取引先に“婚約破棄”を報告した女性 社長の態度が変わり恐怖【漫画・作者インタビュー】
オトナンサー / 2024年6月2日 20時50分
自ら受けた性被害の経験を元に描いた創作シリーズ漫画「取引先の社長から×××を受けた話」が、Instagramで多数のいいねを集めて話題となっています。
フリーランスデザイナーの作者は、取引先の社長に、予定していた結婚がなくなったことを報告しました。励ましの言葉をもらい、そのときは何ごともなかったのですが…。作者の経験したエピソードに、似た経験をした女性から、共感の声が上がっています。
■性被害の影響を引きずっていることに気付く
この漫画を描いたのはデザイナー・イラストレーターでライブドア公式ブロガーのうみさんです。過去の実体験を元にした漫画を、Instagramとブログ「うみの漫画ブログ-人生大コーカイ!-」で発表しています。うみさんに、作品についてのお話を聞きました。
Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。
うみさん「絵日記程度のものは以前から描いていましたが、長編ストーリー作品を描き始めたのは2022年からです。
実体験を元にしているストーリーは、思い出して再構成するのに2週間から数カ月、絵を仕上げるのに1話につき1~2時間かけています。時間がかかる作業ですが、Instagramに投稿することで、まったく知らない人からご感想をいただけたり、尊敬する漫画家さんたちともつながれたりと、今までになかった交流の機会が増えたので、創作活動への意欲が増しました」
Q.漫画「取引先の社長から×××を受けた話」シリーズを描いた理由を教えてください。
うみさん「最初のうちはセクハラ的な、軽めのオモシロ話にしようと思っていました。しかし、過去を振り返って話を考えているうちに、自分自身が受けたのは性被害であり、いまだにその影響を引きずっていることにも気付きました。
以前から『女性であることの生きづらさ』や、『性』について考えることは多かったので、なんらかの形でそのようなテーマの作品を作りたいという思いはずっと持っていました。そして『そのタイミングが今かもしれない』と感じ、この漫画を描き始めました」
Q.社長のとのやりとりで違和感を覚えたのは、どのタイミングでしたか。
うみさん「明確な違和感というよりは、2人で忘年会をして、2軒目に行ったときぐらいからジワジワと、『これって大丈夫だよね…?』と考えることが増えていきました」
Q.この経験を漫画にして発表することで、ご自身の気持ちにも変化はありましたか。
うみさん「ようやく根本に抱えていた問題と向き合えた、という達成感の一方で、『この漫画を読んだ周囲の人からどう思われるかな』『余計な気を使わせたりしないかな』など、新たな葛藤も生まれました」
Q.漫画「取引先の社長から×××を受けた話」について、反響や意見はありましたか。
うみさん「友人や読者さんから、似たような被害に遭ったことを告白されました。やはり周囲の人には言えなかったり、つらい思いを抱えていたりする方が多い印象でした。私に対して厳しい意見や助言を頂くことも多かったのですが、一方で共感してもらったり、気遣うコメントをしてくださる方もいたりして、励みになりました。
被害に遭ったことのある友人の一人に、この漫画のネームを最後まで読んでもらったのですが、『性被害のことはなかなか理解されづらいから、この漫画を自分の周囲の人にも読んでほしいと思った』と言ってもらえたのがうれしかったです」
オトナンサー編集部
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