ここ10年の3Dアニメーションのイノベーションを体感 『アップルシード アルファ』

おたぽる / 2014年10月31日 23時0分

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 士郎正宗の未完の名作『アップルシード』CGアニメ版が、『アップルシード アルファ』として再映画化。東京国際映画祭で日本国内初お披露目された。『アップルシード アルファ』は、7月にパリで開催されたJapan Expoで世界最速公開。すでに公式サイトもオープンしているが、まだ日本語版はリリースされていない状況。そうした中で黒田硫黄によるスピンオフ作品『アップルシードα』が「月刊モーニング・ツー」9月号(講談社)で連載を始めており、劇場公開が期待されている作品だ。

 なにしろ、原作は士郎正宗のメジャーデビュー作なのに1989年以来中断。アニメも、テレビアニメ版は『APPLESEED GENESIS』が制作発表されたのに中止になっている。2011年に放映された『APPLESEED XIII』は、全13話がちゃんと終わっただけでも、ホッとした。さて『アップルシード アルファ』は、2004年に劇場公開された『APPLESEED』と、2007年制作の続編『EX MACHINA -エクスマキナ-』を担当した荒牧伸志監督が、再び挑んだもの。簡単にいえば、一作目、原作一巻部分の再映画化である。

 鑑賞して、思わず声を出しそうになるのは精緻なCGアニメーションだ。この10年あまりの技術の発達とスキルの進展を実感せずにはいられない。とにかくCGなのに、それを感じさせないリアルさで動き、飛び、爆発する。特に後半から登場する「多脚砲台」のシーンは目が離せない。「多脚砲台」というのは作品に触れたことのある人ならば知っていると思うが、蜘蛛みたいな脚のあるアレである。これが、無機質に動いて攻撃してくるわけで、このシーン自体で、現在のCGアニメーション技術が、どれほどのレベルのものかを体感できるだろう。

 正直、映画『ファイナルファンタジー』あたりと比べれば、いかに技術が進歩したかが、おのずと理解できるのではなかろうか。

 2Dアニメとは違う感覚で楽しめる作品なのは間違いないが、それでも難点はある。どうも登場人物が無機質である。そりゃブリアレオスはサイボーグなのだから当然かもしれない。しかし、デュナンの胸が石膏みたいに固まってるのが、ずっと気になってしまった。今はまだ、観客が脳内補完でなんとかしなければならない。けれども、いずれ、そんな脳内作業も不要になる日がくるだろうと、期待してやまない。
(文/是枝了以)

おたぽる

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