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「妊娠の話ばっかり…正直ウザいわ」 SNSで厳しい声多数の「マタニティーハイ」はどうして起こるのか【医師解説】

オトナンサー / 2024年9月17日 9時10分

「ウザい」「うっとおしい」SNSでは厳しい声も…

 妊娠が分かると、赤ちゃんを授かった喜びや幸福感から、気分が高揚する妊婦さんは多いと思います。その舞い上がるような気分が普段の言動や行動、テンションなどに現れることを指す「マタニティーハイ」という言葉もよく聞かれるようになりました。

 このマタニティーハイについては、高揚感による言動や行動で周囲に迷惑をかけたり、困惑させたりするケースもしばしば見受けられることから、ネガティブな印象を抱いている人が少なくない模様。SNSでは、「妊娠した途端、自分の妊娠の話ばっかりになった友達…ごめんだけど正直ウザいわ」「SNSにエコー写真ばかり載せてるのを見ると、なんかうんざりする」「ハイの友達に『早く子どもつくった方がいいよ』と言われたときは、さすがに距離を置こうと思った」「妊娠自体は祝福してるけど…浮かれすぎててうっとおしいからインスタミュートした」といった、かなり辛らつな声も聞かれるほどです。

「マタニティーハイ」はどうして起こってしまうのか……神谷町WGレディースクリニック(東京都港区)院長で産婦人科医の尾西芳子さんに、原因や対処法について詳しく教えていただきました。

■医学的な原因は「分かっていない」が…

「マタニティーハイ」とは、妊娠を契機に気分が高揚し、周囲から見ても異常にハイな状態のことを指す言葉です。ただし、出産による急激なホルモンの変化で情緒不安定な症状が現れる「マタニティーブルー」とは違い、医学的な用語ではありません。

 なぜマタニティーハイになってしまうのかは正式には分かっていませんが、考えられる原因としては“妊娠した喜び”による、脳内でのドーパミンの増加です。分泌されたドーパミンが快感をもたらすことでハイな状態になり、また、人から祝福されることで、この快感が増強されていると考えられます。

 なお、医学的な原因が分かっていないため、マタニティーハイになりやすい女性の特徴を判断することも難しいです。

 そんなマタニティーハイの状態になっている妊婦に対して、SNSなどを中心に「友達だけど疲れた」「うんざりする」「正直ウザい」というネガティブな声も少なからず見受けられます。確かに、周りのことを考えずに「他の人にも妊娠を勧める」といった行動は、周囲から見て不快に思うこともありますよね。

 ただ、妊娠中は精神的に不安定な時期です。指摘することで反撃をしたり、今度は極度に落ち込んでしまったりするといったことも考えられます。そのため、本人に直接指摘するのは避けた方がよいでしょう。

 距離が置ける関係であれば少し距離を置いたり、身近な関係であれば喜びを分かち合う姿勢を持ちつつ、不快な思いをしている人のことをやんわり伝えたりするのも必要なことだと思います。

 一方で、妊婦が自ら気付いたり、指摘を受けたりしたことで、自分のマタニティーハイを自覚するケースもあるでしょう。そして妊婦本人が「マタニティーハイの状態を脱したい」「心身を落ち着かせたい」と思うこともあるかもしれません。

 マタニティーハイは、それ自体が悪いわけではなく、そのことで周囲に不快な思いをさせてしまうことが問題となる部分です。一方で、マタニティーハイは、心身ともに大変な妊娠期を乗り切るために、妊婦にとってある程度は必要な部分もあるといえます。

 そのため、妊婦側がそうした気持ちを無理やり抑える必要はありませんが、「周囲には、人に言えず不妊に苦しんだり、流産したりした人がいるかもしれない」ということを意識し、配慮した言動や行動を取るようにしたいものです。

 軽い運動やマタニティーヨガなどで体を動かすことで、ハイな気持ちを落ち着かせるのもいいと思います。妊娠中の日記を書くことなども、自分の気持ちを整理できるのでおすすめですよ。

オトナンサー編集部

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