日本政府がNASAと月周回ステーション「ゲートウェイ」開発運用の覚書締結
おたくま経済新聞 / 2021年1月14日 20時0分
月周回ステーション「ゲートウェイ」の想像図(Image:NASA)
外務省とNASAは2021年1月13日、アルテミス計画における月周回ステーション「ゲートウェイ」の開発・運用に協力する覚書を締結し、発効したと発表しました。これにより、日本は正式に「ゲートウェイ」建設に参画し、欧州宇宙機関(ESA)が手掛ける国際居住区画I-Habの生命維持装置などの開発を担当します。
NASAが主導して国際協力のもと進められる、有人月・火星探査計画「アルテミス」。アメリカや日本のほか、カナダ宇宙庁、ESAが参加を表明しています。
今回、日本政府とNASAが取り交わした覚書は「民生用月周回有人拠点のための協力に関する日本国政府とアメリカ合衆国航空宇宙局との間の了解覚書」というのが正式な名称。有人月探査の拠点となる、月周回軌道に建設される宇宙ステーション「ゲートウェイ」を共同で開発・運用するというものです。
この「ゲートウェイ」ステーションのうち、NASAが担当するのはステーションの中心となるクルーモジュールと物資補給庫(Habitation And Logistics Outpost=HALO)、そして電力供給・推進(EPP)モジュール。HALOはノースロップ・グラマン、電力供給モジュール(太陽電池)はマクスター・テクノロジーズに開発と製造が発注されています。
日本は「ゲートウェイ」ステーションのうち、ESAが担当する有人モジュールI-Hab(International Habitatation)の開発に参画します。モジュール本体の開発・製造はイタリアのタレス・アレニア・スペースが受注していますが、日本はモジュールの重要部分である生命維持装置や電源となるバッテリー、映像コンポーネントの開発・製造を担当する予定です。
NASAと各国との「ゲートウェイ」ステーション開発・運用に関する覚書の締結は、これでほぼ区切りを迎えました。アルテミス計画全体の進行状況としては、月軌道へ物資や人を運ぶ巨大ロケットSLS(スペース・ランチ・システム)のエンジン試験が佳境に入っています。
これまで全8回の試験スケジュールのうち、7回の試験を済ませてきたSLSコアステージ(1段目)のロケットエンジン「RS-25」。最後となる試験が2021年1月16日、フロリダ州のケネディ宇宙センターで実施されます。NASAでは試験の様子をNASA TVやYouTubeのNASA公式チャンネルなどで生配信する予定となっています。
<出典・引用>
外務省 報道発表
NASA ニュースリリース
Image:NASA
(咲村珠樹)
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