児ポ法改正案の問題点とはなにか?「マニアの話題」という壁を越えるために必要なこと

おたぽる / 2014年1月5日 23時30分

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 小媒体先日報じたCG児童ポルノ裁判記事は、大変な話題になっている。今年にも、児童ポルノ法改正案が審議されて単純所持規制、さらには二次元規制が現実のものになろうとしている中で、当然の反応である。

 だが、広い日本の中でどれだけ、この問題に関心を示している人がいるだろうか。現在、当該の記事のツイート数は1300を超えている。この数字をどう見るべきだろうか? 冬のコミックマーケット85の来場者数は三日間合計で52万人。3日目だけで18万人だったことを考えると、まだ世間でこの問題に関心を持つ人の数は少ないというしかない。

 本来、児童ポルノ法改正によって"表現が萎縮する"といった形で影響を受けそうないわゆるオタク層でも、多くはこの問題について「三次元の問題が二次元に飛び火している」と見ているのではなかろうか? そのような状態ゆえに、児童ポルノ法改正は日本国民の中で国民的議論になり得るには到底及ばない、非常にマニアックな関心事にとどまっている。

 早い話が、世の中の大抵の人とこの事件について話せば、ただただ「子供に欲情するのは頭がオカシイ」と思われるのが、事実である。なぜなら、具体的に自分の生活にどのような影響を及ぼすかをイメージすることができないからだ。

 昨年、可決直前になって、一大ブームとなった特定秘密保護法も、一部のマニアックな人の騒ぎに終わってしまった。世間では「マスコミは反対している」ようなイメージがあっただろうが、大手新聞社の科学部記者に聞くと、「役所に聞いたら原発情報は秘密にならないと言っているし......」と言うし、ある報道番組のプロデューサーからも「マスコミの多くが反対している理由がわからない」と言われて、少々驚いた。

 このような状況を生み出したのも、やはり具体的に法律が施行された時に、どのようなことが起こるかをイメージできないからだ。

 では、特定秘密保護法なり児童ポルノ法の与党側改正案が、実際に施行された後にどのような状況を生み出すの? おそらくは、突然何かが変わることはない。実際に法を運用する警察当局が、突然「児童ポルノ」を単純所持している人々を狩り出すキャンペーンを行うかといえば、少し疑問だ。狩り出されるのは、従前通りのガチの"児童を性的に虐待している"画像などに限られるだろう。

 特定秘密保護法や児童ポルノ法改定案が共通して恐ろしいのは、この目に見えて市民生活に影響を及ぼさない部分だ。その一方で、ジワジワと法律が条文で記された内容を超えて、無制限に拡大していく様は個人情報保護法でも明らかになっている。

 2012年の違法ダウンロード刑事罰化から児童ポルノ法改定案、特定秘密保護法まで、真の問題点はココだ。いくら政治家や取り締まりを行う当局が「そのようなことはしない」といっても、国民の側の過剰な反応が一般化していく現象をとどめることはできない。実際に、まだ法改定も行われていないのに、すでに世の中には「児童ポルノとは何か?」ということを考えることなく、「子供のハダカ自体がダメ」という空気が醸成されている。そうした情勢に抗うことができる人は少数だ。

 それゆえに、法による規制は極力避けられるべきなのだが、それを多くの国民にイメージさせることは難しい。ただ心配するのをやめて、どれだけ多くの国民を説得することが出来るか? この問題がマニアックな関心事という枠を超えるために、なお一層の努力が求められている。
(文/昼間 たかし)

おたぽる

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