亜人少女の切ない恋愛エピソードがSFへ飛躍！『亜人ちゃんは語りたい』第10話「デュラハンは時空を超えて」レビュー！

　食堂で談笑中の亜人生徒3 名と亜人教師・早紀絵。ヴァンパイアのひかりが生物教師・鉄男とキスしたことがある（第3話参照。ちなみに額にキスです）と分かり、一同大盛り上がり。その場は余裕の笑みを浮かべ平静を装う早紀絵だったが、トイレに引っ込むなり「いーなー！！！」と羨ましがる。
　一方、デュラハンの京子は帰宅後、「ひかりがキスしたなら、私がキスしてもいいんじゃないか」とひとり意気込むのだった……おお、大胆だ！

　というわけで今回は京子が主役である。他の亜人たちと同じく鉄男に思いを寄せる、彼女の恋の行方はいかに？　おまけに後半は過去最高にSFマインドに溢れた壮大なストーリーが展開された。

　大荷物を運んで廊下を歩く鉄男。そこへモジモジしながら京子がやって来る。頭部を鉄男の目の高さに持ち上げ、フラフラ付いてくる京子。鉄男が理由を問うも要領を得ない。視聴者には「キスしようとしている」と分かるが大胆すぎるぞ、京子！　ほぼ変質者のやり口だよ！
　やんわりと「後にしろ」という意味のことを告げる鉄男。それでも止めない京子。鉄男が途方に暮れていると、京子の手が滑り、頭部が宙を舞う。危ない！

　間一髪で頭部をキャッチした京子。ホッとする鉄男だが、つい彼女を叱り付けてしまう。すわべーの美声で怒られてショックを受けた京子は、涙を流して散らかった荷物を片付けようとするが、耐え切れなくなってその場を走り去る。偶然とはいえキスしようとしただけでこの仕打ち！　酷い！　

　やってしまった、と後悔しつつ、鉄男は片付け途中の荷物を見て「頭を抱えながらじゃ上手く整理もできないよな…」といちいち亜人の性質を分析。それどころじゃないよバカ！　「亜人の理解に一生懸命」という鉄男の性格が完全に裏目った展開である。

　廊下の隅で京子はひかり＆雪にことの顛末を説明し慰めてもらう。一計を案じたひかりはその場を去り、鉄男を連れて戻ってくる。気まずい京子。鉄男は彼女に平謝りし「仲直りしてほしい」と告げる。偉い。やっぱり鉄男はイイ教師だ！
　再び泣き出す京子。彼女（の頭部）を抱きしめる鉄男。仲直り成功で感動的なシーンだが、ここでひかりが京子（の胴体）をくすぐる余計なちょっかいを敢行。「ヒヒヒヒ」と奇声を上げる京子に不審がる鉄男だったが、ひかりのちょっかに気付いて「何やってるんだお前は！」と激怒。反省して早々に生徒を叱り付けてしまうのだった……。
　ちなみにひかりのちょっかいだが、原作では「京子の乳首をつつく」だったのが放送では「身体をくすぐる＆乳を揉む」と何故かマイルドになっている。そこは乳首でしょ（断言）！
　
　後半。京子は才女らしく「鉄男に喜んでもらうこと」を家で大真面目に検討しはじめる。翌日、学校で「私の身体のこと知りたいと思いますか？」と鉄男に問いかける。もちろん「亜人デュラハンの性質について」知りたいかと訊いているのだが、知らない人が聞いたら完全に誤解を招く表現ですね。鉄男は大真面目に「すごく知りたい」と答えるがこれもたいがい問題発言である。