著作権ビジネスは6220億円の赤字!? 『進撃の巨人』らが模索するコンテンツ産業の未来

おたぽる / 2014年5月25日 22時0分

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 クールジャパンの名の下に、世界への売り込みにやっきになっている日本のコンテンツ産業。しかし、5月20日にテレビ東京で放送された『ワールドビジネスサテライト』によると、著作権ビジネスは、なんと6220億円の赤字にもなっているという。これは、アメリカをはじめとする海外の人気コンテンツへの著作権料の支払いが多くあるためだ。番組では、TPP交渉に絡めて2つの人気コンテンツを取り上げ、日本のコンテンツ産業と著作権ビジネスの今後について識者のコメントなどを紹介した。

 まず番組で取り上げられたのは、日本のアニメやマンガ、ゲームやファションといったポップカルチャーを紹介する「ジャパン エキスポ」。これは、毎年フランス・パリで開催されているヨーロッパ最大級のイベントで、2013年には4日間で23万人を動員しているという。

 今年で15回目を数えるこのイベントの生みの親でもあるトマ・シルデ氏の記者会見時には、尼崎市の非公認キャラクター"ちっちゃいおっさん"も登場。昨年の「ジャパン エキスポ」では熊本市の公認キャラクター"くまもん"が登場するなど、日本のゆるキャラにも注目が集まっている。また、同氏が会見後に原宿を訪れた際には、船橋市の非公認キャラクター"ふなっしー"に目をつけたようで「元気で動きもルックスもかわいい」とお墨付き。このイベントの影響もあってか、フランスでも"Kawaii"という言葉が日常的に使われているといい、日本のゆるキャラが世界でもブームになれば、日本だけでなく各自治体にとっても大きな収入が得られるビッグチャンスとなるだろう。

 また、「講談社でもこれだけ売れた作品は過去にない」と担当者が言うほど、その勢いに衰えが見えないマンガ『進撃の巨人』の海外向け施策を紹介。現在は英語や韓国語など、12の国と地域で翻訳され発行されているという同作。これまでは、現地で単行本が出るまで日本での発売から3~4カ月かかっており、その隙を狙って海賊版が横行していたという。そこで、昨年からは英語版のネット配信を開始。正規版のコミックスにはイベント参加券を付けるなどして、海賊版に対抗しているという。このように、正規版だけで得られる特典やイベントなどの体験も合わせて提供することによって、海外のファンを取り込もうとしているようだ。

 番組に登場した著作権ビジネスに詳しい福井健策弁護士は「簡単に許可が取れて適正な金額を払えば作品が使えるデータベースを充実させれば、過去の日本のすばらしい作品を発信していくことができる」と語るなど、今後のコンテンツビジネスのヒントを提案していた。

「海外にも人気のクールジャパン」と喜んでいるだけでは、ビジネスとして成立しないコンテンツ産業。版権だけでなく、その先のスポンサー料などで稼ぐビジネスモデルを改めて確立するべき時が来ているようだ。

おたぽる

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