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「不登校」ではなく「否登校」が増加 時代の変化に対応するベネッセ通信制サポート校「Be 高等学院」2025年開校

おたくま経済新聞 / 2024年6月18日 12時0分

「不登校」ではなく「否登校」が増加 時代の変化に対応するベネッセ通信制サポート校「Be 高等学院」2025年開校

注目が集まるベネッセの通信制サポート校「Be 高等学院」 説明会で全容が明らかに

 ベネッセコーポレーションが、2025年4月にスタートさせる通信制サポート校「Be 高等学院」。

 このメディア向け説明会が6月12日、Be 高等学院の生徒が通う予定のキャンパスにて開催されました。当日は、新しい学び方やプログラムの概要などが発表されました。

 「Be高等学院」は、ベネッセコーポレーションが創業以来つちかってきた「教材」「データ」「人」をフル活用して運営される、あくまで“サポート校”。連携校での高校卒業資格の取得サポートはもちろん、卒業の先にある1人ひとりの「自分らしい」進路を見つけ、目標をかなえるためのサポートも行われます。

 コースは高校卒業の単位取得を目指す「基礎科」に加えて、難関大学や海外大進学までを視野に入れた「進学科」の2コースを設置。キャンパスに週数回通う「通学スタイル」または在宅オンラインでコーチがサポートする「オンラインスタイル」のどちらかを選択可能とのことです。

Be 高等学院のポスター

■ 「不登校」ではなく「否登校」を選択する生徒が増加

 説明会では最初にベネッセコーポレーション Be 高等学院学院長の上木原孝伸さんと教育ジャーナリストの中曽根陽子さんが登壇。「通信制サポート校のこれまでとこれから」をテーマに、対談が行われました。

 上木原さんは、通信制高校の生徒数の推移を表したデータを紹介。これによると、全日制と定時制を合わせた全体の高校生の数は減少しているものの、通信制に通う高校生の数は増加していることが分かります。現在では高校生の12人に1人は通信制に通っているそうです。

高校生の12人に1人は通信制に通っている

 増加している背景には「不登校の生徒が増えているということがある」と上木原さん。これには中曽根さんも共感。不登校になっている生徒が増加していることを肌で感じているそう。

 また不登校の考え方も変わってきており、積極的に行かないことを選ぶ生徒も多く、「不登校」ではなく「否登校」になっていると中曽根さんはいいます。そのため学校の在り方も変わっていかなければいけないと語ります。

教育ジャーナリストの中曽根陽子さん

 さらに上木原さんは、通信制を含めた現在の高校教育の課題も紹介。学校生活への満足度や学習意欲が中学校段階に比べて低下しており、その学習意欲を喚起し、可能性及び能力を最大限に伸長するためのものへと転換することが急務であるそう。

 現在は産業構造や社会システムが「非連続的」とも言えるほどに急激に変化しており、高等教育機関や実社会との接続機能を果たすことが求められているのだとか。

 さらに高等学校においては、社会経済の変化を踏まえながら自己のキャリア形成と関連付けて生涯にわたって学び続けていける、学びに向かう力の育成やキャリア教育の充実を図ることが必要であると語ります。

上木原さんからは「ドリハラ」という言葉も

 上木原さんからは「ドリハラ」という言葉も飛び出します。これは夢を持つための情報量や選択肢が少ない中で、高校生がまわりの大人たちから「夢を持ちなさい」と言われること。

 上木原さんはそんな高校生たちに世の中にはこんなものがあるという情報を教え、キャリア教育を充実していきたいとのこと。

■ 「Be 高等学院」で生徒が抱える3つの悩みを解決

 このような現状の中、ベネッセコーポレーションが新たに始めようとしているのが通信制サポート校「Be 高等学院」。

 上木原さんによると、通信制に通う生徒や保護者の不安として、「学校になじめて友だちができるか」、「将来やりたいことが見つかるか」、「高卒資格が所得できるか」の3つが多く挙げられるとのこと。

