実際に感じたリスク1位は自転車 損保ジャパンが「身のまわりリスク実態調査」
おたくま経済新聞 / 2021年6月9日 15時30分

約8割が「移動時の身の回りリスク」を意識
自動車を所有する時代から、レンタカーやカーシェアなど必要な時だけ自動車を使用するように変化しつつある現代、人々は移動時にどのようなリスクを感じているのでしょうか。損害保険ジャパン株式会社が全国の20代~70代を対象にした調査で、およそ8割の人が移動時における身の回りのリスクを心配していることが分かりました。
損害保険大手の損害保険ジャパン株式会社(以下、損保ジャパン)は、自家用車を所有するという従来のあり方から、レンタカーやカーシェアなど“必要な時に必要なだけ”利用する都度使用へとカーライフが変化していることに伴い、移動時などにおける身の回りのリスクに対応するサービスの検討を目的に、実態調査を行いました。
対象としたのは、全国の20代~70代の1000人。2021年4月30日~5月6日の期間、インターネットを通じて実施しました。
■ 約8割が「移動時の身の回りリスク」を意識まず、移動時に身の回りのリスクを意識しているか、という問いでは、自分自身に起こるリスクについては全体で76.5%の人が「リスクを意識している」と回答。
自身のお子さんに関するリスクの意識については、車の運転など行動範囲が広がる大学生の場合が78.9%となったほかは、年齢が小さくなるほど意識している率が高くなり、未就学児が78.2%という結果に。
一番低い中学生でも70.7%となっており、移動中のお子さんにもしものことがあったら……と心配する親御さんの心配がうかがえます。
■ 予期せず加害者になるケースを心配する人もそれでは、具体的にどのようなリスクを心配しているのでしょうか。これについて、複数回答の設問に対し「クルマとぶつかってケガをする」という回答が51.8%と最も多く、次いで「歩行中、自転車にぶつけられてケガをする」が44.6%、「人の運転するクルマに搭乗中に、追突されてケガをしてしまう」が38.1%と上位になっています。
このほかに「自転車を運転中に他人にぶつかってケガをさせてしまう」が29.3%で第6位、「ショッピングカートを他人にぶつけてしまう」が16.1%で15位、「ベビーカーを他人にぶつけてしまう」が5.7%の25位、「飼い犬が歩行者に噛み付いてしまう」が4.7%で26位と、被害者ばかりでなく、予期せず加害者になってしまうことを挙げる回答もありました。
■ 実際に感じた身の回りリスクトップは自転車今度は、移動中などに身の回りリスクを実際に感じたかどうかを質問してみると、半数以上となる56.7%が「ある」と回答。
実際にどのようなリスクを感じたか、という設問(複数回答)に対しては、自分自身の場合は「歩行中、自転車にぶつけられてケガ」というのが22.4%とトップ。2017年施行の「自転車活用推進法」や、「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」による自転車通勤の推進、フードデリバリーに代表される業務利用も推進されているため、もしかすると以前にも増して自転車のリスクを感じる機会は増えているかもしれません。
なお、続いては「自転車を運転中、転倒してケガ」が17.1%、「自転車のタイヤがパンク」が16.3%と、自転車関連でリスクに遭遇した人が多いようです。
この「自転車を運転中に転倒してケガをする」という回答は、小学生が25.7%、中学生が22.0%、高校生が18.5%といずれもトップ。大学生も15.8%と2位になっていました。
■ 身の回りリスクに備える保険 すべてをカバーできている人は4分の1あまり他人や他人の財産に損害を与えた場合、それを補償する保険に「個人賠償責任保険」というものがあります。この加入状況を質問してみると、本人名義では61.6%、家族名義でも59.2%の人が「補償がある」と回答。
一方、家族全員のケガを含めた身の回りの様々なリスクについては、損害保険の特約や単体の保険で手当てすることができますが、すべてを保険で手当てできている、と回答した人は25.5%にとどまりました。うまく保険でカバーできていない様子がうかがえます。
そこで今後、家族全員のケガを含めた身の回りリスクを補償できる保険に加入したいか、意向を聞いてみると、全体の51.3%が「加入したい」と回答。年代別では、20代が65.6%、30代が61.3%となっており、若い世代がより必要性を感じているようです。
この結果に、SOMPOリスクマネジメント株式会社のモビリティコンサルティング部長、杉山毅さんは「具体的に経験した危険では、『歩行中、自転車にぶつけられてケガをした・しそうになった』が最も多くなっていますが、このような事故の発生件数はここ数年増加傾向にあり、死亡事故に繋がるケースも発生しています。さらに『クルマとぶつかってケガ』についても挙げられていますが、「歩行者と車両の衝突」は、交通死亡事故で最も多い事故形態になります。このような状況から、いずれの事故も比較的発生頻度が高く、深刻な結果に至る可能性があるリスクと言えます」と指摘しています。
また「家族全員を守る保険への加入意向が20代、30代の若い世代でいずれも「加入したい」が6割を超えており、比較的高いと言えます。この年代は、結婚や出産、住宅購入などといったイベントを機に生活に関わるリスク分析を行う方が多いためと推察されます」とも言及しており、人生における大きなイベントが契機となっているようです。
損保ジャパンでは、マイカーを手放した人などを対象に、移動中のリスクを幅広く補償する新しい保険商品「UGOKU(移動の保険)」を開発し、2021年6月1日より募集を始めました。加入者家族全員の交通乗用具(自動車、自転車、車椅子、ベビーカーから交通機関、エスカレーター、エレベーターなど)に関する事故や、買い物中のトラブルなど、日常生活における事故に幅広く対応したものとのことです。
情報提供:損害保険ジャパン株式会社
(咲村珠樹)
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