国際宇宙ステーションで新しい通信回線運用開始 レーザー通信の衛星網を経由
おたくま経済新聞 / 2022年1月18日 13時30分
国際宇宙ステーション(画像:NASA)
欧州宇宙機関(ESA)とエアバスは、国際宇宙ステーションのヨーロッパモジュール「コロンバス」で、新しい高速データ通信システムの運用が始まったと2022年1月17日(現地時間)発表しました。
この通信システムは、静止軌道を回るデータ中継衛星を経由して地上とつながるもので、衛星間では世界で初めてのレーザー通信によるネットワークが形成されています。
国際宇宙ステーションでは、高度化するミッションに合わせて高速大容量通信のニーズが高まっており、これまでにも通信機能が強化されてきました。
今回、ヨーロッパモジュールと地上との間で構築されたのは、静止軌道上にある複数のデータ中継衛星をレーザー通信で結び、リアルタイムで大容量のデータを送受信するシステムです。
国際宇宙ステーションのコロンバス・モジュールには、2021年1月に取り付けられたKaバンド(26.5~40GHz帯)通信ターミナル「ColKa」があり、データの送受信を行います。データは、静止軌道を周回するデータ中継衛星(EDRS)によるレーザー通信ネットワーク「SpaceDataHighway」を経由し、ヨーロッパの地上施設と結ばれる仕組み。
送受信できるデータ量は、ダウンリンクで50メガビット/秒、アップリンクで2メガビット/秒。これにより、多くのデータをやり取りできるようになり、国際宇宙ステーションの商用利用にも役立つと考えられています。
また「SpaceDataHighway」は国際宇宙ステーションだけでなく、ほかの人工衛星や探査機へデータを送受信することが可能。これまでよよりも速やかに、制御コマンドを送信したり、得られたデータをダウンロードできるようになることも期待されています。
先日、実業家の前澤友作さんが国際宇宙ステーションに滞在し、現地からライブ配信を行いましたが、今後はより高品位のデータがリアルタイムで送受信できるようになるでしょう。ひょっとしたら、VRでステーション内部や、船外活動の様子を体験するようなコンテンツが生まれるかもしれません。
<出典・引用>
欧州宇宙機関(ESA) ニュースリリース
ドイツ航空宇宙センター(DLR) ニュースリリース
エアバス プレスリリース
画像:NASA/ESA
(咲村珠樹)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
千葉工大、学生開発の超小型衛星「SAKURA」が初期ミッションを達成と発表
マイナビニュース / 2024年9月26日 20時53分
-
宇宙光通信用光源モジュールの軌道上実証で全サクセスクライテリアを達成
PR TIMES / 2024年9月19日 16時45分
-
標高4800メートル、衛星・地球間通信の「高速道路」を建設―中国
Record China / 2024年9月19日 15時0分
-
パナソニックグループの超小型人工衛星「CURTIS」へインフォステラがKHI、Azercosmos、その他海外パートナーの地上局を提供
PR TIMES / 2024年9月5日 10時45分
-
パナソニック、超小型衛星に搭載した車載カメラで撮影した地球/宇宙の画像を公開
マイナビニュース / 2024年9月2日 22時13分
ランキング
-
1メルカリで「返品したいので住所を教えて」と言われました。教えないといけませんか?
オールアバウト / 2024年9月30日 21時20分
-
2医師1,000人に聞いた! 健康のために摂るべき栄養素は?
マイナビニュース / 2024年9月30日 17時43分
-
3北斗晶の「なんちゃってわらび餅」がめちゃうま 材料3つで簡単に作れる
Sirabee / 2024年9月29日 12時0分
-
4銀行口座、定期預金が満期になって放置したらどうなる?
オールアバウト / 2024年9月30日 21時40分
-
5新たな「OBD車検」10月から開始! 項目追加で“車検に通らない”こともある!? 今までの車検と何がどう違うのか?
くるまのニュース / 2024年9月30日 17時40分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください