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【今月の不健全図書レビュー】国家権力の介入を招きかねない危うさを象徴──赤星ジェイク『はれもの水風船』

おたぽる / 2015年11月23日 20時0分

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――東京都をはじめ、地方自治体の「青少年・治安対策本部」では、毎月“不健全図書”を挙げ、自主規制団体らと共に審議を行っている。この審議結果は毎回公表されるものの、審査過程での自主規制団体の声が顧みられることはほぼない。エロにせよ何にせよ、どこか尖った作品を大の大人が色々な立場から評価するという、そんな貴重な意見が無視されるなんてもったいない! このコーナーでは、“不健全図書”に指定されたマンガなどを自主規制団体の声と共に紹介していきたい。つまり、クラウド・ファンディング(群衆による資金調達)ならぬ“不健全図書”クラウド・レビュー(群衆による批評)、はじまり、はじまり~!

【今月の指定図書】

 赤星ジェイク『はれもの水風船』(ふーじょんぷろだくと)は、今月のボーイズラブ枠であります。もちろん「枠」なんてないんですけど、もはやボーイズラブが毎月1冊は指定されるのが定番になりつつあります。

 そして、出版元がふゅーじょんぷろだくと。

 古いオタクには「原稿料が図書券だった」伝説でも有名な会社ですね。「いつか訴えられるぞ」といわれながら、商業で二次創作のアンソロを権利元で無許可で出版(むかし集英社の偉い人が「コミックマーケットは許しても、ふゅーじょんぷろだくとだけは許せない」という名言を)。最近も『ONE PIECE』のアンソロ本とか出版継続中ですね。

 ほかにも社長のパワハラで自殺者まで出たり、いわくもあるけど伝統もある会社。それにもかかわらず、今さら不健全図書指定されてしまうのはなぜか。東京都が指定のハードルを下げているのか? いや違う。やはりボーイズラブの作者・編集者の権力観に問題の本質があるのだと筆者は見ています。

 男性向けのエロマンガは長年の伝統で、権力の出方を必死に読んでいます。とりわけ、18禁エロマンガで局部の修正が大きくなったり小さくなったりするのは、時流を読んでいるからです。東京都の不健全図書指定制度にも、刑法のワイセツ罪にも明確な基準などありません。つまり「法令を遵守する」など不可能。すべては権力のお目こぼしの中で行われているに過ぎないのです。

 それを理解していないと、明後日の方向で自主規制をしてしまうバカな編集者も出てくるのです。

 たび重なる不健全図書指定によって、ボーイズラブの作者・編集者も経験値は積んでいると思います。とはいえ、大前提である「エロ本をつくっている」という意識は男性向けに比べて、まだ不足しているのではないでしょうか。現状のままだと、いずれ警察がワイセツ罪でやってくることがあるかもしれません。その前に防衛本能を働かせて欲しいと思いつつ、今回の指定について分析していきましょう。

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