V-22オスプレイが通算60万飛行時間達成 米軍では2050年まで運用予定
おたくま経済新聞 / 2021年3月25日 18時0分
陸上自衛隊のMV-22からファストロープ降下するアメリカ海兵隊員(Image:USMC)
アメリカ海軍航空システム・コマンドとベル、ボーイングは2021年3月24日(現地時間)、世界初の実用ティルトローター機V-22オスプレイの飛行時間が、通算で60万時間を超えたと発表しました。V-22オスプレイはアメリカ海兵隊、空軍、海軍、そして日本の陸上自衛隊で、現在400機以上が運用されています。
世界初の実用ティルトローター輸送機として、1989年3月19日に初飛行したベル・ボーイングV-22。狩りをする際、獲物を見つけた後に一旦ホバリング飛行し、狙いを定めて急降下する習性を持つ猛禽類、ミサゴの英語名から「オスプレイ」と名付けられました。
アメリカ海兵隊向けのMV-22から、軍への配備が始まったV-22オスプレイは、その後アメリカ空軍特殊部隊(AFSOC)向けのCV-22、アメリカ海軍向けのCMV-22とアメリカ軍内に勢力を広げました。また、アメリカ以外で初めて、日本の陸上自衛隊でも導入が始まり、現在は千葉県の木更津駐屯地で運用試験が続けられています。
またアメリカ海兵隊では、コールサイン「マリーンワン」で知られる大統領専用ヘリコプターを運用するHMX-1にもMV-22を配備。大統領専用ヘリコプターに随伴して、物資や人員の輸送に活躍しています。
ベルとボーイングのV-22共同プログラムを統括する、ベルのカート・フラー副社長は「オスプレイのようなユニークな能力を有する航空機は、世界のどこにもありません。60万飛行時間達成は、数え切れないほどの戦術任務、輸送任務、そして人道支援任務の積み重ねで達成したものです。そしてこの先進的な航空機を常に整備し、運用してくれた人々による献身の賜物です」とのコメントを発表しました。
アメリカ軍のV-22統合計画(PMA-275)でプログラム・マネージャを務めるマシュー・ケリー海兵隊大佐は「V-22各機の飛行時間は、チームの努力によるものです。パイロット、整備員、試験担当者、技術者、本プログタム要員、そして産業界のパートナーが協力しあって、安全で効果的なV-22の運用が実現しているのです」と語っています。
ベル・ボーイングのV-22共同プログラム副統括責任者、ボーイングのシェーン・オープンショウ副社長は「30年以上前の初飛行から、この重要な節目となる飛行時間達成まで、V-22は任務成功の歴史を積み重ねてきました。将来にわたっての持続性とサポートを最適化する視点に立てば、顧客とのパートナーシップとイノベーション、柔軟性、即応性への取り組みにより、任務要求をサポートするこの航空機の能力を確実に強化することができるでしょう」と、オスプレイの将来について語っています。
アメリカ軍のV-22統合計画オフィスでは、V-22を少なくとも2050年まで運用する予定。現在、運用し続けるために必要な改修計画などの策定が進められています。
<出典・引用>
アメリカ海軍航空システム・コマンド ニュースリリース
ベル ニュースリリース
ボーイング ニュースリリース
Image:U.S.Navy/USMC/USAF
(咲村珠樹)
外部リンク
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