拾い画のSNSアイコン利用はOK?NG?子どもへのネットリテラシー教育の必要性
おたくま経済新聞 / 2022年11月30日 9時0分
拾い画のSNSアイコン利用はOK?NG?子どもへのネットリテラシー教育の必要性
インターネットは今や我々の生活とは切って切り離せないもの。スマホやPCから、ありとあらゆる情報にアクセスできることは非常に便利である一方、使い方を誤ると時に痛い目を見ることも。
それは例えば「著作権の侵害」。ネットにあった画像をなんとなくSNSのアイコンに使用していたりしませんか?ネットリテラシーに関する、母と娘の会話にツイッターで大きな反響が寄せられています。
中2娘のLINEアイコンが変わっていたので「かわいい絵だね、どうしたの?」と聞いたら「ネットで見つけたヤツ」と言われ、あっ!となった。
ここは説明をするいいタイミング。
「それは好きに使っていいよって描いた人は説明文つけてた?」
「見てないからわからない」
「じゃぁ確認しようか」
「書いてなかった」
「じゃあすぐ変更しよう。ネットにあるもので使っていいものは【フリーアイコンです。ご自由に使ってください】って説明があったり、アニメやアプリの公式がイベントとかで配布してるものだけだと覚えといてね」
「でも、友達はみんないろいろ使ってるよ?」
あぁ、この年頃あるあるだよなぁ……みんながしてるんだから問題ないでしょってやつ……
「聞くけど、娘ちゃんが描いた絵で友達もすごいほめてくれたのをツイッターとかに置いてて『この絵かわいい!使っちゃお』って知らない人が勝手にアイコンにしてたらどうする?」
「すごいイヤ」
「そういうことよ」
と、さくっと納得してもらえたので、どんなにかわいいと思っても何も考えずにアイコンに使ったりするのはNGという約束をしたのである。
こういうのも、メディアリテラシーとして教える必要があるんだなぁ……と実感した話でした。
ツイッターユーザー・あやめさんは、複数回に分けてこのようにツイート。これは決して子どもだけでなく、大人でも陥りがちな誤った認識と言えるのではないでしょうか。
プロのイラストレーターが描いた美麗なイラストや、好きなアーティストやアニメ・漫画のキャラクターの画像。自分でも使ってみたいと思ってしまいますが、これらには必ず著作権が発生しており、芸能人などが写った画像の場合は被写体の肖像権も存在します。つまり、権利者の許諾がない限りは、たとえ個人の非営利目的の利用であっても、基本法律で禁止されているのです。
例外としてあるのが「私的利用目的」。認められているのは、個人スマホのホーム画面として使用したり、画像フォルダに保存して見て楽しんだり、といった「インターネット上にアップロードしない」パターンなどです。この場合であれば、著作権の中でも使用が許される範囲となりますが、やはり無用なトラブルを避けるため「保存しても良いか?」とたずねることはマナーとして必要でしょう。
とはいえ、SNSを利用していると、こうした画像を無断でアイコンにしたり、投稿(公式の引用リツイートであれば可)したりしている人は後を絶ちません。これらは単純に「権利者から権利侵害の申し立てがないから使用出来ている」という状態に過ぎず、仮に権利者から訴えられたら損害賠償の責任が発生する恐れがある、と認識しておく必要があります。もちろん写真や画像を加工しての使用も同様です。
中には自分が描いたイラストがアイコン等に使用されるのをうれしいと思う方もいるでしょう。しかし、それはあくまでごく一部であって、全員が同じ考えではありません。いずれにせよ、著作権所有者に使用許可を得ることは必要ですし、NOと言われれば使ってはいけないのです。
また、いわゆる「フリー素材」としてサイト等で公開されている写真や画像についても、もちろん著作権は発生します。利用には登録が必要であったり、商用利用が禁止されていたり、加工の可否が規定されていたりと、サイトごとに細かく利用条件が異なりますので、規約をしっかり確認したうえで利用するようにしましょう。
近年インターネットやSNS利用に関して、学校でもさまざまな教育がなされていますが、こうした著作権についてはあまり触れられていないように感じます。
子どもにスマホやタブレットを持たせる場合、不適切な出会いやイジメといったトラブルに巻き込まれないように監視するのはもちろんですが、著作権についても、一度親子で話す機会を設けてみてはいかがでしょうか。
中2娘のLINEアイコンが変わっていたので「かわいい絵だね、どうしたの?」と聞いたら「ネットで見つけたヤツ」と言われ、あっ!となった。
ここは説明をするいいタイミング。
「それは好きに使っていいよって描いた人は説明文つけてた?」
「見てないからわからない」
「じゃぁ確認しようか」
— あやめ❄️ (@ayamemama) November 23, 2022
※初出時、著作権と肖像権について対象が曖昧になっていた表現、保存に関するマナーの説明、権利者から訴訟を提起された場合のリスクについて、より明確になるよう修正いたしました。
<記事化協力>
あやめさん(@ayamemama)
<参考>
総務省「著作権法改正で見直したい身近な使い方」
(山口弘剛)
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