使用写真6千枚!ファン制作の「クスィーガンダム」コマ撮りアニメが熱い
おたくま経済新聞 / 2021年6月20日 9時0分
プロモーションビデオと見間違えるくらいのファンによるストップモーションアニメが話題。
2021年6月11日より、公開されたアニメーション映画「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」。いわゆる「宇宙世紀ガンダムシリーズ」の最新作かつ、コロナ禍による約1年の延期もあっての待望の公開もあり、SNS上でも話題となっています。
その公開初日に、ファン制作のストップモーションアニメもTwitter上で公開されました。主人公「ハサウェイ・ノア」の搭乗機である「Ξ(クスィー)ガンダム」を撮ったファンアート動画です。
「【コマ撮り】二つの意思を継ぐ鮮やかな閃光『Ξ(クスィー)ガンダム』」というタイトルとともに、Twitterに投稿された約2分の動画。
冒頭から、格納庫らしき場所でロボットらしきものの組み立て作業のシーン。まずは「胴体」「両脚」「臀部」がそれぞれ組み立ての後に「合体」。
そのまま引き続き「両腕」が組み立てられ、さらに両肩に逆三角形型のウイングをドッキング。そして最後に顔らしいものがパイルダーオン。全身グレーの装いのロボットに「変身」。
気づけばあっという間に1分が経過。しかし、どうやらここまでは内装部分の取り付けの模様。ここからは、外装部分のパーツの組み立て作業に入りました。ローアングルの角度で、足元から順に取り付けられていきます。
こちらも時間にして約1分。すると、全身純白に逆三角形型のボディが特徴的なクスィーガンダムのご尊顔!いやあホンマかっこええわ……ウットリ。
これだけでみている者を十二分に満足させる内容ですが、これで終わりではないんです。組み立てを終えたクスィーが、休む間もなくそのまま発進シークエンスへ。猛スピードで大空へと駆け上がりました。
ソラに上がったクスィー。そのままメイン武装の「ファンネルミサイル」を全弾発射します。
機体内のファンネルミサイルを撃ち切ったんでしょうか。撃ち方をやめたクスィーは、手を前に伸ばす独特のポージングで大空を遊泳する体勢に。そのままいずこへ消え去っていき、ここで長きにわたる動画も終幕しました。
この動画の作者は、Twitterユーザーの雪代さん。プロのアニメーターではなく、趣味で様々な模型のコマ撮りやオモ写(=おもちゃを撮影した写真の意)を行っています。
今回の「【コマ撮り】二つの意思を継ぐ鮮やかな閃光『Ξ(クスィー)ガンダム』」は、そんな雪代さんの最新作。シーンカット数は約50カット、撮影に使用した写真枚数はなんと6000枚という超大作です。
「やはり『閃光のハサウェイ』の魅力といったら、主人公のハサウェイだと思います」と、動画内のクスィーガンダムの搭乗者を作品の魅力と語る雪代さん。また、スピーディーかつコミカルな演出が、雪代さんのコマ撮り動画の特徴ですが、今作では様々な新機軸を取り入れたそう。
「今回は『構図』と『寄り』を今以上に意識して撮影をしています。加えてクスィーの上下のアングルと、『合体』の際の演出をよりこだわったものにしていますね」
そう最新作に対して振り返る雪代さん。確かに動画を見直してみると、これまで以上に密着したカメラアングルにより臨場感ある作りに。
実は編集部では、過去に雪代さんの動画を記事にて紹介しています。それは、今年(2021年)1月に公開された「RGジオング」について。
こちらについても、Twitterでの投稿動画が、4万を超えるいいねが寄せられる大反響だったのですが、それと比較しても、今回のクスィーガンダム動画は、より迫力満点の超クオリティーに仕上がっています。
しかし、今回も様々な苦労があったそうです。
「今回特に苦労した点は、カメラを寄せすぎてガンプラに当ててしまったり、あまりにローアングルから撮影したために、背景に部屋が映ってしまったことですね。なので、背景に使用しているジオラマを、無理やり高く引っ付けて撮影して対処しました。ただ、撮影中にそれ(ジオラマ)が剥がれ落ちてしまい、結果大惨事になってしまいましたが(笑)」
と、撮影時のハプニングを織り交ぜながら振り返る雪代さん。ちなみに、その様子の一端も雪代さんはTwitterに投稿されているのですが、「これ、自宅で撮影しているのか!」と、筆者は驚愕しながら拝見していたのは内緒です。
今回の動画もまた、Twitter上で10万回を超える再生数を記録する反響だった雪代さん。実はYouTubeチャンネル「【Stop motion】ゆきしろ」で公開している動画では、尺の都合上入らなかった部分も含めた「完全版」を公開しています。
1分余りの時間が追加された「完全版」には、雪代さんが、「『アムロに憧れを抱き、シャアの思想を目指したたった一人の男(ハサウェイ)が世界とどう向き合っていくのか』という点も、『閃光のハサウェイ』の魅力ですね」と語る通り、“偉大なる先人”であるν(ニュー)ガンダムとサザビーも動画にて登場。このニクイ演出には、ファンならずとも思わずニヤリとするものになっています。
そんな雪代さんは、Twitter上ではこれまでの作品群をモーメントとしてまとめ、他にもInstagramにもアカウントを保有。そちらでも作品を公開と、SNS上での活動も活発な方。
最新のTwitterでの投稿は、また新たなモビルスーツ(MS)の撮影風景もチラリとご紹介されています。今後の動向に要注目ですね。
【コマ撮り】二つの意思を継ぐ鮮やかな閃光『Ξ(クスィー)ガンダム』#閃光のハサウェイ #コマ撮り #ガンプラ #動くオモ写 #StopMotion pic.twitter.com/R0qiyytSAK
— 雪代 (@yukishiro__3) June 11, 2021
<記事化協力>
雪代さん(Twitter:@yukishiro__3/Instagram:yukishiro35)
(向山純平)
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