【対談】山下敦弘×高橋栄樹 戸惑いながら誰もが見つめずにいられない、“前田敦子“という特異点

おたぽる / 2013年12月2日 21時1分

写真

――前編では、映画『もらとりあむタマ子』に主演する前田敦子と作中のキャラクター「タマ子」との親和性について語った、同作監督・山下敦弘と映画『DOCUMENTARY of AKB48』などを手がけた高橋栄樹。今回はさらに"前田敦子"という存在、その女優としての評価などをあけすけに話した。

■AKB時代の前田敦子とは

──山下監督は、高橋監督の『DOCUMENTARY of AKB48』は観られましたか?

山下 実は、今回はじめて観させてもらいました。というのも、『苦役列車』のときに、『タマ子』脚本の向井康介から「圧倒されるから、観ないほうがいいよ」って言われたんです。それで、ようやく観てショックを受けましたね。すごいなーと思いました。やっぱり、AKBの前田敦子って無理してたんですよね。すっげぇ頑張ってる。

高橋 すごい重圧だったと思います。センターなので人目も集まるし、取材でも後ろに十数人を従えて受け応えしなければならないし、誹謗中傷も彼女に集まるし、それを日々繰り返してきたわけですからね。

山下 それと比べると、『もらとりあむタマ子』は頑張ってないですよ。というと失礼ですけど、ホントに頑張ってない(笑)。前田敦子が持ってる器や余裕だけでできる演技なので。なので、過呼吸になるAKBでは相当無理をしてたんだなって思いました。『苦役列車』と『タマ子』を創ってから観ると、ちょっと目頭が熱くなります(笑)。

高橋 大島優子さんとはやっぱり違うんですよね。大島さんは日々演じられている方というか、サービスをしたくてしょうがない人ですけど、前田さんはああいう日々の中で自分をガードしていった印象があります。

山下 ドキュメンタリーを観ても、あっちゃんにあまりサービス精神がないのはよくわかります。大島さんは使いどころがいっぱいあったと思いますけど、あっちゃんは探さないといない感じ。でも、そういう人がセンターをやっているんですよね。

高橋 そのアンバランスさが魅力というところはあるんでしょうね。普通に考えると、大島さんのほうがいろんな意味で要領がいいから、すべてが非常にスムーズに回るんだけど、あえて回らないであろう人がセンターにキャスティングされていた。本人もジレンマを抱えつつ。やっぱり独特というか、もともとはセンターにいる感じの人じゃなかったんだと思います。

■AKBで培われた反射神経

──中田秀夫監督の『クロユリ団地』や黒沢清監督の『Seventh Code』と、前田さんは実績のある映画監督と仕事をし、しっかりと経験も積んでいます。女優として可能性を秘めた存在だと思いますか?

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング