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「イライラするのはカルシウム不足だから」ってよくいうけど…本当なの? 内科医に聞いてみた結果

オトナンサー / 2024年10月11日 6時10分

「イライラ=カルシウム不足」って本当なの…?

 日常生活の中で「イライラ」してしまうことは誰にでもあるもの。そんなとき、「カルシウムが足りてないんじゃない?」「牛乳飲みなよ」と言ったり、言われたりしたことがある人、わりと多いのではないでしょうか。確かに「イライラするのはカルシウム不足だから」とはよくいわれていますが、医学的観点でみたとき、この通説は「事実」といえるのでしょうか。eatLIFEクリニック(横浜市旭区)院長で内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんが、その“真偽”について解説します。

■「血液中のカルシウムが減る」ことはない

 俗に「イライラするのはカルシウムが足りていないから」とよくいわれますが、結論からいいますと、これは事実ではありません。

 カルシウムの99%は骨や歯に存在し、残りの1%は血液中や細胞内に存在します。血液中のカルシウムは神経や筋肉の動きを調整したり、血液の凝固作用を促進したりする働きがありますが、そもそも、血液中のカルシウムが減ると、代わりに骨が溶け出してカルシウム濃度を一定に保っています。そのため、「血液中のカルシウムが減る」ことは通常ありません。

 つまり、血液中のカルシウムが不足するという事態が通常起きないため、「カルシウム不足が原因でイライラする」ということもないのです。

 先述したように、カルシウムは神経の伝達に関係するため、「不足すると精神的に不安定になり、イライラする」と考えられ、“誤解”として広まっていったのではないでしょうか。

 では、カルシウムと「イライラ」は本当に何の関係もないのでしょうか。実は、これについては、一概に「全くの無関係」ともいえない部分があります。

 例えば、「寝る前に、温めた牛乳を飲むとよく眠れる」といわれるように、確かに牛乳にはイライラを抑制する働きがあります。しかし、それは牛乳がカルシウムを多く含むためではなく、食品に含まれる必須アミノ酸のトリプトファンが多く含まれているからです。

 別名「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンには、精神を安定させる働きがあり、このセロトニンの原料となるのがトリプトファンです。牛乳にはトリプトファンが多く入っているため、イライラを解消・予防する効果が期待できるのです。

 このトリプトファンは牛乳を含む乳製品以外にも、肉や魚、バナナなどに多く含まれています。これらの食品を積極的に取り、セロトニンの生成を促進するために日光浴をしたり、お風呂にゆっくりと入ってリラックスしたりすると効果的ですよ。

 なお、カルシウムが慢性的に不足すると「骨粗しょう症」のリスクが上がるので、積極的にカルシウムが含まれる食品を摂取しましょう。カルシウムは乳製品や大豆製品、小魚や野菜などに多く含まれます。魚やキノコなどに含まれるビタミンDを一緒に摂取すると、カルシウムの吸収率が上がるので、ぜひ組み合わせて摂取したいですね。

オトナンサー編集部

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