通信制に通う生徒や保護者の不安

 通信制サポート校「Be 高等学院」では、「友だちができるか」などのコミュニケーションの不安を解消するために「ovice(オヴィス)」を活用。これはバーチャル空間に「Be 高等学院」のキャンパスを作ってオンラインでコミュニケーションを取るものです。

「ovice(オヴィス)」画面

 生徒はログインすると登校したことになります。アバターを動かし、他の生徒のアバターに近づいていくと話し声が聞こえ、会議室に入ると外からは話していることが聞こえなくなり、大切な話もできるそうです。

■ 「みらいキャンパス」で自分を発見

 続いて「将来やりたいことが見つかるか」の進路への不安については、「みらいキャンパス」というベネッセのプログラムを活用。

「みらいキャンパス」で自分を発見

 みらいキャンパス総合責任者の城座多紀子さんによると、「Be 高等学院」ではなりたい自分とありたい未来を見つけるために「自分発見講座」と「未来発見講座」の2つを用意しているそう。

みらいキャンパス総合責任者の城座多紀子さん

 「自分発見講座」の自分発見コーチ・中楯浩太さんによると、生徒との接し方について大切にしていることは「丁寧に問うこと」と「共感すること」。

 このことを続けていくと「『ない』から『ある』に変わる」と中楯さん。子どもたちは「自分に良いところなんてない」と思いがちだが、自分と向き合っていく中で自分の軸が「ある」ことに気づくのだとか。

「自分発見講座」画面

 自分と向き合うことでたしかな自分を感じ始めると、自分の存在に対して安心を覚えたり、自身を深めたりするのだといいます。そうなると、これからの社会にも希望のようなものが感じられてくるとのこと。

 「未来発見講座」については、城座さんによると社会で活躍する達人が、その道の面白さを伝授。生徒は自分の興味にあったテーマを選べて、自分のハテナを起点に問いを深めていけるとのこと。

 アートデザインの授業を担当する未来発見講座講師の神野秀美さんは、「得意」とは「自分で出来た実感」と「出来ているね!と言われる喜び」の掛け算と語ります。講座でも、このことを意識しておこなっているそうです。

アートデザインの授業を担当する未来発見講座講師の神野秀美さん

 講座の中で自分の得意なことがどんどん見つかり、それが楽しい気持ちと共に継続し、最終的にその得意なことが社会貢献まで繋がるようになれば最高だと考えているとのこと。

 最後に城座さんはみらいキャンパスでは、アートの他にも「グローバル」や「心理学」、「健康」や「世の中」など、沢山のテーマを用意して生徒たちの将来の可能性を見つけて伸ばしていくと説明していました。

 3つ目の「高卒資格取得ができるか」という学び直しのニーズについては、振り返り学習「ラーニングルートマップ(仮称)」というプログラムを提供予定。

振り返り学習「ラーニングルートマップ(仮称)」

 上木原さんによると、生徒によっては振り返って学ぶことが中学2年生かもしれないし、小学校4年生かもしれない可能性もある。そこで生徒に選択肢をあたえ、生徒の選択によって学習ルートが細やかに分岐していくシステムを構築中だそうです。

「ラーニングルートマップ(仮称)」画面

■ 学費は年間35万4000円~

 気になる学費は年間35万4000円~。学科やスタイルによって費用が変わるといいます。進学科は4種類あり、オンラインスタイル(週1~5)は65万4000円、通学スタイル(週1)は50万4000円、通学スタイル(週3)は70万8000円、通学スタイル(週5)は90万6000円です。

学費は年間35万4000円~

 また通学スタイルのキャンパスについては、2025年4月に首都圏と大阪で11キャンパスをオープン予定。首都圏は、水道橋・亀有・武蔵境・府中・町田・横浜・辻堂・大宮・船橋の9か所。大阪は天王寺・千里中央の2か所です。

 ベネッセコーポレーション展開する塾「進研ゼミ個別指導教室」などの昼間スペースを活用していくとのことです。

取材協力:株式会社ベネッセコーポレーション

(取材・撮影:佐藤圭亮)

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 佐藤圭亮 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2024061804.html

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