2万円ジョジョ画集の値引き販売は集英社の不誠実? Amazon炎上にある誤解

おたぽる / 2013年12月29日 12時0分

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 今年9月に発売された荒木飛呂彦の画集「JOJOVELLER 完全限定版」(集英社)の価格をめぐって、騒動が起こっている。

「JOJOVELLER 完全限定版」は、『ジョジョの奇妙な冒険』連載25周年を記念して発売されたファン向けの画集セット。画集に加え、別冊付録2冊、2012年に開催された「ジョジョ展」のドキュメンタリーなどを収録したBlu-rayディスク2枚をボックスに収めた豪華セットで、完全受注生産、価格も実に2万円とまさにコアなファン向けのアイテムだった。

 騒動になったのは、発売後の販売価格をめぐってのもの。当然多くのユーザーは定価の2万円で購入したのだが、その後、Amazonをはじめとしたネット書店や一部リアル店舗で値引き販売が行われたのだ。

 値引き販売は、Amazonではすでに9月頃から行われており、カスタマーレビューやブログなどでも物議を醸していたのだが、どういう経緯か12月になってネットニュースで取り上げられ、現在大きな話題になっている。

 一連の流れで批判が集中しているのは、版元である集英社。Amazonのカスタマーレビューには「完全受注生産のはずでは?」「あこぎな商売」「失望した」といった内容のコメントが数多く投稿されている。

 ファンからすれば完全受注生産のはずのものが、通常販売で並んでおり、しかも定価の半額以下になっているとなれば、納得いかない気持ちも理解できる。だが、それでは集英社が不誠実な販売を行っていたかというと、それは誤解だ。

 今回の騒動の根本にあるのは、「完全受注生産」という言葉をめぐるすれ違いだ。

「完全受注生産」という言葉を多くのユーザーは、エンドユーザーが予約した分だけ作られると理解していただろう。だが、集英社側から見た「完全受注生産」は、正確には「(書店などの小売りからの)完全受注生産」を意味している。つまり、書店サイドがエンドユーザーからの予約数以上に発注を行い、店頭在庫として販売することも可能であり、実際、いくつかの店舗ではそれが行われていた。

 一般的な書籍であれば、問題はここまでで、「市場にダブついている」という結果だけで済むところだ。だが、今回の場合は、さらにちょっと複雑な商ルールが絡んでいる。

 一般的な書籍は、いわゆる再販制度のため、基本的に価格が下がることはない。その代わり、委託販売制度とセットになっており、書店は一定期間内なら売れなかった商品を出版社に返品することができる。

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