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「腹八分目は健康にいい」説、実際どうなの? 内科医に聞いて分かった“真偽”

オトナンサー / 2024年6月3日 9時10分

本当はおなかいっぱい食べたいけど…

「腹八分(腹八分目)に医者いらず」。そうした言葉もあるように、食事の際はおなかいっぱい食べるよりも「腹八分目」にとどめておくのが「健康にいい」と、昔からいわれてきました。しかしこの“説”、「なんで?」「本当にそうなの?」と疑問に思ったことはありませんか。

 そこで、「腹八分目は健康にいい」説は医学的に本当といえるのかどうか、eatLIFEクリニック(横浜市旭区)院長で内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんが解説します。

■「満腹になるまで」はデメリットの方が上回る

 結論からいうと、「腹八分目は健康にいい」というのは事実です。

 実際に、マウスやサルの実験では「腹八分目で寿命が延びる」という報告があります。人間に当てはまるかどうかはまだ解明されていませんが、食事量をセーブすることで肥満の予防・改善、血糖値や中性脂肪、コレステロールなどの数値の改善が期待できます。

 過度に摂取量を制限すると栄養バランスが崩れてしまい、必要な栄養素も不足するため、体への悪影響が考えられますが、“腹八分目”であれば問題ない範囲といえるでしょう。

 一方で「腹八分目では足りない」「おなかいっぱい食べたい!」と考える人も少なくないでしょう。しかし、満腹になるまで食べる場合は、デメリットの方が上回ると考えられます。

 というのも、満腹まで食べることで、カロリー過多による肥満や脂質異常症、2型糖尿病、塩分過多による高血圧などのリスクが上がるからです。

 さらに、満腹によって「逆流性食道炎」を誘発しやすくなるといったことも考えられます。逆流性食道炎は、食道と胃のつなぎ目の筋肉が緩んで、胃から食道へ胃酸が逆流することで起こります。そのため、食べ過ぎると胃の内圧が上がってつなぎ目の筋肉が緩み、胃酸が逆流しやすくなるのです。

 満腹になるまで食べるメリットとしては、おなかいっぱい食べることで、精神的に満足することくらいでしょうか。

 となると、食事の際はやはり「腹八分目」を意識するとよいといえます。しかし中には、食事中・食事後に自分が「腹八分目」かどうか、何を目安に判断したらいいのか分からない……という人もいるかもしれません。

 腹八分目は、満腹と感じる前に食事を終えることを指します。そのため、「まだもう少し食べられるな」という感覚を目安にするとよいでしょう。

 また、早食いなどで一気に食べると、満腹中枢が働く前に多くの食べ物が胃に入ることになるため、“食べ過ぎ”の状態になってしまいます。そうなると腹八分目の判断が難しくなり、ストップがきかなくなるのです。食事の際は満腹中枢を刺激しやすくなるよう、「よくかんでゆっくりと食べる」ことを意識してみてください。

オトナンサー編集部

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