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「世界三大がっかり」がひとつに!「現代美術二等兵」のアート作品に再脚光

おたくま経済新聞 / 2024年2月12日 9時0分

「世界三大がっかり」がひとつに!「現代美術二等兵」のアート作品に再脚光

「世界三大がっかり」がひとつに!「現代美術二等兵」のアート作品に再脚光

 期待外れの観光名所「世界三大がっかり」と呼ばれている3つのスポットをご存じでしょうか?シンガポールの「マーライオン像」、デンマークの「人魚姫」、そしてベルギーの「小便小僧像」が該当しますが、あろうことかこれらを合体させた作品が、Xで脚光を浴びています。

 頭はマーライオン、胴体は小便小僧、足元は人魚……という、ストレートすぎる像に名付けられたタイトルは「がっかりトリプル」。ちょっとお得感あるネーミングも秀逸です。

 制作者は、ゆるい作品を創り続ける二人組アートユニット「現代美術二等兵」の「ふじわらかつひと」さん。「駄美術」を活動のテーマに、見れば思わず脱力してしまうような、アート作品を多数手がけています。

 そんなふじわらさんが、本作を発表したのは、2013年のこと。神戸・六甲山上で毎年開催される「六甲ミーツ・アート」(現名称は「神戸六甲ミーツ・アート」)に出展するために制作した作品です。

 先に会場内の下見をして、池に作品を置くことを決定。はじめは豪華なお風呂にあるような、口からお湯を出すライオンの顔をイメージしていたそうですが、二人でやり取りをしているうちに「『世界三大がっかり』って、全部『水』関係やなあ」と気が付き、合体させる案を閃きました。

 もちろん内部にポンプを仕込み、口と膀胱から水が出る仕掛けも施されています。当時も大きな話題となり、SNSに写真をアップする方が続出。また、来場者の投票で決まる六甲ミーツ・アート大賞で第3位の奨励賞も獲得しました。

水が飛び出す仕掛けも

 ふじわらさんにとって、今は良き思い出のひとつである「がっかりトリプル」を、今回Xに投稿したところ、作品には2万件以上の「いいね」がつくなど再び大きな反響が。

 これにはふじわらさんも「古いネタなのですが、また拡散されて驚いています。SNSをやっている層が10年で入れ替わったということでしょうか……」と、少し困惑気味でしたが、ユニークな作品の魅力は不変である、ということの証明でしょう。

 なお本作は現在、ふじわらさんが保管中。どこかで展示しているというわけではありません。しかし、「またなにか出番があれば、ぜひ展示させていただきたいです」と、再展示にも前向きな考えを示していました。

 さらには「熱帯魚の水槽用のポンプを使って、もっと小さいものをつくろうと検討中」という情報も。11年の時を経て、「がっかりトリプル」に再び動きがあるかもしれません。

「がっかりトリプル」
『世界三大がっかり』といわれるシンガポールの「マーライオン」、コペンハーゲンの「人魚姫」、ブリュッセルの「小便小僧」を合体させ、一ケ所で三ケ所分のがっかりを体験できるお得オブジェとして完成したのが、「がっかりトリプル」です。
[月刊駄美術図鑑 2017年12月掲載] pic.twitter.com/DcmZe0aGTY

— 現代美術二等兵ふじわらかつひと (@f2touhey) February 8, 2024

<記事化協力>
現代美術二等兵ふじわらかつひとさん(@f2touhey)

(山口弘剛)

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 山口 弘剛‌ | 配信元URL:https://otakei.otakuma.net/archives/2024021201.html

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