コミケ行きはじめと経験を積んでからの違い より深くハマって楽しみ倍増
おたくま経済新聞 / 2021年12月27日 9時0分
コミケ参加を重ねた楽しみを語る虻さんのツイート
新型コロナウイルス禍により、2年ぶりの開催となる「コミックマーケット99(コミケ/コミケット)」が近づいてきました。
コミケはライトな一般参加者から、サークル参加者、そしてスタッフとそれぞれの立場で作り上げていくイベントですが、より深くハマるとさらに楽しくなります。あるサークル参加者が、自分の実体験をTwitterで語りました。
新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年夏の開催が中止となって以来、延期され続けてきたコミケ。感染状況が落ち着き、イベント開催の制限が緩和されたことにより、2年ぶりに2021年12月30日・31日の2日間で行われます。場所はもちろん東京ビッグサイトです。
コミケは一般参加者、サークル参加者、そして準備会スタッフが互いに協力して運営されるイベント。別の見方をすると、今回が初参加という方や、何回か経験を重ねた方、そして長年の恒例となっている経験豊富な参加者が揃い、それぞれの「好き」を求め、見つける場でもあります。
久々に開催されるコミケ99にサークル「傷心軟弱ライン」で、1日目(12月30日)にサークル参加する予定の虻さんも、そういった1人。
自身がコミケに行きはじめた頃と、サークル参加している現在とで、どのようなことを知って深く楽しめるようになったかをツイートしました。
ツイートによると、行き始めた頃は「すごい、神絵師が人間の形してる……!!」という事実だけで感動できたという虻さん。
のちにサークル参加を始めてみると、スペースの最前列で応対している「神絵師」だと思ってた人が実は売り子さんで、実際の作家さんは後ろの在庫が入っているダンボール箱に埋もれて死んでる(疲労困ぱいしている)人だったり、列の整理をしている人だという事実を知り、それはそれで大変よかったと振り返っています。
虻さんに詳しくうかがうと、サークル参加をしている今の心境は「一言で言うと、机の向こう側の世界めっちゃ楽しいな?!ってことかなって思います!」と語ってくれました。「夜な夜な唸りながら本を作って、それが手に取ってもらえる経験を一度してしまうとなかなか抜け出せない、抗えない魔力がありますね。本買ってもらえるのこんなに嬉しいんだ!?ってことは、サークルになって初めて分かったと思います」とのこと。
サークル活動は、イベントに参加している時だけではありません。「頒布物作るだけじゃなく、本の部数や装丁を考えて、告知宣伝をして、ディスプレイを考えて、搬入搬出の手配をして、列出来そうなときは作戦練って、といった当日に至る流れの全てを自分でディレクションすることになるので、いわゆる『おみせやさんごっこ』が楽しいのもあるのかなと思います」と、イベントに臨む時の楽しみもあるようです。
また、活動を続けていくと、さまざまな人との関係も生まれます。「なにより、作ったものや日常のSNSを通じてサークル同士や一般・スタッフの方との交流が生まれたり、そこから親しい友人が生まれたりするのはとてもありがたいことですし、日常の会社や学校などのしがらみのないところで、この趣味をしていなかったら会えなかったであろう方々との繋がりができるところは、本当に得難い経験かなと思います」とも語ってくれました。
初参加の頃と、今回のコミケで何か変わった点はありますか?という問いに、虻さんは「サークルとして初参加の頃は当然まだ南ホールもなかったですし、今とはジャンルも違ったのですが、会場の熱気とか、作ったものを直接受け取れる、受け取ってもらえる楽しさのようなものは普遍的なのかなぁと思います。そういう意味でも久しぶりのコミケは本当に楽しみですね」と、変わらぬ思いと同時にワクワクする気持ちを抑えられない様子。
ただ、参加歴を重ねるということは、年齢を重ねるということでもあります。「強いて言えば初めて参加した頃はまだ体力が有り余っていたので、本作るのに入稿直前は徹夜とかガンガンしてましたが、もう全然できなくなりましたね……持続可能な同人生活になりました……」と、ちょっと年齢を感じることもあるようで、無理なく続けられる工夫をされているようです。
虻さんのツイートにあった「ダンボールに埋もれている」作家さんの場合、直前まで一生懸命準備をしたせいで燃え尽きた感じになっている場合と、スケッチブックを依頼されて描いている場合があります。また、サークルの主宰者だけに在庫管理をしている場合も。
また、自ら列整理をされているのは、自分の本にこれだけ多くの人が!と感動して、率先して外に出ているケースがあります。時には、アニメ化されるほどの週刊連載をしている作家さんも、そんな感じで列整理をする場合もあるのが、コミケの魅力なのかもしれません。
実は筆者も長年コミケットに参加している身。初参加はTRC(東京流通センター)で開催されていた頃で、再び晴海に会場を移したと同時にサークル参加を始めました。その間会場は、晴海、幕張メッセ、晴海、東京ビッグサイトへと移り変わり、古株の準備会スタッフとの交友も生まれています。
昭和の時代からコミケに参加してきた立場から見ると、会場が大きく綺麗になり、それにつれて参加者が増えたことで、一見すると様変わりしたように感じます。しかし、それぞれの参加者の気持ちや行動は、昔と変わらぬものがあるとも思えるのです。
いつの時代も、それぞれの「好き」が集まり、それを求める人がやってくるコミックマーケット。参加を重ねることで、より深く多面的に楽しめるかもしれません。
コミケ行きたての頃、「すごい、神絵師が人間の形してる……!!」という事実だけで感動できたの最高に良かったし、サークルになったらなったで実は僕が神絵師だと思ってた人は大体売り子で本体はだいたい後ろの段ボールに埋もれて死んでる人か列整理してる人という事実が知れてこれまた大変よかった
— 虻✈️C99_1日目木曜南ゆ14b (@abu0705) December 19, 2021
<記事化協力>
虻 C99_1日目木曜南ゆ14bさん(@abu0705)
(咲村珠樹)
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