Googleはどこまで曖昧な検索に対応できる?ワードをいろいろ入れて遊んでみた
おたくま経済新聞 / 2024年12月9日 12時55分
Googleはどこまで曖昧な検索に対応できる?ワードをいろいろ入れて遊んでみた
言わずとしれたみんなの先生、Google。
曖昧な検索にも対応しており、「あの芸人さん、誰だっけ…えーっと…」というときにも、「ななななーななななーの芸人」というキーワードだけで、お笑いコンビ・ジョイマンの高木晋哉さんがヒット。こうした機能があることを、Google Japanの公式Xが11月13日に紹介していました。
かなり曖昧なものでも出るようなのですが……どの程度対処できるのか見せてもらいましょう、その実力を。
■ リズムネタ芸人をGoogleは見つけられるかまずはジョイマン高木さんと同様、リズムネタの芸人さんを探してみます。ぱっと頭に思い浮かんだのは「アクセルホッパー」。お笑い芸人・永井佑一郎さんの別名義で、日本テレビ系「エンタの神様」で人気を博しました。
「ぽんぽんすぽぽん」というリズムが気持ちいい、代表ネタの「バカテンポ」は、学校で友達とよく真似していました。
最初は曖昧度を高めに「ぱんぱんすぱぱんぱんぱんすぱんぱん 芸人 誰」で検索します。
1番上に出てきたのはYahoo知恵袋の「パンパンスパパンパンスパンパンスパァ~ンパンスパァ~ンって言う芸人の名前・・・なんでしたっけ?」という、筆者の検索ワードと似たような質問。2番目に本人のYouTubeチャンネルが表示されていました。
元ネタの音の響きは「ぱんぱん」ではなく「ぽんぽん」のため、筆者と同じように「ぱんぱん」で質問している知恵袋の方が先に出てきてしまったのでしょう。
次に、「ぽんぽんすぽぽんぽんすぽんぽん」の方で検索し直します。すると今度は一番上に永井佑一郎さんのWikipediaが現れ、その次に本人のYouTubeチャンネルが続くという結果に。成功ですね。
次はエンタ芸人・リズム芸人つながりでオリエンタルラジオさんのネタ「武勇伝」を調べてみます。「でんでんでんででんででんでんでん」という独特の入りで知られるこのネタ、まずはそのまま全部入れて検索してみます。
検索結果の上位に出てきたのはYahoo!知恵袋の「若手お笑い デンデンデデンデンというネタの後のフレーズと彼らのコンビ名・・・ど忘れして出てきません」という質問。覗いてみるとベストアンサーにはオリエンタルラジオさんの名前が上がっていました。
また検索結果の2位にはオリエンタルラジオさんの「武勇伝」の動画が表示されています。ですので一応「でんでんでんででんででんでんでん 芸人」でオリエンタルラジオさん関連のページが上位に来ていることにはなりますが……別の芸人の「でんでれでんでん、はっ、」というネタ、「でんでん」というタイトルの曲、「でんでん虫」がヒットしたりと、検索結果は割とバラバラ。
なので今度は少しキーワードを短くして「でんでんでんででん 芸人」で検索してみます。すると上位の結果がオリエンタルラジオさん関連のものだけになりました。
独創的なリズムネタも、キーワードを長くしすぎると、それはそれでヒットさせるのが難しくなるようです。
■ うろ覚えな本のタイトル、正しいものは?お笑いネタの曖昧検索にも対応していることが分かりました。でも折角ならば、日常に役立つ使い方も探りたい……。ということで目をつけたのが、本のタイトル検索。
読みたい本があって、なんとなく「これだ」というのは頭にあるけど、タイトルや著者名が曖昧なんだよなあ……ってとき、ありますよね?
