第二次大戦中のソ連装甲列車BP-43のレプリカ完成 モスクワ愛国者公園に展示
おたくま経済新聞 / 2020年10月6日 21時0分
愛国者公園での装甲列車BP-43レプリカの贈呈式(Image:ロシア国防省)
第二次世界大戦中にソ連が運用した装甲列車。その決定版ともいえるBP-43のレプリカが完成し、2020年10月3日(現地時間)に展示先となる、モスクワ郊外の「愛国者公園」でロシア国防省への贈呈式が開催されました。牽引する装甲蒸気機関車も実際に蒸気をあげ、走行可能に作られています。
装甲列車BP-43は、大祖国戦争(第二次世界大戦の独ソ戦)中の1942年~1944年に、全部で21編成が製造されました。それまでの戦訓から、1両あたり2つ設けていた回転式砲塔の設計をやめ、76mm砲を搭載したT-34戦車の砲塔を1両当たり1つとし、車両の軽量化とダメージコントロールの向上を目指したものとなっています。
贈呈式で、ロシア国防副大臣のアンドレイ・カルタポロフ大将は「トゥーラの職人による尽力のおかげで、ここ愛国者公園の中央展示エリアに伝説的な「勝利の兵器」、最も強力な装甲列車であるBP-43のレプリカを展示できることになりました」と挨拶し、レプリカ作成に尽力した人々に感謝を捧げています。
今回製作された装甲列車BP-43のレプリカは、牽引する装甲蒸気機関車兼司令車と火砲車、対空機銃車に装甲貨車の編成。蒸気機関車はボイラーが健在で、実際に蒸気で走行できるもの。
展示場所となる特設ホームでは、煙突から煙がたなびき、排出された蒸気も白い湯気になって漂う……という当時を思わせる光景。車両には当時のソ連軍(赤軍)に扮した人々が乗っており、装甲貨車には負傷兵と従軍看護婦の姿も。
式典では戦争当時、BP-43が飛行機から攻撃された際の対空戦闘を再現したリナクトメントも実施。飛来した飛行機に対し、対空機銃を向ける様子を見せていました。
自分が生まれる遥か前にあった鉄道車両、しかも現在は存在しない装甲列車ということもあり、子どもたちも興味津々。車両の内部を覗き込む様子も見られました。
2015年に開設され、少しずつ展示品が増えている愛国者公園。新たに加わった装甲列車BP-43のレプリカも、人々に戦争の歴史を伝える大事な役割を担うことになります。
<出典・引用>
ロシア国防省 ニュースリリース
Image:ロシア国防省
(咲村珠樹)
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