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マニア魂に火がついた「借りぐらしのアリエッティ」ミニ本コレクション

おたくま経済新聞 / 2020年8月28日 10時49分

マニア魂に火がついた「借りぐらしのアリエッティ」ミニ本コレクション

借りぐらしのアリエッティ

 本日(8月28日)は、日本テレビ系列の「金曜ロードSHOW!」にてスタジオジブリ作品「借りぐらしのアリエッティ」が放送されます。

 アリエッティは今年で10周年!そしてその年に結婚した筆者も錫婚式!まぁ、なんてメデタイのでしょ~(笑)と、筆者の事は置いといて、今回も小話を絡めつつ、グッズの紹介!行ってみよう!

 「借りぐらしのアリエッティ」の監督は、宮崎吾郎氏の推薦で鈴木プロデューサーが宮崎駿氏に相談した末に米林宏昌さんに決定。

 当時はジブリ最年少の監督としても話題になりました。愛称は麻呂。ジブリの新人歓迎会のときに、そのおっとりとした性格から命名されたそうな(笑)サインにも愛称が書かれています。

 原作はイギリスの児童文学作家メアリー・ノートンによる「床下の小人たち」。

 製作委員会の資料によると「当時業界では、アニメーションはいわゆる“ジャリもの”として扱われており、良質な児童文学をそのままアニメーション化するという考えは皆無でした。そんな中、先輩・高畑勲らとアニメーション化できないか、と語り合った本の中に、本作があったのです。しかしながら、当時、この企画は受け入れられず、別の企画を立ち上げていくことになるのですが…」(原文まま)とあります。

 高畑氏がこの本と出会ったのは東映動画に入社して間もない頃。その当時はまだ企画を出すという立場ではなかったという事もあり、その企画は自分の引き出しにストックとして蓄積されていました。

 1971年にアストリッド・リンドグレーン原作の「長くつ下のピッピ」の映像化に向けて、高畑氏は宮崎氏と小田部氏を誘ってAプロに移籍するも、原作者の許諾が取れずにアニメーション化はお蔵入りに……。

 でもその頃は、他にもアニメーション化の企画をたくさん練っていた宮崎・高畑の両氏は、小人達が家の天井裏に住みついて少年少女との交流を描くという「頭の上のチッカとボッカ(仮題)」というオリジナル作品を企画します。

 この時に高畑氏の頭の中には、東映動画時代にストックしていたノートンの作品があったそうです。


 しかしこの作品、宮崎駿(原案)高畑勲(演出)で絵コンテまで進むも、当時はまだ無名に近い宮崎氏の起用に毎日放送が難色を示したことにより頓挫。

 企画は藤子・F・不二雄に託されることになり、形を変えて1973年に「ジャングル黒べえ」という作品として世に出ることになります。

 そう、若き日に「床下の小人たち」から着想を得て宮崎氏と高畑氏の考えた企画というのは、一度手を離れて全く別のものへと変化してしまったのですね。

 それをもう一度形にするべく、時代を見据え、世に送り出したのがこの「借りぐらしのアリエッティ」というわけです。

 今回はアリエッティのルーツを辿ってみましたがいかがだったでしょうか。

 2010年に宮崎監督は「宮崎駿が選んだ50冊の直筆推薦文展」というのを開催しており、「床下の小人たち」はもちろんのこと、「ハイジ」「ゲド戦記」「海底ニ万里」「思い出のマーニー」なども推薦本としてあげています。

 こちらがその50冊分の推薦文が書いてあるミニ本「岩波少年文庫の50冊」なのですが、ミニ本というのは全部で13冊ありまして、これまた一冊一冊入手方法が違い、~の展示会に行くと貰えるとか、CDやDVDの封入特典だったりとか、ミニ本集めに奔走したのは良い思い出。

 さらに、日清製粉の株主しか手に入らないミニ本の存在を知ったときには、非売品ジブリグッズ収集家魂に火がつきました(笑)

(非売品ジブリグッズ収集家・くろすけ/@kurosuke4313)

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