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愛猫の「猫パンチ」が攻撃的すぎる!→獣医師「体調不良の可能性があります」 異変を察知するポイントも解説

オトナンサー / 2024年9月4日 9時10分

かわいい「猫パンチ」だけど、実は病気やケガの可能性も…?

 猫が、飼い主の体や好きなおもちゃに向かって前足や両足を伸ばし、ポンポンとたたくようなしぐさを見せることがあります。いわゆる「猫パンチ」と呼ばれ、猫のかわいらしさが感じられる行動の一つですが、「なんで猫パンチを繰り出すの?」「攻撃のため?」と疑問に思ったことがある人もいるのではないでしょうか。

 ますだ動物クリニック(静岡県島田市)院長で獣医師の増田国充さんによると、「猫パンチ」には猫の心理状態が現れる一方、病気やケガが潜んでいる可能性もあるそうです。猫が「猫パンチ」をする理由や意味について、詳しくご解説いただきました。

■不満や拒否を示す場合も?

 一般に「猫パンチ」と呼ばれる行動は、そのときの猫の心理状態や、手が出る力加減によって、さまざまな理由があると考えられます。

 例えば、パンチと呼んでいいかも分からないくらい、何かに対してちょいちょいと手を出す動きを見せることがあります。これは興味や関心を示しているときにみられる動きで、好奇心によって対象のものに手を出している状態です。気持ちが落ち着いていることが多いのですが、高ぶってくるとその力の入れ方が強くなる他、爪を出すことがあるかもしれません。

 一方で、何となく気乗りせず、不満や拒否を示す場合にも手が出ることがあります。このときはどちらかというと、対象となるものを押しのけるようなしぐさとなります。よかれと思って猫をなでていても、猫自身がその気分でないときにもみられます。場合によっては爪を出して、拒否することもあります。

 また、恐怖や威嚇の行為として、素早く強いパンチを繰り出すことがあります。このときは、うなり声や、「シャーッ」と声を上げることがよくあります。相手に対して明らかに敵意を示している状態なので、うかつに手を出すとケガをする恐れがあります。

 このように、猫のパンチはさまざまな理由で生じる猫の行動と捉えることができるのです。

■普段は温厚な猫の「攻撃的なパンチ」は要注意

 「猫パンチ」を繰り出すことが多い猫には、いくつかの特徴が存在します。

 猫の性格や行動はさまざまですが、猫に強いストレスがかかるような状態となっているときは、恐怖心を持ち合わせていることが多いと考えられます。例えば、「初めての場所を訪れたとき」や「相性の合わない猫」と遭遇したときには、不安や緊張が高まります。このようなときは、猫自身が“身を守る行動”としてパンチを繰り出すのです。

 また、普段は温厚な猫が、威嚇や攻撃性のあるパンチを出す場合は、これらの原因の他、体調不良である場合も考えられます。どこかに痛みがあったり、排尿や排便が思うようにできなかったりするなど、普段と異なる様子である場合は「もしかしたら病気やケガがあるかもしれない」と考えておくとよいかもしれません。

 なお、年齢による性格の変化は人間でもみられますが、猫では老齢になると「甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)」というホルモン疾患になることがあります。体重減少や毛並みの悪化の他、攻撃性が強くなり、目がぎらつくといった変化がみられます。気になる場合は、動物病院で検診を受けてみましょう。

 愛情表現などによるパンチと、攻撃が目的のパンチ……これらを飼い主が見分けるには、猫の心理状態を見極めることが重要になると思います。

 猫の心理状態は、表情やしぐさから推測できます。例えば、リラックスしているときは目を細めているなど、瞳孔(黒目)がそれほど拡大せず、耳は立っているものの張り詰めていない状態です。逆に、恐怖を感じていたり、威嚇をしていたりするような場合は、瞳孔が開き、毛が逆立って弓なりの姿勢をしています。

 痛みがどこかにある場合は、体の動き自体が緩慢あるいは強い緊張状態になったり、触れられることをことさら嫌がるようになったりします。猫は気分の移ろいが激しい動物ですが、そのときの気持ちをくんであげることも大事な気遣いですね。

■猫がストレスをためない環境づくりを

 猫の性格は個々様々です。臆病な猫にはなるべく、びっくりさせたり恐怖感を与えたりしない気遣いが必要となります。また、音や光といった刺激も時として「不安」と感じることがあり、結果として猫パンチを発することにつながる場合があります。猫がストレスをためない環境づくりをしてあげましょう。

 一方で、猫の健康面にも気を使ってあげたいところです。猫は体調不良になっても、その症状が軽い場合、はっきりと表に現れないことがあります。実際に、猫は関節炎をはじめとした整形外科による不調が潜在的に多いのではないかという報告があります。気付きにくい痛みや不快感をいち早く察知し、早期に対策を取ることで、おうちの人がネガティブな猫パンチを受ける機会が軽減できるかもしれません。

 なお、猫パンチによって傷を負った場合、「猫ひっかき病」という細菌感染症にかかることがあります。定期的なノミ予防と手洗いを欠かさないようにし、受傷した場合は病院で診察を受けるようにしましょう。

オトナンサー編集部

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