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「言うことを聞かないと鬼が来るよ!」 子どもに対する“脅し教育”に賛否の声…子育てアドバイザーの見解は?

オトナンサー / 2024年7月7日 8時10分

「鬼が来るよ!」…わが子に言ったことある?

「言うことを聞かないと鬼が来るよ!」「早く寝ないとおばけが来るよ!」。子どもを叱ったり、なかなか言うことを聞かなかったりしたとき、「鬼が来る」などと言った経験がある親もいるのではないでしょうか。いわゆる“脅し”によるしつけや教育については、「子どもがスムーズに言うことを聞く」「効果的」と考える親がいる一方で、「恐怖で支配するのはよくないのでは」「怖がらせるしつけは悪影響がありそう」など否定的な親も少なくなく、賛否が分かれているようです。

 そこで、実際のところ、しつけ目的で「鬼が来るよ」などの“脅し”を使うことは「アリ」なのか「ナシ」なのか、子育てアドバイザーの佐藤めぐみさんに見解を聞きました。

■「言うこと聞かないなら置いていくよ」も同類

Q.「言うことを聞かないと鬼が来るよ」といったような、子どもに対する“脅し”を用いたしつけや教育について、どう思われますか。

佐藤さん「このやり方は昔から用いられていますね。びっくりするようなことを言って相手を動かそうとするわけです。イソップ童話の『オオカミ少年』の話とも通じるところがあります。しかし、起こりもしないことを言い続けるとどうなるか。『オオカミ少年』でもそうですが、信用を失うことになります。

唯一のメリット(メリットと言っていいのか分かりませんが)を言うなら、『即効性がある』ということでしょうか」

Q.子どもに対する“脅し”を用いたしつけや教育について、アリだと思われますか。それとも、ナシだと思われますか。

佐藤さん「ナシです。理由はいろいろありますが、まず、鬼やお化けなど『怖い』と感じる対象を用いることで、本気で怖がるようになりかねないというのが1つ目です。普通に生きていたら、鬼やお化けに遭遇することはないですから、本来は話題にほとんど上がらない存在です。しかし、親が叱るたびに言葉にしていたら、子どもはそのたびに、その存在に触れることになります。のちのち『暗い部屋に行けない』『トイレに入れない』『夜1人で寝れない』といったことになりかねないので、恐怖の植え付けは避けるべきです。

また、びっくりさせて動かそうというやり方としては、お化けや鬼以外にも、『片付けないならおもちゃを全部捨てちゃうよ』『言うこと聞かないなら置いていくよ』なども同類といえます。

『オオカミ少年』の話でも触れたように、『いくら片付けなくてもおもちゃは捨てられない』『いくら言うことを聞かなくても、置いていかれることはない』となれば、『パパ・ママはああ言っているけれど、本当にそうはならない』と言葉の重みが薄まっていき、ますます言うことを聞かなくなってしまいます。『ちゃんと言っているのに、言うことを聞かない』という場合は、子どもが聞き流すことを覚えてしまっているのかもしれません」

Q.これまで、子どもに言うことを聞かせるために“脅し”を使っていた親が、“脅し”を使わないしつけ・教育に切り替えていくためには、どうすればいいですか。

佐藤さん「『自分だったらどうか』という視点に置き換えると、気付きを得やすいと思います。例えば、仕事であるプロジェクトに取り組んでいるときに、横に来た上司に『ちゃんとやらないとクビになるぞ』と脅かされるのと、『頑張ってるな』『力になるから何かあれば聞いて』と言われるのとでは、どちらが健全に前へ進めるでしょうか。

親が子どもに『◯◯してほしい』『◯◯をやめてほしい』と思うとき、恐怖にさらすのと、ねぎらいながら並走するのとでは、即効性では前者に軍配が上がりますが、持続性では後者です。人間は、自分の行為を肯定される方が受け入れやすく、モチベーションを保ちながら学習できるからです。

例えば、お風呂から出た後のお着替えの場面。パジャマの上は着たけど、下がまだというとき、目線はまだ履けていないパンツやズボンに行きがちですが、既に着ている上パジャマに目を向け、『わ~早いね。もう着てる!』とした方が、パンツ、ズボン…と続きやすくなります。

また、『パパ・ママが言ったことが本当に起こった! 困った!』ということが行動改善のきっかけになることも多いです。『おもちゃ全部捨てちゃうよ』ではなく『散らかっているものは明日まで預かるからね』だと、その子は次の日に好きなおもちゃで遊べない経験をするので、『お片付けの重要性』に気付くきっかけになるのです。脅かすことを言って実際に起こらないよりも、もっと小さなことでも本当に起こった方が学びになるのですね。

子どもたちはまだまだ新たな行動の学習中です。即効性ではなく持続性にシフトし、新しい行動を習得させてあげてほしいと思います」

オトナンサー編集部

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