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別居はしても離婚しない…一つ屋根の下に「いない」のに離婚しない夫婦の“生々しい事情”

オトナンサー / 2024年6月29日 8時10分

別居しているのに、離婚はしない夫婦の事情とは…

 タレント・神田うのさんの「別居婚」は、メディアでよく取り上げられるのでご存知の人も多いでしょう。家族という形を保ちたいのか、慰謝料より婚費が高いのか、それともプライドなのか、理由はご本人にしか分かりません。

「別居婚」とは文字通り、婚姻関係にあるのに同居をするのではなく、別の家で夫婦生活を送ることを前提にしている関係です。最近では芸能人でなくとも、夫婦仲が悪化した後に離婚はせずに、まずは別居という形を取るケースも見受けられます。

 なぜ、離婚せずに別居を選ぶのか――。恋人・夫婦仲相談所の所長である私が知る実例とともに見ていきましょう。

■協議離婚と裁判離婚では「別居期間1年未満」の割合が大きく異なる

 厚生労働省が行った調査結果をまとめた「離婚に関する統計の概況」(2022年度)があります。これによると、別居期間別にみた離婚は、別居期間が「1年未満」のケースが82.8%です。

 協議離婚の場合は「1年未満」が86.2%。裁判離婚は「1年未満」が56.8%で、別居期間が「1年~5年」の割合が34.1%と多いことから、すんなりと離婚できない夫婦ほど別居期間が長いという結果になっています。

 また、別居期間が「1年未満」の割合を、親権を行う子どもの有無別にみると、「親権を行う子あり」では84.6%、「親権を行う子なし」では80.3%となっていて、別居と子どもの有無はあまり関係ないようです。

 さらに、年代別に別居期間をみていくと、20代は「1年未満」が90%台だったのに対し、30代、40代では80%台、50代は70%台、60代~70代は60%台と、年齢が上がるにつれ、別居期間が長くなっていることが見てとれます。

 この数値は、結果的に離婚した夫婦への調査であるため、最終的に離婚に至っていますが、現実は最終的に離婚するかしないか分からない状態で、手探りで別居をスタートしているケースもかなりあるのが実情です。

■優しい夫の愛だけでは物足りない“わがまま妻”

 朝子さん(48歳、仮名)には13歳と10歳の子どもがいます。エステサロンでパートをしながら、妻として実業家の夫、正孝さん(52歳、同)を支えてきました。

 正孝さんは妻にも子どもにも優しく、声を荒げるようなことはしません。そんな平均的夫婦のイメージの朝子さんですが、意外にも、妻子ある男性と恋に落ちます。いわゆる不倫です。

 その理由を朝子さんは「寂しかったから」と言います。不倫相手は、離婚するつもりがないのは重々承知。夫とは違うスタイルで相談に乗ってくれたり、自分を求めてくれたりする姿にひかれた、と。

 もともと、朝子さん夫妻はセックスレスではありません。しかし、不倫相手を愛している朝子さんは夫とのセックスが苦痛になり、断るようになります。そんな妻を、夫は責めませんでした。ちなみに不倫がバレているわけではありません。

 営みの拒否を叱ってもらえないことを、朝子さんは「寂しい」と言うのです。勝手な寂しさとむなしさを募らせた朝子さんは、「好きでなくなったから離婚してほしい」と夫に切り出します。もちろん夫は応じません。営みの拒否も離婚の切り出しも、「自分に否があったかも」と考えたようです。

 朝子さんはなかなかのわがままです。「子どもたちとの生活があるから、私は出ていくことができない。あなたが出て行ってほしい」と夫を追い出したのです。夫は、別居することで妻の気持ちが落ち着くのならと、自宅マンション近くにある自分の実家で暮らしています。

 朝子さんは現在も、妻子ある男性との関係を続けながら、自立を目指し、個人でネイルサロンを開業しました。

「別居したら気が済みました。離婚したら婚姻費用はもらえないので今、離婚は考えていません。このままの関係を続けられればと思います」

■バリキャリ妻がヒモ夫に“三くだり半”

 真麻さん(42歳、仮名)は、外資系企業で働くバリキャリ女性。夫の翔さん(42歳、同)はフリーのフラワーコーディネーターで稼ぎが少なく、一家の大黒柱は真麻さんです。

 真麻さんの熱烈アタックで結婚したこともあり、二人の関係は翔さんが上。夫の方は、時間が自由で家にいることが多いのに家事はせず、花ばかりいじっています。真麻さんは2人の子どもを私立の学校へ通わせるために、日々忙しく仕事をしながら家事もこなしていました。

 当然、二人の仲はどんどん険悪になり、浮世離れしている夫に「離婚しよう」と毎日のように言うように。根負けした翔さんは、子どもたちに「離婚する」と伝えました。すると、2人の子どもたちが「パパもママも好きだから、お願いだから離婚しないでほしい」と泣きます。その姿を見て、真麻さんは離婚を思いとどまりましたが、気持ちは収まりません。

 苦肉の策として、「今の家は狭いから」という理由をつけて格安のアパートを借り、夫に平日はそちらで寝泊まりしてもらうようにしたのです。子どもたちはそれぞれの部屋ができて、父親とも週末に会えるので満足。真麻さんも、夫と毎日顔を合わすことがなくなり、ストレスがなくなりました。

「土日も仕事をしたり、習い事に行ったりと家にいないことが多いので、夫と顔を合わすことがなくなり、今は本当に快適です。子どもたちが巣立ったらどうなるか分かりませんが、今はこのままで満足です。でも、もし新しい彼氏ができたら不倫ってことになるのかなあ」

 わがまますぎる朝子さんと、臨機応変に対応する真麻さん。2組のケースの別居理由は違いますが、「一緒の空間にいないだけでストレスがなくなる」点は一致しています。(実は朝子さんはその後、不倫がバレてもめています)

 別居をすると、たまに会うときに優しくなれたり、反省点が見えたり、ほれ直したりして関係が改善するケースも多くあります。必ずしも、別居の果てに離婚があるわけではないのです。

 現在、「離婚をしたい」とモヤっている人は、気持ちのリセットとして、期間限定の別居にトライしてみることは一つの選択肢になります。リカバリーできるか、リセットの決心ができるか、別居はあくまでも人生の岐路のお試し形態と考えてみてください。

「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美

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