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怪しいお金配りアカウントにレッツ突撃 応募してみたらまさかの10億円当選?

おたくま経済新聞 / 2024年1月10日 14時22分

怪しいお金配りアカウントにレッツ突撃 応募してみたらまさかの10億円当選?

怪しいお金配りアカウントにレッツ突撃 応募してみたらまさかの10億円当選?

 新年明けて、何気なくネットサーフィンをしておりましたら、ふと目についたのが「お金配りますよ」的なアカウント。SNSではよく見かける光景であり、もはや日常ですが……。

 同一アカウントが「10万円を300人にプレゼント」企画や、「ハズレ無しの全員配布」をうたう1等10万円の宝くじ企画、一人5万円の「無制限ポチ袋配り」などを連続して行っていました。

 これは香ばしい。読者命名「プロ詐欺ラレヤー」としては興味しかありません。リプライを通じて沢山の方が応募しているようなので、さっそく接触してみました。

■ 金配りアカウントから釣られてみる

 まず、今回調査したアカウントを紹介していきます。

 アカウント開設は2022年10月と、開設から約1年2か月。まだ若いアカウントですね。

 そしてプロフィール欄には「自己破産→副業→為替/株/クリプト/社債」など、どん底から成り上がったことをにおわせる文言が書かれています。つまり「今はお金持ち」って言いたいようです。

怪しいアカウント

 他にも「毎日気の向くままに配布しています」というアピール文&投稿の固定欄には札束写真がババーンと置かれています。

 明らかに「金配りアカウント」と呼ばれるものですが、この手のパターンは「貰えないのが基本」。

投稿の固定欄には札束写真がババーン

 結果はもはや分かりきっており、個人情報(メールアドレス、電話番号、銀行口座情報、クレジットカード情報など)を聞かれて終わりか、めんどくさいときは「引き出し手数料」と題した手数料の振り込みを求められるパターンです。

 ちなみに今回のアカウントは、一部の投稿にて「クレカの番号を要求することはありません」と書いていますが、「銀行口座はゴリゴリ聞いてきます」。詳しくは後ほど。

 さて、これまで散々この手は潜入しつくしていますが、今回はどんな段取りになっているのか?では、レッツ潜入!

■ 潜入

 まずはコンタクトを取ってみます。普段はDMからのやりとりが始まりですが、今回このアカウントはLINEへの誘導リンクを張っていました。そこから連絡くれとのこと。

 指定されたLINEアカウントを友達登録すると、自動ですぐに「受け取り」に関する説明が送られてきました。

指定されたLINEアカウントを登録するとすぐ別に誘導される

 目的のお金を受け取るには、このアカウントではなく「受取専用のアカウント」を追加する必要があるとのこと。これも、詐欺潜入の毎回恒例の儀式です。

 初めて本潜入シリーズをお読みになるかたのために説明すると、「お金配り」や「副業系」の怪しいSNSアカウントは、まずLINEに誘導します。次に起きるのが、別のアカウントを紹介して友達登録させるというもの。名目は今回の「受け取り」以外に、副業系の場合は「報酬引き出し窓口」や「サポート係」などがあり、その詐欺の種類ごとに異なります。

 さて、次に「受取専用のアカウント」の友達登録をすると、今度もすぐさま受取方法のURLが届きました。恐らくこれも自動で送っているものと思われます。

受取専用のアカウント

 半年程前には、「肉入り(人間が対応している)」ケースが多かったのですが、近ごろは詐欺業界でも自動化やAI化がすすんでおり、この辺スムーズにことが運びやすくなっているのがポイントです。

 さて、送られてきたページを開くと、なんとも楽しげな七福神と共に10億円のキャンペーンページがババーンと登場。

10億円のキャンペーンページがババーンと登場

 説明によると、総額10億円で、1等は3億円ということ。アレ?5万とか10万円じゃなくて3億円??桁が変わっています。

 とはいえ、これが事実ならばぜひとも当てたい!

