの公開録音のイベントなどが行われました。このとき参加者にはスタンプラリー台紙はもちろん専用のゼッケン、そして景品としてナウシカチョコレートも配られました。




 と、まだまだ書き出すとホントに止まらないのですが(笑)今振り返って見てみるとクロスメディアを駆使した広域な宣伝展開ではありましたが、中には制作側が意図していない、作品イメージとは違う宣伝展開もいくつか見受けられました。

 この苦い経験は、後のスタジオジブリ作品の宣伝展開で活かされていくこととなります。

 ただ今回は広く一般に、映画「風の谷のナウシカ」・監督「宮崎駿」を知ってもらうという意味での宣伝は成功したのではないでしょうか。

(非売品ジブリグッズ収集家・くろすけ/@kurosuke4313)

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