韓国の国産戦闘機KF-21「ポラメ」試作1号機をお披露目
おたくま経済新聞 / 2021年4月11日 9時0分
KF-21「ポラメ(若鷹)」完成披露式典での韓国・文在寅大統領(Image:KAI)
韓国の国産戦闘機「KF-X」の試作1号機ロールアウト式典が2021年4月9日、韓国南部の泗川(サチョン)市で開催されました。文在寅大統領も参列した式典の席上、F-35とF-22を合わせたようなフォルムを持つKF-Xは、空軍による公募からKF-21「ポラメ(若鷹)」と命名されています。
韓国の国産戦闘機KF-Xは、ロッキード・マーティンの協力で完成した練習機・軽攻撃機T-50(攻撃機型:TA-50/軽戦闘機型:FA-50)の開発経験をもとに、初の本格的国産戦闘機として開発がスタートしたもの。韓国では第4.5+世代戦闘機と位置付けており、試作1号機は2020年9月3日より最終組み立てが始まっていました。
2001年に当時の金大中大統領が、空軍士官学校の卒業式で発表した国産戦闘機開発構想。2015年末のシステム開発契約締結から本格的な開発がスタートし、わずか5年ほどで完成した試作1号機は、全長16.9m×全幅11.2m×全高4.7mの双発ジェット機で、最高速度マッハ1.8が計画されています。
韓国の航空機メーカーKAI(韓国航空宇宙産業)によって作られ、コックピットに韓国空軍の女性パイロットを乗せてお披露目された試作1号機のフォルムを見ると、深い関係にあるロッキード・マーティン製のステルス戦闘機、F-22とF-35の影響が色濃く感じられます。機首からコックピット部まではF-35、エンジンの空気取り入れ口から尾翼にかけてはF-22に酷似。
ステルス性を重視した戦闘機のデザインは似通ったものになりがちですが、初の国産戦闘機を短い開発期間で具現化した陰には、ロッキード・マーティンから得られたノウハウが反映されているのかもしれません。
ロールアウト式典で、韓国の文在寅大統領は「我が国の自主防衛における新たな時代が開かれた」と祝辞を述べました。また「航空産業の発展で歴史的な節目であり、我が国空軍の中心的存在になるだろう」と言及し、2030年代の航空分野における世界7大強国へ飛躍するべく、積極的に航空産業を支援する考えを示しました。
この式典には、ちょうど韓国を訪問していたインドネシアのプラボウォ・スビアント国防大臣も参列しました。インドネシアは空軍の練習機として韓国のT-50iを採用しており、4月8日に行われた文在寅大統領との会談で、韓国とKF-X(KF-21)の共同開発を進めることを再確認しています。ただし、インドネシアは開発予算分担金の支払いが遅れており、今後の状況が注視されるところです。
韓国空軍ではKF-21「ポラメ」を、老朽化したF-4EファントムIIと、F-5E/FタイガーIIの後継機として導入する予定。総額約8兆8000億ウォン(約8600億円)の開発予算をかけ、完成したKF-21「ポラメ」試作1号機は、2022年の初飛行を経て2026年に開発終了を見込んでいます。
<出典・引用>
KAI(韓国航空宇宙産業) プレスリリース
韓国国防部 プレスリリース
韓国防衛事業庁 プレスリリース
Image:KAI(韓国航空宇宙産業)/USAF
(咲村珠樹)
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