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アメリカの弾道ミサイル警戒衛星5号機 打ち上げ準備完了

おたくま経済新聞 / 2020年12月6日 18時0分

アメリカの弾道ミサイル警戒衛星5号機 打ち上げ準備完了

環境試験のためスペースチャンバに入れられるSBIRS_GEO-5(Image:Lockheed Martin)

 ロッキード・マーティンは2020年12月2日、アメリカ宇宙軍がミサイル警戒衛星5号機(SBIRS GEO-5)の製造・試験が終了し、打ち上げ可能な状態にあるとの決定を下したと発表しました。弾頭ミサイルの発射を宇宙から監視するミサイル警戒衛星5号機の打ち上げは、2021年を予定しています。

 アメリカのミサイル警戒衛星「SBIRS GEO」シリーズは、赤外線センサーを用い、弾道ミサイルの発射を検知する静止衛星。2011年から打ち上げが始まり、これまでに4号機までが打ち上げられています。



 5号機は、新しいロッキード・マーティンの汎用軍事衛星モジュール「LM 2100コンバット」バスをベースに作られたアップグレード版。汎用バスを用いることで開発・製造にかかる期間とコストが低減でき、ロッキード・マーティンによると、記録的なスピードで追加予算なく開発・製造ができたとしています。

 ロッキード・マーティンでこのプロジェクトを統括する、トム・マコーミック副社長は「世界的な弾道ミサイルの脅威に対し、軌道上の守り神としてのSBIRSの役割は、より重要になっています。SBIRSシステムは2019年だけで、1000回近い弾道ミサイルの発射を検知しました。これは過去2年と比較して倍近い数です」とコメントし、宇宙でのミサイル警戒システムの重要性を強調しています。

 アメリカ宇宙軍の宇宙ミサイルシステムセンターで、今回の5号機と姉妹機の6号機における製造・試験・打ち上げチームを率いるアレック・クック大尉は「新型コロナウイルス禍という困難な状況にもかかわらず、ミサイル警戒衛星を完成させたということは、ロッキード・マーティンのプロフェッショナリズムと、我が国安全保障への献身を示すものです」とのコメントを衛星完成に際して発表しています。

 今回のミサイル警戒衛星5・6号機に採用された「LM 2100コンバット」バスは、2025年から打ち上げが始まる予定の次世代型警戒衛星(Next-Gen OPIR Block 0)3機と、2026年打ち上げ開始予定の測位衛星GPS IIIFシリーズでも、ベースとして活用されることになっています。

<出典・引用>
ロッキード・マーティン ニュースリリース
Image:Lockheed Martin

(咲村珠樹)

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