『正解するカド』10話、宇宙誕生からイヤボーンの法則まで大展開、この大風呂敷どう畳むのか

おたぽる / 2017年6月19日 22時0分

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「私はこの宇宙の一番のファンだから!」
『正解するカド KADO:The Right Answer 』(TOKYO MXほか)の10話。米光一成が全話レビューするよ。


■38万年後、7億年後、92億年後

 冒頭のかまし、すさまじかった。
 いきなりの謎空間。
「I-年」の表示。
「キ、自
 ワ、他
 キ、感知
   見る」
 の文字。
 意味不明である。
 異方存在が対話してるのか。
 だが、これは良い意味不明。
 我々の認知能力を越えた世界を表そうとしているがゆえの断片的描写だろう。

「38万年後」の字幕。
 続いて、「7億年後」。
 ガンガン時間がぶっとんでいく。
「キ、今のは
 サ、重力の流動
 ワ、質量の偏重いだ
 ト、単純な現象です
 ノ、続いてる」
 そもそも異方存在が、こんな説明的な対話をする必要はないだろうが、まあ、これも我々に対する翻訳だろう。
 っつか、かましだ。

「92億年後」
 またとんだーーー!
「98億年後」
 またまたとぶ!
 とんで、とんで、とんで、とんで、異方特異点。
「40億年前」
 もどりとんだー。
「4億年前」
 水生生物泳いだー。
「1億6000万年前」
「260万年前」
 クマが死んでる。
 クマの眼にも涙。
 そして、「24年前」
 沙羅花の誕生シーンだ。


■大風呂敷とイヤボーンの法則

 大風呂敷を拡げた物語の閉じ方はいくつかある。
 読者が想像もしない勢いでもっと風呂敷を拡げまくって壮大さと荘厳さのまま終わるってのは、ひとつの手だ。
 これは、そのビジョンが想像力を拡張する目眩するようなシーンになると、興奮できるエンディングに突入する。
『地球幼年期の終わり』もこのパターンの終わり方だ。
『正解するカド』も、その手できたかッ。
 と、興奮したが、あああー、残念。
 沙羅花の日常シーンに時間を戻してしまった。
 そして、ここから、また昭和のアニメかッてツッコミたくなるお約束パターンで展開してしまう。
『正解するカド』は、かましかたが凄いのに、それを受けた展開が古めかしいのが残念すぎる。

 前回のラスト、「イヤボーンの法則」をストレートにやってしまった。
「イヤボーンの法則」とは、『サルでも描けるまんが教室』(1990年)で指摘された漫画でよくある展開だ。

 見かけは普通だった美少女が、絶体絶命の危機で「イヤアアア!」と叫び、眠っていた能力が覚醒、敵がボーンと炸裂して危機的状況から逃れる。
 もう1990年には「あるある」として認知されていたパターンをほぼそのまんまやってしまった。

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