吉野家の一番偉い人が考えた「裏牛丼」を食べてみた 「秘密のまかない飯」再現
おたくま経済新聞 / 2023年5月17日 10時58分
吉野家裏メニューおしんこ牛丼にたまご
今からおよそ3年前の2020年に吉野家で発売されていた、「吉野家秘密のまかない飯」こと「吉野家裏牛丼」。吉野家の社員3000人が裏でこっそり食べているという「裏メニュー」だったわけですが、現在はプロモーションが終了しメニューからは消えています。
しかし、「吉野家裏牛丼」を構成する素材はどれも通常メニューでできるものばかり。ということで今回はそんな「吉野家裏牛丼」を再現してみることにしました。果たしてどんな味わいとなるのでしょうか。
■ 「吉野家裏牛丼」とは
「吉野家裏牛丼」とは2020年に吉野家が販売していた期間限定商品。9月から10月にかけてわずか27日間限定で販売されていました。
「吉野家社員3000人が裏でこっそり食べている」というメニューで、牛丼にプラスアルファ「お新香」や「納豆」など様々なサイドメニューをトッピングしていくもの。
メニューは「肉だく胡麻ドレ牛丼」「おしんこ月見つゆぬき牛丼」「ネバとろ牛丼」「アボチー牛丼」の4種類。サイドメニューの組み合わせだけでなく、牛丼の「つゆ」の状態まで指定されており、組み合わせが絶妙ということで人気の裏メニューとされているようです。
もちろん現在は販売していないのですが、今回はそんな「裏メニュー」を食べるため、サイドメニューを駆使し再現してみました。まずは筆者行きつけの店舗を訪問。
■ 再現する「吉野家裏牛丼」今回「吉野家裏牛丼」の中で再現させたいのはズバリ「おしんこ月見つゆぬき牛丼」。なぜならば、考案者が吉野家の社長(代表取締役社長 河村泰貴氏)だからです。
当時の発表資料やまだ公開中のWEBページでも「社長の河村が考えた食べ方」と紹介されています。吉野家の一番偉い人が考えた食べ方……食べてみたいとおもいますよね?
▼「おしんこ月見つゆぬき牛丼」用に注文(使用)するもの
・つゆぬき牛丼
・お新香
・玉子
・七味
▼作り方
つゆぬき牛丼の上に、お新香と玉子の黄身をのせ、最後に七味をたっぷり振りかけるだけ
再現は簡単そうですが……個人的にひっかかったのが「つゆぬき」というオーダーが本当に通るのか。色々と興味がそそられる裏メニューです。
まずはメニューを確認。当然ながら「おしんこ月見つゆぬき牛丼」は存在しない。なぜならば「裏メニュー」だからである。(当たり前)
では、再現に必要なメニュー「並(税込:448円)」「お新香(税込:140円)」「玉子(税込:96円)」を注文していきます。もちろん牛丼は「つゆぬき」指定。店員さんに伝えるとあっさり通りました。
しかし、注文中に欲望が抑えきれず単品の「お新香」ではなく、みそ汁付きの「お新香セット(税込:184円)」を選んでしまいました。まぁ、ここは好みということでご容赦を。
注文するとわずか数分で商品が到着しました。ではさっそく作っていきます。
つゆぬきを指定し注文した「つゆぬき牛丼」。吉野家にはそこそこ通っていますが、つゆの状態まで指定できるのは知りませんでした。このため初めて見る「つゆぬき」状態には妙に感動。ただ、普通の並と見た目はそれほど変わりはないようです。
それに「お新香」をのせていきます。牛丼といえば通常茶色一色の「ガッツリ感」が特徴です。しかし今回はお新香をのせたことで、緑や白が加わり牛丼らしからぬ「あっさり感」に変貌していました。本当に美味しいのか……。少しだけ不安がよぎります。
そして次に「玉子」を真ん中に落としていくのですが……事件です。個人的には中央に鎮座させたい「玉子」。しかしプルプルなこの物体を意図する場所に設置するのは至難の業……結果は……。
やはり片方によってしまいました。どうしても中央に行きたくない「玉子」。まるで電車で必ず隅っこを抑えたがる、乗客のようですな。ちなみに本家レシピでは「黄身」だけ使用するとなっていましたが、今回は白身ごと使用しています。
(編集部註:このときライターは気づいていませんが、丼ものの中央に玉子を落としたいときは、あらかじめ中央部分にくぼみを作っておくとキレイに落とせます)
最後は七味をふりかけて完成です。果たしてこの裏メニュー「おしんこ月見つゆぬき牛丼」は美味しいのでしょうか。
■ 「おしんこ月見つゆぬき牛丼」は美味しいのか「おしんこ月見つゆぬき牛丼」を食べていきます。
まずは一口……うん、これは新感覚!通常牛丼といえば、肉の風味が口いっぱいにひろがり、そしてご飯が味を増幅させる。しかし 「おしんこ月見つゆぬき牛丼」は、そうではなくあくまで主役は「お新香」。
お新香の白菜のポリポリという食感がハーモニーを奏でて、あくまでおまけ要素として「牛肉」がいるのである。牛丼は「つゆ(タレ)」が抜かれた影響により味付けが抑えられ、白菜がベストな役割を果たす。
つまり「つゆ」が抜かれているのは、「お新香」のうまみを引き出すため。噛むごとに、口の中で良い相乗効果を発揮しています。
本当にこの演出は「斬新」すぎる、でも、もちろん旨い。また玉子の濃厚さが全体を包み込み、あっさりとしがちな味わいを見事に深めています。まさに「新感覚」の「裏メニュー」。
たしかに、これはハマる。牛丼はガッツリ行きたくないが、でも食べたい。そんな時にこの「お新香」がうまく役割を果たしてくれるかもしれない。
ちなみに「おしんこ月見つゆぬき牛丼」を再現しようとすると、「並(税込:448円)」「お新香(税込:140円)」「玉子(税込:96円)」で通常であれば684円(税込)でしたが、今回はセットにしてしまったので、728円(税込)となっています。
なお、「おしんこ月見つゆぬき牛丼」が発売されていた当時の価格は519円(税別)となっています。
<参考>
吉野家の秘密の裏メニュー裏牛丼が登場!!
※現在は販売しておりません。
(たまちゃん)
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