Amazonでポケモンカードゲームのぼったくり被害に遭うも返金まで漕ぎつけた話
おたくま経済新聞 / 2023年12月19日 15時24分
Amazonでポケモンカードゲームのぼったくり被害に遭うも返金まで漕ぎつけた話
12月7日に公開した「ポケモンカードの新弾が1パック5500円……Amazonで誤って購入した人も」の記事。
誤解を狙ったような記載で「10パック入りのBOX」のようにみせかけ、実際には1パックしか販売していない、というものでしたが、これに対して読者から「Amazonとのやり取りを経て、返金手続きまでたどり着けた」という体験談がよせられました。
今回この情報提供者「Kさん」から話を聞き、実際に行われた手順を説明します。同様の被害に遭われた方はぜひご参考ください。
まず前提として、Amazonには「Amazonマーケットプレイス保証」と呼ばれる、購入商品のコンディションや配送を保証するサービスがあります。商品が届かなかったり、届いた商品に不具合・損傷がある場合などに、返金に応じるといった内容です。
今回の場合は、商品名に「1パック」という表記があったものの、BOXの定価と同じ金額が設定されており、誤解を誘う販売方法がとられていました。こうして、1パックであることが分かりづらかったことから「商品説明と著しく異なる場合」の条件に当てはまったものと思われます。
Kさんはお子さんへプレゼントのために購入しましたが、実際に届いたのが1パックだけだったことに啞然。返金申請に踏み切りました。
以下がその手順。内容は編集部でもチャットログや、実際の画像で確認しています。
(1)返品手続きをする
最初にAmazonログイン後、注文履歴から「商品の返品」を行います。(Kさんは「サイト上の説明と違った」を選択)
(2)Amazonカスタマーセンターに送付先に誤りがないことを確認
その先、商品の発送先住所が表示されます。通常はAmazon配送センターですが、今回は出品者の自宅か会社らしき長野県のある住所(※)が表示されました。
この住所(送付先)に不安があったため、Amazonカスタマーセンターに連絡を入れ、配送先住所に誤りがないか確認を入れました。すると担当者からは、表示される住所に発送するよう指示がありました。
※送付先に指定されていた住所を編集部で確認したところ、予約段階で公開されていた出品者住所と一致しました。
(3)1パックを指定住所に郵送
商品を配達記録がわかる簡易書留で郵便局より発送。その2日後に、受け取り済であることを確認。
(4)Amazonカスタマーセンターに返金状況を確認
2日経過しても音沙汰がないため、再度、Amazonカスタマーセンターに連絡を入れ、返金状況を確認。
すると、以下のような文言が返信されました。
「Amazonをご利用いただき、ありがとうございます。Amazonの出品者カードショップ〇〇〇〇〇は、注文が既に出荷されている為、返品リクエストを受け付けることができませんでした。又、Amazon規約上すり替え等防止の為、トレーディングカード類の返品、交換は承る事ができません。今後とも、Amazonをよろしくお願いします」
(5)再度、Amazonカスタマーセンターに返金状況を確認すると……
そこで、Kさんは「Amazonカスタマーセンターの指示で商品を指定住所に返送したのになぜ返金できないのでしょうか?」とAmazonカスタマーセンターの指示であったことを全面的に押し出し、返金を依頼。
(6)マーケットプレイス保証の提案を受ける
するとAmazonカスタマーセンターから「マーケットプレイス保証」の提案がありました。そこでようやく、返金手続きへ。
■ ポイントは「開封しないこと」と「Amazonカスタマーセンターに指示を仰ぐこと」Kさんがポイントと語ったのは、「開封しないこと」と「Amazonカスタマーセンターに指示を仰ぐこと」の2点。商品はクロネコヤマトの「ネコポス」で届けられたものに手を付けず、出品者よりもプラットフォーム側と連絡を取り合ったことが功を奏したようです。
なぜなら、この出品者は問い合わせても返事をしないことが、前回記事の調査でも発覚しており(※)、実際に商品を送ってもやはり連絡なし。諦めずにAmazonとやり取りを繰り返したことが返金に繋がりました。
※商品が予約中の段階に、筆者から「これは1パックの価格なのか?」と質問を送ったものの、返事がなかった。
なお、Amazonの返品ポリシーには、トレーディングカードは、原則「お客様都合による返品・交換を承りません」とありますが、今回は明らかに出品者側に問題があります。今回Amazonが対応したということは、もしかすると同様の通報が寄せられていたのかもしれません。
■ Amazonの利用で詐欺被害に遭った方は少額でもぜひ試して欲しいそもそも、こうした詐欺まがいの出品がなくなることが一番ではありますが、大手プラットフォームゆえ、全てを正確に判断するのは難しいのでしょう。しかしながら、「Amazonマーケットプレイス保証」により、少なくとも泣き寝入りをする必要はなくなりそうです。
今回同様の被害に遭われた方はもちろんですが、Amazonの利用で詐欺被害に遭った……という方も、商品ごとに細かい条件はありますが、「とりあえず相談する価値はある」と言えるでしょう。
ただし、虚偽の申請(ウソの理由で返品申請をする等)を行うと詐欺等の犯罪行為として、逆に重大な刑事罰の対象となる可能性も。出品側、購入側双方共にルールを守り、モラルのある行動を心掛けましょう。
<記事化協力>
Kさん
<参考・引用>
Amazonマーケットプレイス保証
Amazonマーケットプレイス保証規約
(山口弘剛)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 山口 弘剛 | 配信元URL:https://otakei.otakuma.net/archives/2023121905.html外部リンク
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