84牌入りの狂気のカプセルトイ「ミニチュアドンジャラワンピース」で遊んでみた
おたくま経済新聞 / 2023年10月15日 12時30分
84牌入りの狂気のカプセルトイ「ミニチュアドンジャラワンピース」で遊んでみた
「ドンジャラ」と言えば、麻雀のルールを簡略化した、子どもから大人まで楽しめるテーブルゲーム。実際にプレイしたことはなくても、テレビCMやおもちゃ屋さんで見たことがあるという方は多いと思います。
そんなドンジャラが、なんと一式カプセルトイになって新登場したのだとか。「一体どういうこと?」と、聞いただけでは全く理解が出来ない為、実際に購入して確かめてみることにしました。
■ 人気アニメ「ワンピース」のミニチュアドンジャラ
商品名は「CAPCHARA(カプキャラ)ミニチュアドンジャラ ONEPIECE」。そう、人気アニメ「ワンピース」のキャラクターたちが牌の絵柄に使われているアイテムです。
価格はなんと800円(税込み)という、カプセルトイとしては高額の部類。そのため、通常のカプセルトイ売場にはない「プレミアムガシャポン」取り扱い店舗のみでしか販売されていないので、探す時は注意しましょう。
筆者も最寄りの店舗を調べ、現地に赴くと……おっ、ありました。改めて台紙を見てみると、どうやら大きいカプセルの中に、ミニサイズの牌や牌立てが仕込まれている、という内容であるもよう。
ラインナップは全2種類。違いは絵柄のみで、どちらを引いても必ずドンジャラが遊べるというのは、狙いがなかなか出ないこともあるカプセルトイにおいて非常に良心的と言えるでしょう。
500円玉1枚と100円玉3枚を入れて、ハンドルを回すと……出てきたのは青色のカプセル。これは「セットA」になるようですね。それでは、早速自宅に持ち帰って遊んでみたいと思います。
■ 中を開けると無数のパーツが……準備は全て手作業実はドンジャラではほとんど遊んだことがない超初心者の筆者。ワクワクした気持ちでカプセルを開封すると……「エッ、ナニコレ?」出てきたのは、なんとCTスキャンのように輪切りになったパーツでした。
層状になっているパーツをよく見ると、そこにはルフィやゾロといったキャラクターが描かれた極小サイズの牌が、プラモデルのランナー状になって連なっているではありませんか。その大きさは横8mm×縦11mm。取扱説明書によると、まずは84つある牌をすべて切り離していく必要があるようです……噓だろ……。
ニッパーを使ってパチパチと切り進め、ようやく全部終わった!……と思いきや、これで終わりではありません。続けて牌の背面に青いシールを貼っていきます。ピンセットを使い、慎重にペタリペタリ。こんな作業をカプセルトイに実装するとは……もはや制作側の狂気すら感じます。
作業開始からおよそ1時間強、ようやく全ての準備が整いました。完成した際はやり切った達成感で心が満たされていましたが、本来の目的を忘れてはいけません。そう、これでようやくドンジャラが遊べる、いわばスタート地点に立った段階なのです。
■ ルールは単純明快 専用サイトでは得点表やチップのダウンロードも前述の通り、筆者はドンジャラの超初心者であるため、まずはルールを覚えるところから。取扱説明書にあるQRコードをスマホ等で読み取ると、遊び方のページが開くので読み込んでいきます。
役の種類によって得られる点数が異なるというルールもありますが、今回は同じ色の背景の牌を3つ×3パターン揃えれば上がりという単純なルールでプレイしていきます。
なお、役の種類が書かれた得点表や、チップも遊び方のページからダウンロード可能。チップの単位が「ベリー」になっていたり、役の種類も「グランドラインの強者たち」「新旧七武海の実力」といった、作品にちなんだものもあるので、原作を知っていればよりゲームを楽しめるでしょう。
■ 家族4人でゲーム開始 展開にハラハラドキドキ気を取り直して、筆者と妻、そして子ども2人の4人でゲーム開始。まずは牌立ての前にミニ牌を並べていきますが、とにかく小さいため、なかなかきれいに整列できず……多少の歪みは気にせず、進めていきます。
その後順番に山から牌を取り、手持ちと入れ替えたり、捨てたりしながら、役をそろえていきます。「ポン」や「チー」といったルールがなく、原則独力で役をそろえていくことになるため、相手の捨て牌を見ながら、何が山に残っているか、など考えながら進めていかなければいけません。ドンジャラ、なかなか奥深い。
あと1個で上がり、という場合には、捨て牌を横向きに置き「リーチ」を宣言。この場合のみ、相手の捨て牌で上がることが出来る、いわゆる「ロン」が宣言できます。今回最初にリーチを迎えたのは妻でした。
続けて、筆者、長女がリーチ。誰が一番最初に上がるのか……ドキドキしながら牌を捨てたその時!「ドンジャラ!」と声を上げたのは妻。筆者の捨てたサンジの牌を取り、見事勝利を収めました。
■ 極小サイズながらもドキドキワクワク感は健在基本的な遊び方であれば、特に難しく感じることもなく、全員が初心者でもスムーズに遊ぶことが出来ました。さすがは筆者の幼少時から長く愛されているゲームだけあります。
惜しむらくは、やはりそのサイズ感でしょうか。800円で購入できるとはいえ、ミニサイズだとやはり非常につかみづらく、ゲームの進行に手間取る場面も。また、パーツを切ったり、シールを貼ったりという準備も思った以上に大変でした……。
しかしながら、小さくとも「あと1個であがり!」という状態のドキドキワクワク感は、まさにパーティゲームの醍醐味。その興奮はたとえミニサイズになっても健在でした。
そして何より「カプセルトイにドンジャラを一式詰め込んでしまおう」という、バンダイの心意気たるや。これが実現可能なら、あのゲームやこのゲームもカプセルトイに出来るのでは……なんて、今後の可能性を感じずにいられなかった筆者でした。
<参考>
ガシャポン公式サイト「CAPCHARA ミニチュアドンジャラ ONEPIECE 遊び方」
(山口弘剛)
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