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腎臓の持病がある母 息子と娘のワンオペ看病で心身ともに限界 “心の叫び”に共感の声相次ぐ【漫画・作者インタビュー】

オトナンサー / 2024年6月30日 6時10分

漫画「そこらへんにいる主婦の最近の話し」のカット(幸せまつ子さん提供)

 ワンオペで子どもの看病をしながら自分も体調を崩したときのことを描いた漫画「そこらへんにいる主婦の最近の話し」が、Instagramで600以上のいいねを集めて話題となっています。

 発熱者が増えて休園になってしまった幼稚園。娘が熱を出したと思ったら、息子はマイコプラズマ肺炎にかかってしまいます。父は激務で夜遅くにしか帰れず、家にこもって1人で看病する母でしたが、持病が悪化してしまい…。読者からは「胸がギュッとなりました」「心から共感します!」などの声が上がっています。

■看病で持病が再発

 この漫画を描いたのは、幸せまつ子さんです。日常生活や家族のこと、また持病であるIgA腎症の治療や入院記録を、Instagramとブログ「幸せまつ子の一生」で発表しています。幸せまつ子さんに、作品についてのお話を聞きました。

Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。

幸せまつ子さん「2021年10月ごろです。当時はちょうど持病が悪化して、手術や投薬の開始など、治療真っ只中でした。闘病が長くなりそうだったので、今までの治療記録を残そうと思ったこと、また同じ病気の人や、持病を持ちながら子育てしている人たちを少しでも元気付けられたら、と思って描き始めました」

Q.漫画を発表することで、ご自身に変化はありましたか。

幸せまつ子さん「定期的に入院したり、体調が安定せず寝込んだりと、気持ちが落ち込む日がとても多かったのですが、漫画を投稿することで同じ境遇の人たちから励ましのメッセージをたくさん頂きました。社会と触れ合う機会もなく、黙々と育児をしている中、自分が発信したものにコメントがついたり、DMを頂けたりと、漫画を通してたくさんの人と交流することができて、気持ち的にかなり救われました」

Q.このエピソードを漫画にしようと思ったきっかけを教えてください。

幸せまつ子さん「私が手術や3度の入院を終え、やっと病気が良くなってところ、この出来事があってからの再発だったので、あまりにも悔しくて。その気持ちを世の中にぶつけるために、無我夢中で描きました(笑)」

Q.お子さんたちはよく病気をするのでしょうか。また、このときは特にひどい状況でしたか。

幸せまつ子さん「きょうだいでちょくちょく風邪をひいては互いにうつしあっているのですが、このときは今までで一番ひどかったです。コロナによる幼稚園の休園、娘の風邪、息子のマイコプラズマ肺炎で、約1カ月の間、家にこもってひたすら看病していました」

Q.ワンオペや病児保育について、国や自治体からどのような支援が欲しいと思いますか。

幸せまつ子さん「子育て手当や支援金などの金銭的な助けも本当にありがたいのですが、会社が育児の担い手である夫をもっと早く家に帰してくれると助かります。具体的には、毎日定時で帰ってきてくれたり、有休やフレックス勤務を柔軟に使えたり、出張の頻度や転勤の時期を考慮してもらうなど…。男性も家庭での役割があるということを、会社に分かってほしいです。

もちろん、共働きの場合は逆も然りです。子育て世代の働き方に関して、『いつでも家庭を優先できる』くらいの余裕が持てる社会になるといいな、と思っています。その大前提をクリアした次の段階として、やっと公共の支援などに話が及ぶのかな…と思います」

Q.ご自身や子どもの健康維持で、気を付けていることがあれば教えてください。

幸せまつ子さん「子どもには定番ですが、たくさん運動させて、たくさん食べさせて、たくさん寝かせるようにしています。それでも幼稚園からいろいろな菌をもらってきますが、そこはもう『今のうちに風邪をひいて、免疫を付けちゃいな!』と諦めるようにしています。

自分に関しては、無理をすると数日後に倍になって返ってくるので、『しんどいな』と思い始めたら、どんな状況でもすぐ怠けるようにしています。床に転がって、子どもから顔に幼児用のメイクをされている間とかに、しっかり寝ています(笑)」

Q.この作品に、どのようなコメントが寄せられていますか。

幸せまつ子さん「びっくりするくらいの共感の声を頂きました。病気の子どものワンオペ育児は多くの人が経験していて、みんな身を削ってしんどい思いをしながらも、なんとか乗り越えてきているんだな、と改めて感じました。

そして、コメントに多かったのが、『ベビーシッターを増やしてほしい』『お金を配るから生んでくれなんて、この状況ではそもそも無理』などですね。こんなひどい状況が『あるある』になってしまっている現状は、異常だなとも思いました。本当にコメント欄がリアルで切実な声ばかりだったので、行政の人にそのまま見てほしいぐらいです!」

オトナンサー編集部

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