児童ポルノ法に続く“表現の自由“をめぐる課題は...ヘイトスピーチという法規制

おたぽる / 2014年9月12日 21時0分

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 今年6月の国会での改定案成立でひとまず終わった、児童ポルノ法改定による表現規制への危惧。けれども、"表現の危機"が去ったわけではない。秋からはヘイトスピーチ規制をめぐって、新たな論争が始まっている。

 すでに新聞各紙などが報じているように、ヘイトスピーチの法規制をめざす動きが急速に高まっている。8月28日、自民党がヘイトスピーチの法規制の是非を考えるためのプロジェクトチームを設置し、議論を開始。また、8月29日にはスイスのジュネーブで開催された国連の人種差別撤廃委員会が日本政府に対して「人種差別を包括的に禁止する法律」を制定することを求める勧告を行っている。

 この背景にあるのは、近年広がっている"ネトウヨ"などと称される一部の政治的勢力による在日韓国・朝鮮人らに対する「追い出せ」「殺せ」などの過激な言葉を用いる街宣活動である。昨年からは、こうした「ネトウヨ」に反対する、いわゆる「反ヘイト」活動も活発化。街頭で直接対峙する事態もたびたび発生しているのは、ネットや報道などでよく知られるところだ。

 この「反ヘイト」を主張する側には、諸外国で行われているように、ヘイトスピーチを法規制すべきという意見も根強い。しかし一方で、新たな法律を制定すればヘイトスピーチ以外の言論・表現も規制されうるとして、新たな法整備には反対の声もあった。

 法規制を求める人々は「諸外国ではそうした事例はない」と頑なに法規制を唱えてきた。ところが、前述の28日に開かれた自民党のプロジェクトチームの会合ではさっそく「国会前のデモを規制できないか」といった意見が登場。文字通り「案の定」という状態に陥っている。

 それでも、これまで法規制を唱えてきた人々は「差別の扇動は表現の自由ではない」などと主張する。いずれにしても、このような法律が制定されれば、法律の実態とは別にさまざまな表現が「ヘイトスピーチ」であるという批判を恐れて萎縮してしまうのは想像に難くない。やがて、その影響がマンガやアニメにもやってくることをどのように防ぐのか。この秋はそんなことを考えなくてはならなくなりそうだ。
(文/昼間 たかし)

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