福井県立図書館の公式HPには「覚え違いタイトル集」というページがあります。
ページ内には、図書館に届いた利用者さんからの本のタイトルへの質問と、それに対する司書さんたちの予想回答がまとめられおり、例えば「しばれんざぶろうの本はどこか?」という質問には、司書さんが予想して「お探しだったのは『司馬遼太郎』でした」と回答しています。
次の検索では、この「覚え違いタイトル集」にある質問を2つほど抜き出して実験してみます。果たしてGoogle先生は、司書さんと同じだけ正式なタイトルを当てられるのか。試させてもらいましょう。
1つ目は東野圭吾さんの推理小説「ガリレオ」に関する質問で、覚え違いタイトル集の中にあった「東野幸治のガリレオ」で検索してみます。
一見すると間違いに気づきにくい字面ですが、「東野幸治」さんは、吉本興業に所属するお笑い芸人。
「東野幸治 ガリレオ」で検索してみます。すると最上位にヒットするのは、文藝春秋社が展開している「ガリレオ」シリーズの公式サイト。正解です。Google先生は「東野圭吾」と「東野幸治」の勘違いに気づいていました。
続いて調べるのは「君の膵臓をたべたい」。映画化やアニメ化もされた、作家・住野よるさんの人気小説です。
検索ワードは、「私の腎臓をたべてください」「脾臓を食べた男」「君の肝臓が危ない」の3つ。いずれもなんとなく要素は含んでいるので、分かる人には分かると思います。
それぞれGoogleで検索をかけてみると、「私の腎臓をたべてください」と「脾臓を食べた男」では見事「君の膵臓をたべたい」関連のページが検索結果の1位に来ました。
「脾臓を食べた男」なんて、完全にサイコホラーのタイトルですが、ここから「君の膵臓をたべたい」が導けるのはすごいですね。
ただ、3つ目の「君の肝臓が危ない」だけは、残念ながら「君の膵臓をたべたい」が1位に来ませんでした。
1位になったのは「あなたの肝臓が危ない」というタイトルの医学系の書籍です。確かにこっちの方が「君の膵臓をたべたい」よりも近いですね。
■ メロディーを文字起こし!Googleは正解にたどり着けるのか最後は音楽に挑戦してみます。過去におたくま経済新聞で紹介した記事『Yahoo!知恵袋に投稿される「曲名を教えてください」の質問がカオスすぎると話題』では、メロディーの文字起こしから曲名を当てることのできる猛者たちが、Yahoo!知恵袋に多数生息していることが明らかになりました。
Google先生も彼らのように、文字起こししたメロディーだけで曲名を当てられるのか。試してみたいと思います。
まずは王道ともいえる1曲、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」を検索します。「だだだだーん 曲」と入力すると……。
検索上位に「運命」に関する動画がヒットしました。流石です。
次は一気に難易度を上げて「はっ、はっ、はー! 曲」で検索をかけます。知りたかったのは映画「パルプ・フィクション」などで使われていることでおなじみの楽曲「Misirlou」。
検索をかけると、1番上にYahoo!知恵袋の「洋楽で、はっはっはーって始まる曲知りませんか?」という質問が表示されましたが、知りたいのはGoogleの答えなので、今回はスルーします。
今度はキーワードを増やして「はっ、はっ、はーっ! パルプ・フィクション 曲」と入力しますと、「Misirlou」がヒット。関連する動画も表示されました。これこれ。これが知りたかったのです。
しかしながらこれでは「文字起こしだけで検索した」とはいいづらい……。リベンジとしてもう1曲調べてみることにしました。
調べるのはT Rex「20th Century Boy」。映画「20世紀少年」の主題歌にもなった曲です。
印象的なギターイントロを「じゃじゃー!じゃじゃー!じゃじゃじゃーじゃじゃじゃじゃっじゃっじゃじゃじっじゃー!」と文字起こしして、尋ねてみました。
またしても検索トップはYahoo!知恵袋。「この曲名がおもいだせません!じゃっじゃっじゃーんじゃっ……」という質問です。
試しに覗いてみますと、ベストアンサーに選ばれた回答が挙げていたのは「20th Century Boy」ではなく、Deep Purpleの「Smoke On the Water」でした。残念。
もう一度「20th Century Boy」を聞き直してみたところ、最初の「じゃじゃー!じゃじゃー!」の部分が、「じゃじゃじゃー!じゃじゃじゃー!」と「じゃ」が1つずつ多い気がしたので、修正。
「じゃじゃじゃー!じゃじゃじゃー!じゃじゃじゃーじゃじゃじゃじゃっじゃっじゃじゃじっじゃー! ロック」で再検索します。
上位には動画が何件か表示されましたが、知りたい曲とは無関係。そして動画の下に来ているのは、やはりYahoo!知恵袋。「洋楽を探しています。じゃーんじゃじゃ↑じゃ……」という質問です。念の為に確認してみます。
ベストアンサーに選ばれた回答にはアーティスト名も曲名もありませんでしたが……貼られていたYouTube動画に飛んでみると、見事にT Rex「20th Century Boy」でした!!
■ 「連想力」ではまだまだGoogle先生よりも人間の方が先を走っていそう今回挑戦した各ジャンルとも、キーワードが短かったり、検索対象から離れすぎていなかったりするとGoogle先生も正解を出してくれます。しかし長かったり変則的だったりすると、難しいようです。
連想力、という点ではまだまだGoogle検索より人間の方が先を走っているみたいですね。
Yahoo!知恵袋の回答者と、福井県立図書館の司書さんの凄さが分かる検証でした。
年末が近づくにつれて増えるお笑い番組。
楽しみですね。
「あの芸人さん、誰だっけ…えーっと…」
そんなとき、
思い浮かんだ言葉を Google アプリで検索!#Googleアプリ #これでも見つかる
— Google Japan (@googlejapan) November 12, 2024
<参考・引用>
福井県立図書館「覚え違いタイトル集」
※記事内の画像はGoogleの検索結果、福井県立図書館「覚え違いタイトル集」のスクリーンショットです。
(ヨシクラミク)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By YoshikuraMiku | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2024120903.html外部リンク
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