現役コンビニ店員が振り返る 新型コロナ流行の前と後
おたくま経済新聞 / 2021年1月3日 15時0分
![現役コンビニ店員が振り返る 新型コロナ流行の前と後](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/otakuma/otakuma_20210103_03_0-small.jpg)
コンビニの変化
筆者はライターとして執筆活動を行いつつ、現役コンビニ店員としても働いています。10年コンビニで働くなかでも新型コロナウイルス感染症の影響うけた2020年という年は、特に大きな変化があった1年です。本稿では、新型コロナが流行りはじめる前と後での変化をコンビニ店員の視点で紹介していきます。
■ マスクの売り上げは4倍~5倍
お客様の視点としても店員の視点としても印象に残ったのは、まずマスク、消毒液専用のコーナーが出来たことです。コロナ禍以前は、胃薬のコーナーの端にちょこっとあるだけだったのが、棚一面を使うくらいになっています。それだけ健康に気を遣う事が多くなったのだと思います。マスクの売り上げもコロナ禍以前と比べお店にもよりますが、4倍~5倍になっているのも印象的です。
■ セルフレジ、自動レジのお店が増えた従来の店員が全てレジ作業を行う方式から、お客様がレジ打ちからお金の支払いまで全部自分で行うセルフレジや、レジ打ちは店員が行いお金の支払いをお客様が直接機械で行う半セルフレジの需要が高まり、導入店舗が一気に増えた印象があります。
その他にも、お金を入れると自動で投入金額を数えてくれるタイプのレジが増え、店員自ら受け取ったお金を数えることも減ってきています。これにより、数えミスが減る都同時に、レジの接客時間も短縮されてきています。
■ コンビニ店員の身だしなみのクレームに対する変化これは、店員にとっては大きく変わった点になります。
コロナ禍以前は花粉症で鼻が出そうな状態でも、マスクをしているとお客様から「マスクをしているなんて店員の身だしなみが悪い」と注意を頂く事が多かったのですが、現在はマスクをしていないとお客様から注意を受ける様になっています。
また、手を怪我した時に店員がつける傷病用の手袋に関しても装着している時は、お客様から手袋している事に対し注意を受けることもありましたが、現在は、その様な手袋があるという事が認知された為、お客様からの注意を受けることがなくなりました。
しかし、マスクや手袋をすることに注意がされなくなった事で、目立たないからとマスクの下で髭を伸ばしはじめたり、忙しくて髭が剃れなかったりする店員も極一部ですが、増えている問題も発生しています。
■ ファストフードの工程の見直しや材料入荷時点での変化店内で作るファストフードに関しても極力店員が触れる工程を減らそうと、材料の入荷時点である程度作られているものが増えていたり、作る工程の見直しもされ、より衛生面に気を付ける形になっています。
工程が少なくなることで、素早くお客様にファストフードを提供できる面もあるものの、それにより、材料の高騰も一部発生しているので、ファストフードによっては値上がりしているものもあり、一長一短ではあるのかなと感じています。
■ コロナガードの導入、またその変化コロナ禍発生前と後での大きな変化といえば、やはりレジ前の「コロナガード」。
導入開始時は「吊り下げシートタイプ」の透明の塩化ビニール素材が多かったのですが、お客様から煙草の番号が見えないというクレームが多く、吊り下げシートを手で持ち上げて煙草の銘柄を見て貰うという接客が非常に増え、おかげでお客様が吊り下げシートに触れる度に消毒作業を行い、毎回5分程1つのレジの使用を中止するお店もありました。
こうした理由から「吊り下げシートタイプ」は店員からもお客様からも不評。
お店によっては、「吊り下げシートタイプのコロナガード」から「パーティション(パーテーション)タイプ」のアクリルで出来た透明度が高い板状タイプのコロナガードに変更しているところが増えてきています。ただ、この板状のコロナガードは値段が高いのと、ガードしてくれる範囲がシートタイプより狭く、一長一短でもあるので、お店によって対応が異なります。
■ お客様の店舗にいる時間の変化コロナ禍発生前に比べると1人のお客様が店内にいる時間が短くなっています。理由としては、立ち読みが禁止のお店が増えたのと、イートインが時間制になったり、廃止するお店が出たり、さらにはトイレ貸し出し中止のお店も出ているからです。
この影響から、コンビニで扱う品物も、よりぱっと見で目立つパッケージが増え、お客様により短い時間で買い物をしていただけるように工夫されています。
* * * * *
コンビニではコロナ禍発生以前と比べ、より短時間でお客様との接触を少なくするという中での接客方針に変わっていきました。これは接客のスキルが昔に比べ重要になってくる為、新人さんが大変になってしまう事でもあり、コンビニが一番楽な仕事と言われていた時代は完全になくなったんだなぁと実感してしまいました。
コンビニのお店の方も納品の回数を減らすお店も出てきたり、24時間営業でないコンビニも出てきたりと、店員の労力を減らす試みも始まったりと、色々と変化しているので、今後どの様に変わるかは分からないですが、1店員として、お客様にとっても店員にとってもより良いコンビニになれば良いと思っております。
(戦魂)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
2024年上半期「売れた・売れなくなった商品」TOP30 スーパーやコンビニなど6000店舗のデータを分析
東洋経済オンライン / 2024年7月27日 7時0分
-
赤字続きのミニストップ、逆転を狙う新業態は「コンビニキラー」? まいばすけっとに続けるか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月26日 6時15分
-
15年以上コンビニで働き続ける店員「仕事は増え続けるのに賃金は…」本部への恨み節を吐露
日刊SPA! / 2024年7月16日 8時51分
-
「ポケカ入ってますか?」と朝4時から“鬼電”。コンビニ店員が頭を抱える、多様すぎる業務と迷惑客
日刊SPA! / 2024年7月9日 15時53分
-
他店の商品を勝手にレンチン、レジ袋でカスハラ…大手コンビニ店員が目撃した「迷惑すぎるお客たち」
日刊SPA! / 2024年7月5日 8時54分
ランキング
-
1街にあふれる「アルファード」 なぜ「先代」も“高い”? すでに“型落ち”でも「現行型」に迫る「高リセール」維持する理由とは
くるまのニュース / 2024年7月26日 10時10分
-
2日本のにんにくは中国産が9割。「国産にんにく」と「中国産にんにく」の違いとは? 3つの産地で比較
オールアバウト / 2024年7月26日 21時5分
-
3「うちの病院、ヤバすぎる」美容クリニック従業員がSNSで暴露…なぜ「内部告発」を止めることはできなかったのか?
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月27日 7時15分
-
4致命傷になる部位ってどこ? バイク事故で守るべきポイントとは
バイクのニュース / 2024年7月27日 10時10分
-
5ラブホ従業員が見た「ラブホ前での男女の攻防」。女性から“おねだり”するパターンも…
日刊SPA! / 2024年7月26日 15時53分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)