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【ジブリグッズラボ】多くの人形でみせる「コマ撮りコレクション」の魅力

おたくま経済新聞 / 2020年11月6日 13時0分

【ジブリグッズラボ】多くの人形でみせる「コマ撮りコレクション」の魅力

ジブリグッズラボ

 三鷹の森ジブリ美術館の常設展示の中でも人気の高い、立体ゾートロープの「トトロぴょんぴょん」。直径約2メートルの円盤上にある347体の人形たちでアニメーションのような動きを見せるという、これまでにない精度と密度を持ったゾートロープは今でも多くの人に感動を与えてくれています。

 ゾートロープの歴史はとても古く19世紀に誕生。スリットを設けた円筒を回転させ、中に描かれている絵をスリットから覗くと絵が動いて見える仕組みになっています。
これは人の網膜の残像現象(網膜に映った映像は消えるまでにほんの少し時間がかかる)を利用したもので、少しずつ動きの異なった連続性のある絵を見ると、絵が動いて見えるというアニメーションの原点でもあります。

 これが自宅でいつでも見られたらなぁ……と思ったことがある方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?そんなコアなファンの切なる願いを叶えたグッズが、今回ご紹介する「コマ撮りコレクションシリーズ」です。

 コマ撮りコレクションは2006年に発売された「1/18ドンドコおどり」、2009年の「1/16吠えるトトロ」、2018年にはとなりのトトロ公開30周年記念として「1/18ドンドコおどり」(リメイク)と「1/10トコトコ小トトロ」の4種類が発売されました。




■ 1/18ドンドコおどり

 最初のコマ撮りコレクションは「ドンドコおどり」の名のとおり、トトロと小トトロが木の芽を空に向かって必死に伸びろ~伸びろ~と奮闘しているおなじみの名シーン。コマ撮りコレクションではこのシーンを18コマに分けてフィギュア化しています。材質はポリエステル樹脂、鉄、PVCを使用。単価は税別880円。専用のターンテーブルと鏡台は数量限定で各5000円。

 製品化にあたってのシーン選びはとても良かったと思います。一般的にもよく知られている有名なシーンであり、18体にコマ分けした時に必ず出てしまうであろう「似通ったシーン」の重複を表情などのデフォルメでカバーしてうまく差別化を図っています。

 造形に関しても毛並みの細かいディティールが入っており、単色塗りの単調さを凸凹による陰影によって解消していました。

 このお値段で、この完成度。しかも揃えるとコマ撮りアニメーションまで楽しめてしまうのであればお買い得以外のなにものでもありません。あえて重箱の隅をつつくのであればヒゲの材質が劣化しやすい点と、小物類の傘や木の芽が細く破損しやすい為、取り扱いにはかなり注意しないといけないという点ぐらいです。

 ただ後に発売されたリメイク版では、破損防止の観点からヒゲを本体と一体造形にすることによって改善されているのですが、立体感は確実に損なわれてしまうので好みが別れるところではあります。

 傘については傘の中棒と手元が2007年版では固定されていたのに対し任意での取り外しができるようにされたので、傘を付けるのか付けないのかというユーザーの選択肢が増えています。

■ 1/16吠えるトトロ

 次のコマ撮りコレクションは「吠えるトトロ」と題された、クスの木の上でサツキのために猫バスを呼ぶこれまた有名なシーン。

 こちらは劇中シーンでは登場しない中トトロも付いていて、16コマに分けてフィギュア化されています。今回も専用ターンテーブルが別売(5000円)であるのですが、前回の鏡面タイプのゾートロープとは違って真ん中には何も置かない仕様になっています。

 ではどうやってアニメーションを楽しむのか?というと、専用のうちわ(真ん中にスリットが入ったもの)のスリット部分から覗いてそれを上下に振るとトトロたちが動いて見える仕組みになっています。ちなみに筆者が持っているものは紛失したので、代替品です。

 前回はターンテーブルと鏡台で合計10000円と少々出費がかさむ仕様だったので、今回はたぶん、動いて見えるようにする為の装置として、お金をなるべくかけない作りで、且つ製品として販売するという最適解がこれだったのではないかと思います。

 やろうと思えばターンテーブルの外側にスリットを付けた枠をはめ込んで、スリット式のゾートロープも作れたのでしょうが、それではターンテーブルにせっかく並べたトトロ達が見えなくなってしまい飾った時の視認性が非常に悪いということもあるので、ここは敢えてスリットうちわという選択をされたのではないかと思います。

 材質は強い衝撃には弱かったポリエステル樹脂からPVCに変更。最近売れ線のゆびにんぎょうシリーズと同じ素材なので、ポリエステル樹脂に比べて飛躍的に落下などの衝撃による破損がなくなりました。やはりゾートロープで楽しむことができる以上、回転させて楽しむことも考慮すると材質にPVCを持ってきたのは大正解かと思います。

 外装は中の見えないボール紙のものからブリスターパックへと変更され、商品を出すのもしまうのも楽になりました。

 しかも商品をしまった状態でも中が見えるので、そのままディスプレイできるというのも利点ですね。以前は梱包材が発泡スチロールだったため、静電気でスチロールカスが商品に引っ付きやすかった点も考えると今回の変更は二重丸。


 こちらは単価が税別1050円と「ドンドコおどり」よりもお値段は多少上がりましたが、造形のグレードも比例して上がり、大きさもボリュームアップ。それによりダイナミックな動きにもより迫力が増して見応えもさらにアップしました。

 と、今年はコロナの影響もあってジブリ美術館へなかなか行かれないので、お家でゾートロープを楽しんでみました(笑)こちらはYouTubeに動画もアップしてあるので、お時間がありましたら動きを楽しんでみてください。

(非売品ジブリグッズ収集家・くろすけ/@kurosuke4313)

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