ホラー映画のお約束で遊べ!アナログゲーム「フラグのいけにえ」作者に聞く
おたくま経済新聞 / 2021年11月22日 15時0分
![ホラー映画のお約束で遊べ!アナログゲーム「フラグのいけにえ」作者に聞く](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/otakuma/otakuma_20211122_05_0-small.jpg)
アナログゲーム「フラグのいけにえ」
ホラー映画を観ていると、必ず「あ、きっと次の犠牲はこのキャラクターだな」と察しがつく場面があります。これをネット用語で「死亡フラグ」といい、ある意味テンプレ化した展開を楽しむ文脈で使われる言葉。
そんな、映画でおなじみの死亡フラグを題材にしたアナログゲーム「フラグのいけにえ」の作者である「チームさくさく」の皆さんに、本作についてうかがいました。
アナログゲーム「フラグのいけにえ」は、ゲーム創作サークル「チームさくさく」が制作した、カードによって進行するゲーム。プレイヤーはホラー映画に出てくる悪役・殺人鬼やエイリアン、サメなどになって、映画の主人公側である人間たちに死亡フラグを立てていき、狩っていこうという内容。東京ビッグサイトで2021年11月20日~21日に開催された国内最大規模のアナログゲームイベント「ゲームマーケット」にて頒布されました。
ホラー映画では襲われる人間側の視点から描かれますが、逆に人間を襲う悪役側に立ってプレイするゲームとして開発されているのが面白いところ。これだけでも興味をそそられる作品なのに、ルールも下記のようにシンプルでプレイする際のハードルが低いのも特長です。
・1~3の数字と「死亡フラグっぽいアイテム」が書かれたカードを使って、順番に1人1枚ずつ狙うキャラが描かれた“獲物カード”に置く。
・自分の手番で1人の獲物に乗っているフラグの合計数を10にすると獲得(=キャラの死亡)となる。
・獲物カードは抵抗して“フラグを折ってくる”ため、必ずしもフラグの合計数が10になるとは限らない。
・獲物の抵抗を予想しつつ、出方を探り、見極めてフラグの量を調整し、多くの獲物を獲得した者が勝利
ルールは非常にシンプルですが、使うカードによって戦略性も楽しめる奥深いゲームとなっていて、1プレイにかかる時間はおよそ30分。プレイ人数も2~4人と気軽に家族や友人と遊べるゲームになっています。
このゲームの作者「チームさくさく」のゲームデザイナー「赤いたまねぎ」さんは社会人で、高校時代から友人とオリジナルのカードゲームを作っていたとのこと。今作については「オンラインで知り合った友人がゲームマーケットに出展していたのがきっかけで、たくさんの創意工夫にあふれた作品に出会い、自分が大好きな映画を、ボードゲームという形で表現したいと思い制作しました」と語っています。
特色として、赤いたまねぎさんは「ホラー映画のあるあるをイラストやアイテム等、随所に詰め込んだパロディーゲームとなっているので、映画好き、特にホラー映画やB級映画が好きな方におすすめです」とのこと。いわゆる「お約束」の流れを楽しむゲームということですね。
パッケージのイラストを見て、どこかでこんな映画見たことあるなぁ……と既視感を覚えた筆者。その事ついてうかがうと、トビー・フーバー監督によるホラー映画の名作「悪魔のいけにえ」から着想を得た作品タイトルとパッケージイラストになっているとのこと。「あの作品のポスターは扉にたたずむ“レザーフェイス”がとても印象的ですが、本作はいろんな悪役が顔をのぞかせています」と赤いたまねぎさんは語ってくれました。
ゲーム内容からパッケージイラストまで、細部までこだわり抜かれて作られている「フラグのいけにえ」。作品のイラストを手掛けたのは遥カケルさんで、赤いたまねぎさんによると「クトゥルフ神話TRPGをきっかけに知り合った」とのことです。
面白い作品を作るにあたり「色々なゲームや作品、もちろん映画にも沢山触れる事で、創作の引き出しを多く持つこと、そして『ここだけは誰にも負けない』くらいの信念を持って創作に取り組むのが、良い作品を作るのに大切だと思います」と、今後創作をはじめる人へのアドバイスも語る赤いたまねぎさん。このゲームの背景には、数多くのホラー映画、B級映画を鑑賞し、死亡フラグとなる「お約束の展開」を知ったからこそ分かるツボが隠されているようです。
<記事化協力>
チームさくさくさん(@teamSAKUSAKU)
赤いたまねぎさん(@H_YKNR)
遥カケルさん(@KakeruHaruka)
(戦魂)
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