『タイムスリップオタガール 』(佐々木陽子)ヒロインの達観したポジティブ思考が痛快!全アラサーに捧げるオタク青春物語!!

おたぽる / 2018年5月23日 18時0分

写真

 オタクですか? と聞かれたら、「はい、オタクです」と即答できるくらいにはオタクです。華山みおです。

 オタクの必須教養の1つであるタイムスリップ系の作品、それぞれ心の中に名作があるかと思うのですが、今回はそれを塗り替えるかもしれない佐々木陽子先生の新たなタイムスリップ漫画『タイムスリップオタガール』をレビューします。

 以下、公式のあらすじの引用です。

----------
「──命を賭けても守りたいものはあるか?」

「ある」

 それが私、城之内はとこ(30)。命よりも守りたい同人誌をカラダでかばった結果、気がつけばタイムスリップしてました。1996年、13歳になってました。

「聞いてないよ、人生───!!!」

 カラダは13歳ココロは30歳のアラサーが二度目の人生を駆け抜けるッポジティブ・タイムスリップレジェンド!
----------
 
 この作品を読んでめちゃめちゃ面白いと思うのは、私がアラサーだからなのか……。主人公・はとこと同年代なら「知ってる! それあるある~! そうだったよね~」的な合いの手を入れながら読みたくなるこの漫画。そしてこの時代を知らない人には、よく話に聞く“あの”時代を追体験できる。『タイムスリップオタガール』はそんな漫画です。

 タイムスリップ、一度は妄想したことありませんか? この記憶、知識を持ったまま昔に戻れたらな~とか。

 でも実際に戻ったらめちゃめちゃ困惑しますよね。過去のあそこはやり直したいけど、この部分は活かしておきたいとかできないし……。全ては結果の連続によって今の自分がいるわけですからね。今の自分が立派なオタクになるために、コツコツと続けて、そのために心血注いできたものをまた最初から……となるとかなりキツイです。

 だけど、そこでへこたれないのが主人公・はとこ。彼女のポジティブさが気持ちいい。

 30歳になるまで徹底したオタクとして育ったはとこが、まだオタクに染まり切る前の中学生の体に戻って手に入れた、体力と学生時代特有のあり余る時間で人生2週目を謳歌していく。スマホもネットもない時代。あるのも培ったオタク知識と経験値と、底抜けにポジティブな思考回路。目の前の出来事をエンジョイしていく彼女の姿勢がめっちゃ痛快です。

 中学時代に占めていた悩みの大部分であろう人間関係や勉強って、通過してしまうと「なんであんなことで悩んでいたんだろう」ってなることが多いですよね。怖くてたまらなかった同級生の心無い一言や、そのとき見えていた世界の狭さも、アラサーの経験値を持って再度プレイしてみると、なんなくクリアできて、新たなステージを開くことができるのです。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
おたぽる

トピックスRSS

ランキング