 しかし、そこから下にスクロールすると、なんともイカにもヤバ目な項目が表示されていました。

題して「電話番号くじ」

 なんと、携帯番号を求めてくるのです。題して「電話番号くじ」。はい、きました~。何としてでも、電話番号を聞き出したい詐欺師が仕掛けたワナです。

 ああ、これって、何か危険なリストに入れられて、ガンガン鬼電話かかってくるんだろうなあ……。(過去に経験あり)やだなあ、めんどくさいなぁ、と思いつつ、サクッと詐欺潜入用の番号を入力。

応募ページ

 しばらくすると、潜入用のスマホに、ショートメッセージが届きました。どうやら当選結果が出たようです。

当選連絡のショートメッセージ

 さて、これで「当選」していればめでたく大金を手にすることができるわけですが……。当選結果のページを開いてみると、ポチッ。

■ 10億円当選

 「当選!」

当選しました画面

 マジかよ。一体何等に当選したのか、仮に1等なら3億円なのですが。いくら当たったのか、ページにある「内容を確認する」ボタンをポチッ。

 「3億円こい!」

9億7800万円当選

 「9億7800万円当選」。

 ん?……どういうことだ?

 当選ページは確かに「9億7800万円」と書いてあるが……「3億」じゃなく「9億!?」つまり、約10億円の当選。

 なんだかよくわからない展開になってきましたが、とりあえずそのままスクロール。

 すると……

 はい、出ました「銀行口座」を聞いてくるパターン。

 しかも「高額現金を取り扱う安全上、受け取り可能な期日は本日中」という訳のわからない制約があります。

当選しました画面からの銀行振込

 ちなみに、仮に本当に当選した場合、怖いのが「所得税」や「住民税」がどうなっちゃうんだろう!?ということですが、質問のコーナーには、税金が引かれた後の金額が渡されるという説明が書かれていました。

よくある問い合わせ

 つまり「全額」このままもらえる訳です。

 いずれにせよ、そもそも「宝くじ」のような「くじ」を購入しているわけでもないし、安易に相手に口座番号を教えることで、なんの目的に使われるかもわからないので、適当な口座番号を入れて、離脱することにします。

 その後、LINEアカウントから、キャンセル待ちによる追加配布の旨のメッセージが届きましたが、当然無視。

 無視しても、どんどん送られてくるので、これは永久ループになると考え、このアカウントをブロック。

詐欺から永遠に届くLINE

 さすがに約10億円の当選金が、銀行口座の確認だけで振り込まれるとは思えませんし、ありえません。本物の宝くじの場合には、引き出しまでに本人確認の手続きなどが細かく行われます。このケースだと税金が発生するとのことなので、本来であれば税金に関する手続きも必要なはず。全てすっ飛ばして、いきなり「はい約10億円入金します」は絶対にありえません。

 ある日ネットのお金配りに参加したら、「はい高額当選」という「夢物語」は絶対にありえないので、もしこのように銀行口座等を聞かれたら、入力をせず、すぐにページを閉じることをお勧めします。

 ちなみにそれでもまだ「信じる気持ちがある」という人のためにお知らせしておきますが、今回潜入した相手と別アカウントからも後日接触すると、今度は「最低受け取り保証100万円」とやらの、別の怪しい企画ページに誘導されました。

 しかも登録条件は「成人している」「誰にも口外しない」「銀行口座を持っている」という露骨っぷり。絶対に関わってはいけません。

後日潜入したときの画面

 なお、入力してしまった口座番号などの個人情報は、犯罪等に利用される恐れがあります。既にひっかかってしまった人は、最寄りの消費生活センター(188)や警察などに相談してください。

※画像一部のぼかし処理は編集部にて行っています。

(たまちゃん)

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By たまちゃん | 配信元URL:https://otakei.otakuma.net/archives/2024011003.html

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