虚礼年賀状、もうやめたら?(深水英一郎氏寄稿)
おたくま経済新聞 / 2021年12月1日 19時30分
虚礼年賀状、もうやめたら?(深水英一郎氏寄稿)
いよいよ12月となりました。この時期、急に年の瀬感が増してくるわけですが、「やんなくちゃ……」と心の中がざわざわするのは、ヤツのせいです。
そう年賀状。
みなさん、年賀状早めに書いてますでしょうか? 私は毎年必ずギリギリです。世の中のほとんどの人がギリギリに出しているに違いないと思ってるのですが、どうでしょうか? 書き出したら楽しいんですが、私はやっぱりギリギリになってしまいます。これ以上遅れたらもう元旦に届きませんよ、というギリギリに出してます。
億劫な理由ははっきりしていて、メールとかLINEとか、なんなら動画やLIVEもある現代、相手が元気かどうかとか秒で確認できる時代でありながら、ハガキで挨拶状を送る意味。
まったくないと思います。
ネットがない時代だったら年に一度連絡しあうのも大事だったと思いますが、年配の方にまで携帯やスマホが普及した今は、年賀状の意味はなくなってしまっていると思います。
もちろん年賀状を書くのが楽しみ、という人は続けたらよいと思うのですが、なんとなくズルズル続けてしまっている人。あなたがやめてしまったとしても、相手は困らないと思います。いわゆる、虚礼年賀状ですね。
謹賀新年って印刷したやつに「お元気ですか?」「また遊びに来てね?」って書くやつ。そんなこと書いても遊びに来てくれた試しがないですよね。……って僕だけですかね。みなさんのところには来てたらすいません。
【おたくま経済新聞編集部より:執筆者についての説明】本稿は、メールマガジンサービス「まぐまぐ」の開発・発案者で「メルマガの父」と呼ばれ、未来検索ブラジル元代表をつとめながらニュースサイト「ガジェット通信」の立ち上げ等をおこなった深水英一郎氏からの寄稿記事です。
■ 虚礼年賀状を撲滅したい年賀ハガキの発行枚数って、2003年の44億枚をピークにどんどん下がって今はその半分以下の18億枚(2022年用)なんですよ。随分減ったもののまだ18億枚も発行されている。どうやったらこれら億単位の虚礼をもっと減らせるのか。ひとつずつ考えていきましょう。
【会社・職場】まず職場。社内で年賀状を送り合うのは意味がない。普段から連絡して、リモート会議で顔を合わせてるのに、お元気ですかもないもんだ。
会社同士で送り合うのも意味ないですよね。そもそも元旦、会社休みだし、誰も見ない。
【学校】学校の友達や先生にも不要でしょう。ついこないだまで学校で顔つき合わせてた人に送らなくても良い。
先生も喜んでると限りません。わたしの知り合いの子どもの話ですが、学校の先生から「年賀状は迷惑なので送らないでください」と言われたそうです。「迷惑」ってのはなかなか過激なワードですが、それぐらい年賀状を憎んでいる先生もいる、ってことですね。先生って年賀状喜んでくれてるとおもってたけど、卒業生含めるとすごい数届くわけで、そりゃ大変です。
【旧友】昔の友達、はどうでしょう。ここは微妙なゾーンに入ってくると思いますが、毎年年賀状を送りあっている友達がいたとしたら、今年の年賀状にはメアドやLINEのQRコードやSNSのIDを印刷して、来年から年賀状はやめるので、連絡はこちらで、って書けばいいだけですね。
今年は仕方ないですが、来年はやめられます。
【親戚】家族とか親戚とかはどうでしょう。ここも微妙ですが、昔の友だちと同様の対応でよいと思います。来年からは年賀状やめます、と書いて送る。
ここまででかなり削減できてると思うのですがいかがでしょうか。
はじめての年賀状ただ、わたくし個人的には残したい部分があります。子どもがはじめて書く年賀状は残したい。相手は祖父母や親しい友だちなどいかがでしょうか。だって、はじめてハガキを書いた体験が「年賀状」って人は多いと思うから。ハガキを出す練習の意味もありますし、小さい子どもが、誰かに年賀状を書く、っていうのは虚礼ではないでしょう。それぐらいのことはやってもいいと思います。
今、6歳~8歳の子どもの数が300万人弱ぐらいなので、その子らが2~3通年賀状を出すのはアリ、とすると年賀状の発行枚数は1000万枚ぐらいに抑えられますね。それに返事する場合は2000万枚ですが。
■ スマホ持ってそうな人には送らなくてよい一番わかりやすい考え方の基準はこれじゃないかなと思います。
「スマホ持ってそうな人には送らなくてよい」
心のなかにぽわぽわと、やっぱり年賀状送らなくちゃいけないかも?と迷いがでてきたら、これを唱えてください。
スマホ持っている人はいつでも連絡できるわけだから年賀状はいらないんです。気持ちをしっかり持って、虚礼年賀状廃止にみなさん挑んでいただければとおもいます。もちろん、すぐに実現すると楽観視しているわけではありません。ですので、わたし自身も、虚礼年賀状がなくなるまで、毎年このような記事を書いていこうと思います。
(執筆・深水英一郎:https://twitter.com/fukamie)
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