9歳の自閉症児、育て中 何度も嘔吐、痰に血…謎の“症状”に襲われ動揺 母が受診して得た教訓 7月12日「人間ドックの日」
オトナンサー / 2024年7月12日 7時10分
ライター、イラストレーターとして活動するべっこうあめアマミさんは、知的障害を伴う自閉症がある9歳の息子と、きょうだい児(障害や病気を持つ兄弟姉妹がいる子ども)の5歳の娘を育てながら、発達障害や障害児育児に関する記事を執筆しています。
7月12日は、公益社団法人日本人間ドック・予防医療学会が制定した「人間ドックの日」ですが、みなさんは定期的に健康チェックをしていますか。子育て中は、忙しくてつい後回しにしてしまいがちな健康管理ですが、怠ってしまうと大変なことになってしまうかもしれません。
今回はアマミさんが自身の体験を交えながら、育児中の健康管理の大切さについて、解説します。
■夜に突然吐き気が
5月のある夜、眠れないくらいの吐き気に襲われた私は、飛び起きて流し場へ直行しました。そして、何度も嘔吐(おうと)を繰り返してしまったのです。
気持ち悪さは数日続き、食欲もあまりありませんでした。何とか気力を振り絞って娘を保育園へ連れていき、その後は家で寝たり起きたりしながら過ごしていると、今度は血痰(けったん)が出始めました。
吐き気に続き、血痰が出てしまい、さすがに不安でたまらなくなったため、私は病院に行きました。そして、胃カメラ検査を受けることになったのです。結果は、幸い大きな病変はなく、ストレス性の胃炎の可能性があると診断されました。
しかし、私はこのとき、胃カメラ検査のほか、定期的な健康診断を何年も受けていないことに気付きました。そのため、「もしかしたら大きな病気を放置してしまっていたのでは…」という不安は、計り知れないほど大きいものでした。
■30代後半になると話題が「病気」になりがち
私は今、30代後半ですが、久しぶりに友達に会うと、「最近こんな病気をした」「実は手術をして…」など、病気の話題になりがちです。若い頃とは違い、年齢を重ね、体にもいろいろとガタがきやすくなっているのでしょう。
そういう私も、先述の吐き気の件だけではなく、2021年に突然倒れ、てんかんという持病を持つことになった経験があります。病院で「てんかん」という病名を聞いたときは、自分がそんな病気になるなんて思いもしなかったので、大きなショックを受けました。
健康に生活している日常の中では、健康診断などを意識することはあまりないかもしれませんが、体の異変は突然やってきます。
そしてそんな、体からSOSが出されたタイミングで、急に私のように健康の大切さを考えさせられる人は多いのではないでしょうか。
■健診で小まめな健康チェックを
健康な体を維持していくためにできることは多々あるとは思いますが、まず大事なのは、やはり定期的に健康診断を受けることだと思います。病気によっては、兆候など探りようがないものもありますが、早期に病気の芽を発見することで、治療がしやすくなったり、完治できるようになったりする病気もたくさんあるはずです。
ちょうど、7月12日は公益社団法人日本人間ドック・予防医療学会(以下、日本人間ドック学会)が制定した「人間ドックの日」です。
日本人間ドック学会によると、人間ドックの日は、1954年7月12日に国立東京第一病院(現:国立国際医療研究センター)で初めて「人間ドック」が行われたことに由来するといいます。この7月12日をきっかけに、より多くの人に人間ドックの受診を促すことで病気の早期発見につなげ、国民の健康増進に寄与する目的で2019年に制定したということです。
お金も時間もかかり、つい腰が重くなってしまう人間ドックですが、いざ体調を崩したときの不安や、実際に大病を患ってしまった場合の精神的負担、経済的負担を想像し、ぜひ前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
■障害がある子の育児で親が体調不良に陥るケースも
私の息子には重度の障害がありますが、息子のように障害がある子を育てているママ友からは、胃の不調のほか、難聴などの耳の病気、心の病気などで体調を崩す話を聞きがちです。
体力的にも精神的にも、疲弊度合いが半端ない育児ですから、ストレスが体や心をむしばんでいっても不思議ではありません。
ですから、息子と同じような子を育てるママ友と会ったときには、「子どものためにまずは自分の体を大事にしようね」という話をよくします。
障害がある子でなくても、子どもを育てるということは、生活全般において気が抜けません。育児とは次から次へと難題が絶えない、大変なことです。
親は、自分のことより子どもの体調ばかりを気にしてしまうものですが、親が元気でなければ子育てなんてできるはずもありません。そこで、子育て中の親御さんにこそ、まずは子どもより先に自分の健康チェックに目を向けてほしいと思います。
会社勤めをしていると、会社からほぼ強制的に健康診断や人間ドックを受ける機会を設けられますが、専業主婦やパートタイマー、自営業などの人にはなかなかそういう機会はやってきません。
しかし、子どもを育てるために、あえてそのような、会社に属さない状況に身を置いている人も多々いることでしょう。
これから先も、子どもをしっかり育てていくために、まずは自分の健康管理に目を向けてみませんか。人間ドックの日というよい節目に、世の中の頑張る親御さんたちが、自分の健康チェックのために病院に行くことを期待しています。
ライター、イラストレーター べっこうあめアマミ
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