1舞台につき約10万円分! チケット販売ノルマを課せられる俳優たちの苦悩

おたぽる / 2014年11月11日 20時0分

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■元・夢追い人が綴る"俳優奮闘雑記" 第4回

――"上京ドリーマー"だった元俳優が綴る、"舞台裏"で起こっていたあんな事やこんな事。

 こんにちは、古賀信義です。

 今回は、前回(http://otapol.jp/2014/10/post-1699.html)で少し触れた「ノルマ」について書いていこうと思います。ここで言う「ノルマ」とは、出演者ひとり一人に課せられたチケットの販売目標のことです。舞台に出演するにあたって、会場費を俳優みんなで負担するべく、チケットもみんなで売ります。その「ノルマ」を私がどう達成したか、達成できなければどうなるかについて、お話しましょう。

 舞台に関して言えば、大体の場合、本番のステージまで3カ月くらいの時間があります。この間に宣伝して、お客さんにチケットを買ってもらいますが、「舞台やるから観に来て!」と言って簡単にチケットが売れるわけではありません。ちょっとした工夫が必要でした。そもそも、宣伝するといっても、基本的にスケジュールはバイトと稽古で埋まっているので、私の場合はメールでの宣伝が主になります。

 まず本番の日時が決まったら、早速「○月○日〜○月○日まで舞台に出演しますよ! もし良かったら観に来て下さい!」と"だけ"メールします。当然、この時点でチケットが売れる事はほとんどありません。最初は出演するって事をお知らせするだけでいいと思っていたので。普段、連絡を取らない人にも連絡ができるので、久しぶりにコミュニケーションを取るいい機会でもあります。というのも、私はこの時、ついでにメールを送った人の近況も聞くようにしていました。これには理由があって、私自身、舞台の出演の時だけ友人や知人にメールするのはなにか失礼な感じがして、つまりチケットを売るためにだけメールをするのが嫌だったんです。だからこの時に相手の様子、仕事で疲れている事や、人間関係で悩んでいる事などを聞いて、舞台の宣伝と一緒にコミュニケーションを取っていました。

 さて、本番1カ月前になるとさすがに確実にチケットを売っていかなければなりません。だからといって、電話までして「チケット買ってよ!」なんて事はしませんでした。送るメールの中に、日時以外にも簡単な物語のあらすじを追加します。

 ただ、何より大事なのは、宣伝メールを送るタイミングだと思っていました。出だしに「いよいよ本番が迫ってきました......」と加えたりもしましたが、それはあくまでもこっち側の都合。相手側の都合、つまりそろそろ予定を決めてもらえそうな時期を狙ってメールをするのです。この時、決して一斉送信はしません。最初の宣伝メールもですが、常に個別に連絡します。

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