国際宇宙ステーションの新ロシアモジュール「ナウカ」バイコヌール宇宙基地へ
おたくま経済新聞 / 2020年8月14日 10時0分
国際宇宙ステーションの新ロシアモジュール「ナウカ」(Image:Roscosmos)
ロスコスモス(ロシア宇宙庁)は2020年8月11日夜(現地時間)、国際宇宙ステーションの新しいロシア科学モジュール「ナウカ」をカザフスタンのバイコヌール宇宙基地へ送り出したと発表しました。輸送用の貨物列車に載せられた「ナウカ」モジュールは、バイコヌール宇宙基地で2021年4月に予定される打ち上げに向け、各種の試験が実施されます。
ロシアの新しい国際宇宙ステーション用モジュール「ナウカ(ロシア語で「科学」の意味)」は、元々1998年11月20日に打ち上げられた最初の構成モジュール「ザーリャ」のバックアップとして、1995年に製造が始まったもの。ザーリャが無事打ち上げられ、不具合がないことが確認されたことでバックアップの必要がなくなったモジュールは、多機能実験室兼収蔵庫として再利用されることが2004年に決定しました。
当初の予定では2007年までに打ち上げられるはずだった「ナウカ」でしたが、ロシアの宇宙開発予算が削減されたことでスケジュールが遅れ、2012年の打ち上げを目指すことに。ところがその途中、燃料供給システムに不具合が見つかり、分解してみると経年劣化で内部にヒビ割れと汚れができていることが確認されました。
このため、燃料供給システムを新たに作り直すこととなり、打ち上げスケジュールはさらに遅れてしまいます。最終的に「ナウカ」はメインフレームを残し、ほとんどが新しい部品に交換され、交換式の科学実験用ラックを収納するモジュールとして生まれ変わることになりました。
ロスコスモスによると、ナウカの宇宙における設計寿命は最低7年。現在のところ、日本やアメリカ、ロシア、カナダは2024年までは国際宇宙ステーションを運用していく方針を示しています。もし2024年で国際宇宙ステーションが運用を終える場合、ロシアは国際宇宙ステーションのロシア側モジュールを分離し運用を継続する方針なので、新しいモジュールを今から打ち上げても無駄になりません。
バイコヌール宇宙基地に送られた新モジュール「ナウカ」は、2021年4月の打ち上げを目指し、様々な機能試験が重ねられることになっています。2011年で一旦完成した国際宇宙ステーションですが、現在アメリカの企業が計画しているモジュールをはじめ、さらに規模が拡張されていきます。
<出典・引用>
ロスコスモス ニュースリリース
Image:ロスコスモス
(咲村珠樹)
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