第3世代のロシア版GPS「GLONASS-K」3号機打ち上げ成功
おたくま経済新聞 / 2020年10月28日 17時43分
「Glonass-K」3号機を載せたソユーズ2.1bロケットの打ち上げ(Image:ロシア国防省)
ロシア国防省は2020年10月26日(現地時間)、測位衛星GLONASSの第3世代シリーズ、GLONASS-Kの3号機を10月25日に打ち上げ、予定の軌道に投入したと発表しました。GLONASS-Kは従来より本体がコンパクトになり、測位精度は2倍の数十cm単位、寿命も10年と向上しています。
ロシアの測位衛星GLONASSは、1982年から打ち上げが始まったもので、アメリカのGPS、ヨーロッパのGalileoと同じく、軍と民間向けに衛星ナビゲーションシステムと、COSPAS-SARSAT国際捜索救助システムなどを提供しています。現在は第2世代のGLONASS-Mが運用中です。
GLONASS-Kは第3世代にあたる衛星で、初めて非与圧構造のシステムを採用しました。与圧に必要な機器がなくなったため、衛星の重量はGLONASS-Mの約1400kgに比べ、935kgと大幅に軽量化を達成。また、運用寿命も7年から10年に向上しました。
測位用の信号は従来のものに加え、アメリカのGPSやヨーロッパのGalileoと互換性のあるCDMA方式が採用されており、測位精度が従来の2倍に向上したほか、GPSやGalileoとのマルチシステム受信機が開発可能になりました。GLONASS-Kの1号機は2011年2月に打ち上げられ、2号機は2014年12月に打ち上げられています。
GLONASS-Kの3号機を載せたソユーズ2.1bロケットは、ロシア北西部アルハンゲリスク州にあるプレセツク宇宙基地の発射台に据え付けられました。
打ち上げはモスクワ時間の10月25日22時8分。ソユーズ2.1bロケットは夜の闇をついて宇宙を目指します。
打ち上げから約2分後、衛星は無事にロケットから分離され、打ち上げは成功。ロシア航空宇宙軍のゲルマン・チトフ宇宙センターの追跡管制で、予定通りの軌道に投入されたことが確認されました。
その後、衛星は起動に成功し、現在のところ問題なく機能していることが確認されました。今後はすでに軌道を周回している1号機、2号機と合わせ、GLONASS-Kの性能試験を重ねていくことになっています。
<出典・引用>
ロシア国防省 ニュースリリース
Image:ロシア国防省
(咲村珠樹)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
スペースX、欧州の測位システム「ガリレオ」の衛星を打ち上げ ロケット1段目は使用20回目
sorae.jp / 2024年5月8日 9時10分
-
スペースX、欧州の測位システム「Galileo」の衛星2機の打ち上げ成功
sorae.jp / 2024年4月28日 15時51分
-
JAXA、だいち4号搭載のH3ロケット3号機を早ければ2024年6月30日に打ち上げ
sorae.jp / 2024年4月27日 7時38分
-
ULAがデルタIVヘビーの最終打ち上げに成功 デルタシリーズ運用に幕
sorae.jp / 2024年4月23日 6時24分
-
2021年にISSから投棄された人工物の一部が大気圏再突入後に米国の民家へ落下
sorae.jp / 2024年4月18日 21時21分
ランキング
-
1すき家、14日から復活する“人気メニュー”が話題に 「復刻まじか」「通常メニューにして…」
Sirabee / 2024年5月9日 4時0分
-
2クルマに出現する「光るカメ」は危険のサイン! 見慣れない「謎マーク」の意味は何? そのまま走り続けるのはNG!
くるまのニュース / 2024年5月9日 20時10分
-
3冷蔵庫で「長ネギ」がシワシワに…うまく保存するには? 消費者庁がコツを解説
オトナンサー / 2024年5月9日 22時10分
-
4「そば派」「うどん派」はどっちが多い? 5000人調査の結果が明らかに- LINEヤフー
マイナビニュース / 2024年5月9日 16時26分
-
5吉野家で"から揚げ"がお得に食べられる。割引&ご飯の増量などが無料に。
東京バーゲンマニア / 2024年5月10日 9時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください