エアバスのフランス海軍向け無人ヘリコプターVSR700 自律飛行に成功
おたくま経済新聞 / 2020年7月29日 16時32分
初の自律飛行を実施するVSR700試作機(Image:Airbus)
エアバスは2020年7月28日(現地時間)、同社の無人ヘリコプターVSR700の試作機がフランス南部、エクス=アン=プロヴァンスにあるドローンテストセンターで初の自律飛行に成功したと発表しました。この無人機は、将来フランス海軍の艦艇で運用される予定です。
無人ヘリコプターVSR700は、エアバスがフランス軍事省装備総局(DGA)とフランス海軍、そしてナーバル・グループと共同開発しているもの。艦船に搭載し、哨戒(ISTAR)や対潜水艦戦闘、捜索救難などマルチに活用できる無人機システムとして計画されました。
機体はギンバルの2人乗り小型ヘリコプター、カブリG2をベースとし、各種センサーや通信機器を搭載しました。全長6.2m、最大離陸重量は700kgで、最大飛行時間はフル装備の状態で8時間、最大運用高度は6000mとなっています。
試作機の初飛行は2019年11月。今回の自律飛行にあたっては、飛行可能区域を逸脱しないための「ジオフェンシング(Geofencing)」と呼ばれる仮想の境界線を設定して実施されています。
エアバス・ヘリコプターのブルーノ・エベンCEOは、VSR700初の自律飛行成功を受け「フランス海軍の将来型ドローンのリスク除去研究の一環として、2021年の終わりに予定されている海上での試験に向け、大きなステップとなりました。フランスのPlanAero(フランス公共投資銀行による航空産業近代化のための投資支援プログラム)のおかげもあり、この計画は2機のデモンストレータとオプションの有人機をフルに活用し、海軍の環境における無人航空機運用を成功させるため、技術面と運用面双方の開発熟成を進めることができます」とコメントを発表しました。
エアバスによると、VSR700試作機は2019年11月の初飛行以来、必要に応じてミッションを中断できるシステムを含む自動操縦ソフトウェアの熟成とともに、機体構造の補強といったハードウェア面での変更も加えられたといいます。今回の自律飛行は10分間という短いものでしたが、2021年に予定される海上試験までに、より多くの試験飛行が続けられる見込みです。
<出典・引用>
エアバス ニュースリリース
Image:Airbus
(咲村珠樹)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
超型破り設計で「海上スレスレを爆速飛行」する航空機、なぜそう飛ぶ? 推進装置は12発…でもJALも協力
乗りものニュース / 2024年10月15日 7時42分
-
フランス 次代の核戦力を担う新戦闘機の開発をスタート! ステルスUAVとの連携も視野
乗りものニュース / 2024年10月14日 17時12分
-
「機体が起立!…離陸!!」驚愕コンセプトの航空機、その最新状況は? 見た目“虫”、動きは“犬”!?
乗りものニュース / 2024年9月27日 7時42分
-
韓国防衛企業、軍用「垂直離着陸」の無人機を公開
KOREA WAVE / 2024年9月26日 8時0分
-
「最後の有人攻撃ヘリになるかも?」伊で開発中の「フェニーチェ」軍の演習に初参加!
乗りものニュース / 2024年9月22日 17時12分
ランキング
-
1マスマーケティングだけでは勝機はない…情報の溢れかえる“超競争環境”の現代で「選ばれる企業」になるには
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月21日 11時15分
-
2「まさに自業自得」“あおり運転”してきたアルファードが、事故を起こして警察に捕まるまで
日刊SPA! / 2024年10月21日 8時51分
-
3「隣人ガチャ」にハズレたタワマン住人の嘆き 「中国人が10数人で暮らし始め…夜は大きなカラオケ音が…」転居を決めるまでの顛末
NEWSポストセブン / 2024年10月21日 16時15分
-
4「プライドと時給が高すぎる」“薬剤師バイト”に悩む薬局。問題を起こされても、なかなかクビにできないワケ
日刊SPA! / 2024年10月21日 8時53分
-
5運が悪い人ほど口にしている「3つのNGな言葉」
PHPオンライン衆知 / 2024年10月21日 12時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください