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【婚活】誠実でいい人だけど「生理的に合わない」 結婚の「可能性はゼロじゃない」と言い切れるワケ

オトナンサー / 2024年9月8日 7時10分

「生理的に合わない」相手との結婚、あなたはどう思う?

 婚活をしていると、お相手の人柄が申し分なくても、「生理的に合わない」と感じることがあります。このような場合、お付き合いを続けるか否かを迷うところです。今回は、言葉や理屈では解決できない“生理的に合わない”という感情について、結婚相談所を運営する仲人の筆者が知る実例とともに、考えていきましょう。

■人柄は良いけれど、生理的に合わない

 みちえさん(35歳、仮名)は、ともやさん(31歳、仮名)とお見合いした後に、こんなことを言いました。

「見た目はタイプではなかったけれど、すごく誠実な人だというのが伝わってきました。お見合いのお席も、早めにラウンジに来て、取っておいてくださいました」

 その気遣いには、好印象を抱きました。

「お話も、仕事や休日の過ごし方、趣味などを話してくださり、また私の話もよく聞いてくださいました。人間的には申し分がないのですが、“またこの人に会いたい”という気持ちにならなかったんです」

 そこで私は、「では、一晩考えてからお返事したらいかがですか?」と言いました。すると、翌日、「上場企業にお勤めで、条件も良い人だし、お断りするのはもったいないので、交際希望を出してみます」と連絡がありました。

 既に、ともやさんの相談室からは「交際希望」が来ていたので、二人は「仮交際」になりました。

 そして、ファーストデートをしたのですが、それを終えて、みちえさんから「相談があります」という連絡が来ました。

「お見合いのときのモヤモヤ感が、ファーストデートをして、さらに強くなりました。何が悪いのかうまく言葉では言えないのですが、おそらく生理的に受け付けないのだと思います。ただ、この話を母にしたら、『いい年して、何、女子高生みたいなことを言ってるの』と叱られてしまいました」

 みちえさんの母親は、こう言ったそうです。

「恋愛と結婚は違うのよ。結婚は日々の生活。どんなに見た目がタイプでも、お金にだらしない男性、遊び人の男性、妻の稼ぎをあてにして働かない男性と結婚したら、苦労をするし、不幸になるわよ。結婚するなら、誠実で生活基盤がしっかりしている男性がいいの。“ほれた腫れたは当座の内”と言うけれど、浮かれた恋愛気分でいるのは最初だけよ」

 結婚生活を40年以上してきた女性の言葉には、重みがあります。また、「恋愛と結婚は違う」「結婚は日々の生活なので、誠実で生活基盤のある男性と結婚した方が幸せ」というのも真実でしょう。

 ただ、お見合いで出会い、その人との結婚を考えたときに、「生理的に合う/合わない」というのは、どうしても立ちはだかる問題です。どんなに誠実で生活基盤のある男性だったとしても、好きになれない、結婚したいと思えないという気持ちが働くのも、また真実なのです。

■「生理的に合わない相手」との結婚はゼロ?

 生理的に合うかどうかは、相手に初めて会ったときに感じる、直感的な反応です。その反応は、理屈を超えて感じるものです。外見的な要素、におい、声のトーン、醸し出す雰囲気、しぐさの特徴など、さまざまな要素により、自分が受け入れられない何かを感じるのです。

 これが恋愛や結婚ではなく、職場での人間関係や、近所やサークルなどで知人関係を築く場合なら、“生理的に合わない”と思っても、常識的な大人の対応を心がければ、スムーズに関係が築けるでしょう。

 しかし、一歩踏み込んで「親友」として付き合う、「恋人」として付き合うという、そこに自分の感情を乗せたお付き合いになると、“生理的に合わない人”との付き合いは、つらくなっていきます。

 では、「生理的に合わない相手」と思ったら、もう、結婚する可能性はゼロなのでしょうか?

 可能性としては、ゼロではないと思います。初めのうちは生理的に合わないと感じても、時間をかけて相手とコミュニケーションを取っていくうちに、相手のよさや価値観を理解するようになると、相手に対しての感じ方が変わることもあります。

 カーッと燃え上がる恋愛ではなく、穏やかな日常を紡ぐのが結婚ですから、相手のよい面を積極的に見つけようとしているうちに、気持ちが育っていくこともあるでしょう。

 逆に、「においや声のトーン、醸し出す雰囲気、外見的な特徴がドンピシャのタイプで、一瞬で恋に落ちてしまった。ところが、関係を深めていったら、罵詈(ばり)雑言を浴びせてくるモラハラ男、暴力を振るうDV男だった。ささいなことでキレるヒステリック女性だった」。そうした本性が分かったときには、気持ちは冷めていくでしょう。

 幸せな結婚生活というのは、生理的な相性だけでなく、人としての誠実さ、優しさ、価値観、ライフスタイルの一致など多くの要因に基づいています。たとえ生理的に合わないと感じても、これら他の要素が一致していれば、人生を共に歩むパートナーとしての関係を、うまく築いていけるのではないでしょうか。

 結婚は、恋愛感情だけでは成り立ちません。パートナーシップやお互いの協力、支え合いが必要です。生理的な相性がよくなくても、信頼関係や尊敬、互いの成長を支える意識があれば、それもまた幸せな結婚の形です。

■結婚における優先順位とは何か?

 結婚生活において、「何を優先的に考えているのか」を明確にすることが大切です。生理的な相性を重視するのか、それとも他の価値観や目標の一致を重視するのか。最終的に、結婚を決めるのは、ご自身です。

 また、「生理的に合わないけれど、人間性が素晴らしい」と思う相手との結婚を考える際には、自分が合わないと思っている違和感を受け入れることができるかどうかを見極める必要もあります。無理に自分を納得させようとすると、長期的には後悔することにもつながります。

 ただ、かつてこんな例がありました。

 まゆさん(38歳、仮名)は、しんじさん(41歳、同)とのお見合いを終えて、こんな感想を漏らしました。

「経歴も素晴らしいし、年収も高くて、結婚相手としては申し分のない条件なのですが、私は、お付き合いをしても、しんじさんのことは、男性として好きにならないと思います。人としては素晴らしいけれど、男性としての魅力を感じませんでした」

 つまりは、「生理的に合わない」と思ったのです。そして、交際はお断りを出しました。

 その数週間後に、みどりさん(40歳、仮名)が、しんじさんとお見合いをしました。みどりさんは、「今までお見合いしてきた人の中で、一番すてきでした」と交際希望を出しました。そして、しんじさんも交際希望だったので、二人は仮交際に入りました。

 そこからデートを重ねていくうちに、二人は瞬く間に恋に落ち、お見合いから2カ月後には結婚を決めて、成婚退会していきました。

 まゆさんにとって生理的に合わなかったしんじさんは、みどりさんにとっては大恋愛する“大本命”だったのです。

 同じ人物でも、人によって生理的に合うか、合わないかは違います。人は100人いたら、100通りの個性や感情があります。生理的に合うか合わないかの正体は、ご自身が持ち合わせている感覚が、対峙(たいじ)した相手をどう捉えるかです。

 そして、最終的にはご自身が結婚において、何を優先的に考えているのかを明確にすることが大切です。生理的な相性を重視するのか、それとも他の価値観や目標の一致を重視するのか――。

 その中で、ご自身がいい落とし所を見つけて、「このパートナーとこれからの人生を歩んでいこう」と決めていくことが、大切になっていくのではないでしょうか。

仲人・ライター 鎌田れい

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