学級PTAの父親参加率の低さは異常 6年参加して感じた「父親が来ない」理由
おたくま経済新聞 / 2023年2月25日 13時51分
学級PTAの父親参加率の低さは異常 6年参加して感じた「父親がPTAに来ない」理由
小学生以上のお子さんを持つ保護者にとって、学校との関わりを持つ上で欠かせないのが「保護者会」や「PTA」と呼ばれる学校活動。
近頃ではその存在自体不要とする「PTA不要論」も叫ばれていますが、今回その話はおいといて「PTAや保護者会が既にある状態」で「現状」の話を語っていきます。
小学生2児の父である筆者は、これまで一度も欠かさず学級単位の保護者会(以下、筆者環境にあわせ「学級PTA」と記します)に参加しているのですが、いつも気になるのが”父親の出席率の低さ”。
たくさん集まった保護者のうち、父親は自分だけというパターンは数知れず。毎回のように肩身の狭い思いをしているからこそ、この場を借りて訴えかけたいと思います。「父親はもっと参加するべき!」
学級PTAへの参加は、もちろんさまざまな取り決めを行う場に参画をすることが主な目的ですが、それ以外にも担任と直接会話ができたり、展示されている我が子の作品が見られたり、学校の雰囲気が知れたりと、育児をする上でのメリットがさまざま。これを母親だけに任せるのは、なんというか非常に勿体ない気がするんですよね。
私の場合は家庭の事情により、自らが参加せざるを得ない状況というのもあるのですが、それでももちろん毎回参加して良かったなと思いますし、そこで得た情報や気付きを元に、子どもとコミュニケーションを取ることもあります。運動会や参観日同様に、普段家では見られない子どもの頑張りを確認する絶好の機会でもあるのです。
■ 父親が参加できないのは仕事のせい?にも関わらず、幼稚園時代も含めて過去6年間にわたる参加で、自分以外の父親の姿を見かけたのはほんの数回程度。個人としては「いったいなぜ?」と感じて仕方ないところなのですが、その妨げになっているのは、おそらくほとんどが「仕事が忙しい、時間的な調整が難しい」というパターンでしょう。
たしかに、学級PTAは基本的には平日開催となるため、参加のためには本来必要ではないはずの「業務の調整」が必要でしょう。上司に許可を取ったり、場合によっては同僚に仕事を引き継いだりと、ちょっと面倒かもしれませんね。
しかし、共働きが当たり前になりつつある現代において、それは母親の立場でも一緒。特に保育園や児童クラブに子どもを預けている家庭は、両親ともにフルタイム(もしくはそれに近い状況)で働いていることもあるでしょうから、決して父親だけが「忙しい」わけではないはず。
私が以前働いていた職場でも、こうした行事の当日は有休や半休で調整するママさんが多くいました。そんな時はいつも「父親は参加しないのかな?」と考えていたものです。
今はワーク・ライフ・バランスを重視する企業も増えてきていますから、1時間程度の保護者会やPTAへの参加であれば、きっと柔軟に対応できるのではないかと思います(できなければ逆にマズイ)。もちろん、母親が専業主婦であったり、パート・アルバイトであったとしても同様。年に1度でもいいから参加してみるべき、その意義は大いにあると思います。
■ 学級PTAは「母親が参加するもの」という固定観念があるのかも一方、父親は父親でいわゆる「おやじの会※」といった活動に参加している方も多いでしょう。運動会やお祭りなど、学校行事の力仕事などを担当し、もちろんこれはこれで非常に意義のあるものです。
(※父親たちが主となり構成されている会。近年、各学校や地域に多く存在している。主に学校の大きなイベントなどでの力仕事や運営を担い、時に独自イベントも開催している)
そのため、「平日開催が主の学級PTAは母親、週末開催が主のおやじの会は父親」という”仕分け”をしているパターンも多いように感じます。しかしながら、性別による価値観に捉われない、ジェンダーレスな社会になりつつある今、こうした固定観念は時代に即していないと感じます。
これも言わば、近年話題に取り上げられることも多くなった「出産後の父親の育休」に通ずる話。父親の育児への積極参加が認められる時代になりつつあることは非常に良い流れであると感じます。
でも、それは子どもが生まれた直後だけでなく、5歳、10歳と大きくなっても同じ。たとえ平日仕事であっても、時々は有休や半休を取得し、学校行事に積極的に参画するのが考え方としては自然です。育児における父親の役割だけが、1歳前後で終わるわけではないのですから。
■ 父と母が参加してこそ意義のある話し合いになるのではもちろん各家庭の事情もありますから、いきなり全員が参加!という訳にはいかないでしょうし、毎回参加しましょうと言いたいわけではありません。
とはいえ、現状あまりにも低い学級PTAの父親参加率に、ある意味では危機感すら感じているのが本音のところ。「父と母」「男性女性」と分けられた場で、本当に子どもたちのためになる建設的な議論ができるのでしょうか。
他者の受け売りですが、「育児において出産と直接母乳をあげること以外は何でも出来る」というのが筆者の持論です。学級PTAは母親が参加するべき、となんとなくでも考えている方は、これを機に一度夫婦で学校行事への参加について、会話をしてみてはいかがでしょうか。もしかしたらすでに思うところがあった……ということもあるかもしれません。
そしてこれから、入園・入学を迎えるお子さんを持つパパさんは、ぜひママだけに任せず、学級PTAに積極的に顔を出すようにしてみてくださいね。きっと素晴らしい発見があると思いますよ。
(山口弘剛)
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