北海道では家庭の味 「たらこの子和えこんにゃく」
おたくま経済新聞 / 2020年10月13日 17時0分
北海道はじめ北日本ではお馴染み「子和えこんにゃく」
日本各地には、その地方で親しまれている家庭料理がたくさんあります。故郷を離れて初めて、それが「ふるさとの味」だと気づき、懐かしくなる人も多いのでは?北海道のバーチャルアイドル、北乃カムイさんが北海道ならではの郷土料理「たらこの子和えこんにゃく」をTwitterで紹介し、反響を呼んでいます。
北海道を盛り上げ、ネットを通じて内地にアピールする活動をしている北乃カムイさん(@kamuikitano)。2013年の活動開始以来、地上波ラジオのレギュラー番組を持つなど、バーチャルアイドルでありローカルアイドルという独自の地位を築いている存在です。
今回Twitterで「北海道の郷土料理「たらこの子和えこんにゃく」知っていたらRT」と、道民なら分かるネタを投稿。
これには道民、北海道出身者だけでなく、北日本の人たちも広く反応。「日本中どこでもある食べ物かと思ってました」といった感想や、こんにゃくの代わりにニンジンの細切りで作るという人、または「クロガシラ(筆者註:クロガシラガレイのこと。クロガレイの名でも流通)、カワガレイ(筆者註:ヌマガレイの名でも流通)の子でも旨いよ」というリプライが並んでいます。
馴染みのない方に説明しておくと、ここでいう「たらこ」は、日本全国で売られている赤いたらこではなく、マダラの卵巣(真子/真鱈子)や、生のスケソウダラの卵巣(助子)を指します。一般に売られている「たらこ」は、スケソウダラの卵巣を塩漬けにしたもの(塩たらこ)。
生のタラ(マダラ)が出回る北海道や北日本では、丸のままのマダラが「真子(たらこのあるメス)」「白子(白子のあるオス)」と区別されて売っていることもあります。人によって真子を求めるか、白子を求めるか違うからですね。
さて、本題の「子和えこんにゃく」ですが、生のたらこと「つきこんにゃく」と呼ばれる、ところてん状になったこんにゃくを甘辛く炒り煮にしたもの。つきこんにゃくが手に入らない場合「糸こんにゃく」や「しらたき」でも代用できます。
たらこは、ひと口大に切っておきます。また、こんにゃくは湯通しして臭みを取ります。チリチリと乾煎りし水分を飛ばしておくと、こんにゃくに味が染み込みやすくなりますよ。
味付けの基本は、しょうゆと砂糖。めんつゆで代用できます。におい消しに日本酒やしょうがを加えるご家庭もありますが、このあたりはお好みで。煮付けの一種でもあるので、煮汁は最初ちょっと薄味かな……という感じから煮詰めていくと調整がしやすいですね。
先に煮汁を煮立たせ、生たらこを投入(冷えた状態からタラコを煮ると臭みが出ることも)。たらこがヒタヒタになる程度が、煮汁の分量としては適切です。気になる場合は、煮汁の入った鍋を火にかける前に、一旦たらこを置いてみて確かめてもいいでしょう。
たらこに半分くらい火が通り、色が白っぽく変わりはじめたら、こんにゃくを投入。軽く混ぜて、クッキンングシートやアルミホイルで落とし蓋をし、しばらく中火程度で煮てあげます。
たらこに火が通りきったな……という時点で落とし蓋を取り除き、少し火を強めて今度は煮汁を飛ばし、炒り煮の状態にします。鍋を傾けて、煮汁が少し出るかな、というところで完成。火を止め、自然に少し冷まして味を落ち着かせます。
この「子和えこんにゃく」、いわゆる家庭の常備菜的な位置づけで、北海道では多くの家庭で食べられているものなんだとか。コンビニのセイコーマートでも、惣菜として取り扱っている場合もあるようです。
生の魚卵が手に入る土地ならでは、といった料理ですが、ご飯が進むだけでなく、日本酒のおつまみにも適している、どの年齢にも好まれるもの。北乃カムイさんは「ある意味、手に入りづらい北海道メニューかもしれませんね!」と語ってくれましたが、見つけた方は是非味わって欲しいものです。
北海道の郷土料理
「たらこの子和えこんにゃく」
知っていたらRT pic.twitter.com/sVZtbzskck
— 北乃カムイ 北海道育成アイドル (@kamuikitano) October 12, 2020
<記事化協力>
北乃カムイ 北海道育成アイドル(@kamuikitano)
(咲村珠樹)
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