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音声の“聞こえにくさ”を改善する「ミライスピーカー・ミニ」 前モデルより9900円引き下げたワケ メーカーに聞く

オトナンサー / 2024年6月16日 6時10分

2月に発売された「ミライスピーカー・ミニ」(サウンドファン提供)

 近年、テレビに接続することで、テレビの音声をより聞き取りやすくする音響機器の「ミライスピーカー」シリーズが話題となっています。製造元のサウンドファン(東京都中央区)は2月、ヒット商品の「ミライスピーカー・ホーム」(税込み2万9700円)の後継モデルである、「ミライスピーカー・ミニ」(税込み1万9800円)を発売。3年以内に100万台の販売達成を目標に掲げています。

 同社によると、ミライスピーカー・ミニは前モデルよりも1万円ほど価格を引き下げつつ、部分的に改良した商品だといいます。物価高の中、なぜ前モデルよりも価格を引き下げた商品を発売したのでしょうか。狙いについて、同社の山地浩社長に聞きました。

■商品の普及率向上を目指す

Q.そもそも、「ミライスピーカー」とはどのような商品なのでしょうか。

山地さん「主に、加齢から生じるテレビの言葉の聞こえにくさを改善するスピーカーです。テレビの横に設置するだけで、聞こえにくい人でも音量を上げずに言葉がはっきりと聞き取れるようになるのが特徴です。『ミライスピーカー・ミニ』のほか、上位モデルの『ミライスピーカー・ステレオ』があります。

なぜ言葉の聞こえにくさが改善されるのかというと、スピーカーに内蔵された曲面型の振動板によって、言葉が聞こえやすい音質でより広く、遠くまで届くからです。この技術は当社が蓄音機のラッパ部分をヒントに独自に開発したものです。われわれは『曲面サウンド』と呼んでいます」

Q.2月に「ミライスピーカー・ミニ」を発売した理由について、教えてください。20万台以上を売り上げた、前モデルの「ミライスピーカー・ホーム」よりも1万円ほど価格を引き下げたのは、なぜなのでしょうか。

山地さん「前モデルの『ミライスピーカー・ホーム』について、『とてもいい商品だけど、約3万円は高い』という意見を多くのお客さまからいただいたことがきっかけです。例えば、アマゾンや楽天市場のレビューでは、『性能的には星5点だけど、価格が少し高いから星4点にする』という内容の投稿が多かったです。

ミライスピーカーは、家族へのプレゼントの目的で購入されるケースが多く、1年の中で販売台数が最も多いのは、9月の敬老の日の時期で、母の日や父の日の時期にも販売台数が増えます。実際に、プレゼントのために購入を検討しているお客さまからは『3万円近い価格だと、敬老の日や父の日のプレゼントとして買うにはハードルが高い』という意見が寄せられました。

こうした意見を基に、価格を引き下げることで、少しでも多くのお客さまにミライスピーカーを購入していただき、商品の普及率を向上させたいと考えました。そこで、他社製品の販売価格を参考に、製造コストを下げ、2万円以下でミライスピーカーを販売できないかと考え、ミライスピーカー・ホームの構造や製造工程を徹底的に見直しました」

Q.前モデルよりも価格を引き下げる点について、社内外で反対の声はなかったのでしょうか。

山地さん「『曲面サウンドという、他社にはない技術を持っているので価格を下げない方がもうかるのでは?』という指摘をいただきましたし、社内でも利益を重視するのか、価格を下げてお客さまの利便性向上を重視するのかについて、慎重に議論を重ねました。

一方、われわれには、ミライスピーカーによって耳が遠い人の聞こえを改善することで、その方々の生活が少しでも明るいものになるよう、サポートし続けたいという目標があります。こうした目標を少しでも早く実現させるためには、価格を引き下げて商品の普及率を高める方が大事だと、社内での議論を通じて改めて認識し、ミライスピーカー・ミニの開発に踏み切りました」

Q.「ミライスピーカー・ミニ」の製造コストを下げるために、どのような工夫をしたのでしょうか。苦労した点や前モデルから変更した点も含めて、教えてください。

山地さん「前モデルよりも本体をシンプルな設計にしました。それにより、使用する部品の数を半減させ、ネジを締める工数を減らすなど、製造工程を大幅に減らすことで製造コストを下げることに成功しました。

また、スピーカーの使用時に違和感がないよう、内部の曲面振動板を白色から黒色に変更しましたが、部品の削減や曲面振動板の色の変更は前例がなく、かなり苦労しました。結局、われわれが求める音が出る黒色の曲面振動板を手に入れることができなかったため、これまで使っていた白色の振動板を黒色に塗装しています。

このほか、スピーカーの音量を調節するダイヤルがすぐに見つけられるように、新モデルではダイヤル部分に若干傾斜をもたせているほか、音量のレベルを6段階に分けて表示するなど、前モデルよりも使いやすさを追求しています」

■「ミライスピーカー・ミニ」の販売状況は?

Q.「ミライスピーカー・ミニ」の販売状況はいかがでしょうか。また、3年以内に100万台の販売を目指すということですが、達成の見込みはありますか。

山地さん「前モデルよりも価格を下げたことで販売が好調に推移しており、とても手応えを感じています。恐らく、3年以内に販売目標を達成できるのはないかと思います。特に、最近は家電量販店での販売台数が急増しています。

当社はもともとネット通販での販売がメインで、当社商品を取り扱ってくださる家電量販店の数は数十店舗程度でした。ところが、ミライスピーカー・ホームのヒットにより、この1年で当社商品を扱う家電量販店は数十店舗から約1800店舗に急増しました。家電量販店に行ったときは、ぜひミライスピーカーを手に取っていただきたいと考えております」

Q.「ミライスピーカー」シリーズについて、どのような意見が寄せられているのでしょうか。

山地さん「手紙やメールなどを通じて、『今まで聞こえなかったテレビの音声がはっきりと聞こえるようになった』『この商品を作ってくれてありがたい』といった感想をたくさんいただいています。

また、『敬老の日に母にプレゼントしたところ、母がニュース番組の内容を積極的に話すようになり、気持ちが前向きになった』『音声が聞こえにくかったのが、聞こえるようになったときの喜びは、耳が遠い人でなければ分からない! よくぞ開発してくださいました』という声もいただいており、ミライスピーカーが多くの人にとって、役立つ商品であることを実感しています」

オトナンサー編集部

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